『ドリトル先生の野球』




               第四幕  有望な人

 先生は研究室で精神科の論文を書き終えました、そうして次の論文を書く準備に入りますがその時にでした。
 ふとです、研究室に遊びに来ていた王子に言われました。
「野球部の正捕手の人だけれど」
「その有望な人だね」
「そんなに凄いんだ」
「キャッチングがよくてね」
 まずはこのことからお話する先生でした。
「強肩で自分のチームや相手チームのこともよく研究していてね」
「それでなんだ」
「しかもバッティングもいい」
「凄い人なんだね」
「間違いなくね」
 こうも言う先生でした。
「プロ野球選手になってもね」
「通用するんだね」
「そこまでの人だよ」
 まさにというのです。
「その人はね」
「そうなんだね」
「そう、ただね」
「ただ?」
「監督さんが言うには」 
 大学の野球部のその人がというのです。
「足は遅いらしいよ」
「そうなんだ」
「まあキャッチャーだとね」
「走る方はね」
「走り回るポジションじゃないね」
「そうだね、確かに」
 王子が見てもです、このことは。
「そうしたことはしないね」
「他のポジションよりもね」
「キャッチングとかフライの処理とかで素早い動きは必要でも」
「外野手やショート、セカンドの人と違ってね」
「速く動いてね」
 そうしてとです、王子も答えました。
「ボールを捕るってことはね」
「ないね」
「だからだね」
「足が遅くてもね」
 そうであってもというのです。
「そこはある程度はね」
「仕方ないんだね」
「そもそも完璧な人間はいないね」
 こうも言う先生でした。
「サッカーでもフォワードの選手にブロックやパスカットは求められないね」
「ドリブルやシュートがメインでね」
「だからね」  
「それぞれのポジションで求められるものが違うね」
「野球ではね、そしてキャッチャーはね」
 このポジションの人はといいますと。
「ピッチャーのボールを捕球して」
「リードしてだね」
「敵チームのランナーが盗塁してきたら刺す」
「やることが多いね」
「だからバッティングは二の次になっている人もいるんだ」
「まずはポジションの仕事だね」
「そう、本当にチームの守備の要だから」
 それだけにというのです。
「難しいんだ」
「そうなんだね」
「そう、ただね」
「ただ?」
「キャッチャーとしての能力も高くて」 
 キャッチングやリード、そして肩といった能力がというのです。
「打つ人もいるよ」
「そうなんだね」
「そう、そんな凄い能力の高い人もいるよ」
「古田さんとか?」
 すぐにです、王子はこの人の名前を出しました。
「それだと」
「あの人もそうだし野村さんもね」
「あの人も凄かったんだね」
「四番キャッチャーとしてね」
「活躍したんだったね」
「そうだよ、南海でね」
 このチームでというのです。
「長い間活躍したんだ」
「そうだったんだね」
「監督もしていたしね」
「南海って今はソフトバンクだね」
「ダイエーだった時代もあったね」
「昔は大阪に本拠地があったね」
 王子はそのチームのこのことも知っていました。
「今は福岡に本拠地があるけれど」
「そうだよ、親会社がダイエーになった時にね」
「本拠地が移ったんだね」
「そうだよ、そしてね」
 それでというのです。
「今に至るんだ」
「そうだったんだね」
「そのホークスが南海時代に現役でね」
「凄い人だったんだね」
「相手チームのバッターのこともよく知っていて」
 勿論自分のチームのピッチャーの人達のこともです。
「そしてね」
「リードが上手で」
「相手チームのランナーのことも把握して」
 そしてというのです。
「野球をしていたんだ」
「頭のいい人だったんだ」
「そうだよ、バッティングの方も」
 こちらもというのです。
「相手ピッチャーのことを勉強していて」
「打っていたんだ」
「パワーは確かにあったけれど」
「それよりもだね」
「相手をちゃんと調べて対策を出していく」
「そうした人だったんだ」
「頭脳派だったことは監督時代にも出ていたね」 
 先生は王子に笑顔でお話しました。
「采配でも」
「南海の監督の時もそうで」
「選手兼任でね、そしてね」
 そうしてというのです。
「ヤクルトや阪神、楽天でもね」
「相手のことも自分のことも調べて」
「野球をしていたんだよ」
「そうした人だね」
「だから名将だったんだ」
「成程ね」
「あと口が悪いと言われているけれど」
 先生は笑ってこうもお話しました。
「実はね」
「凄くいい人みたいだね」
「けなす様なことを言っても」
 それでもというのです、野村さんという人は。
「困っている人を放っておけない」
「それで他のチームを出された選手を迎え入れて」
「活躍してもらっているんだ」
「そうした一面もあるね」
「いい人か悪い人かというと」
「いい人だね」
「僕はそう思うよ」
 まさにというのです。
「あの人はね」
「そうなんだね」
「その野村さんみたいにね」
「打つキャッチャーの人もだね」
「ちゃんといるよ」
 ただキャッチャーとしていいだけではなくてというのです。
「そうした人もね」
「そしてそうした人がチームにいたら」
「物凄い戦力になるよ」
「強いチームに名キャッチャーあり」
 ダブダブは今は少し気取った物腰でした。
「そうだね」
「いい投手陣や打線だけじゃなくて」
 ジップはダブダブに続きました。
「名キャッチャーも必要だね」
「若しそうしたキャッチャーがチームにいたら」
 ホワイティも言うことでした。
「それだけで凄い戦力だね」
「ちゃんとピッチャーをリードしてくれて盗塁も抑えて」
「ボールも受けてくれたら」
 オシツオサレツも二つの頭で言います。
「確かに凄いね」
「万全の守備だよ」
「ファールフライやバントもちゃんと処理してね」
 チーチーも考えるお顔でお話します。
「ホームも守ってくれたらこんないいことはないよ」
「いや、本当にね」 
 老馬はチーチーの言葉に頷きました。
「素晴らしい戦力になるね」
「そこで打ってくれたら」
「最高ね」
 チープサイドの家族はバッティングのお話をしました。
「守備もよくてそれなら」
「本当にね」
「野球はまずピッチャーというけれど」 
 トートーの言葉はしみじみとしたものでした。
「キャッチャーも大事だね」
「勿論他のポジションも大事だけれど」
 ポリネシアも言うことでした。
「キャッチャーはまさに守備の要ね」
「いいピッチャーの能力をさらに引き出してくれるなら」
 ガブガブも言いました。
「鬼に金棒よ」
「皆の言う通りだよ、何というか」
 王子も動物の皆のお話を聞いて言いました。
「阪神のあの物凄い投手陣に野村さんや古田さんが加わったら」
「恐ろしいことになるね」
 先生は王子にこう答えました。
「その時は」
「そうだよね」
「日本のプロ野球の暗黒時代巨人九連覇の時もね」
 この忌まわし頃もというのです。
「巨人はいいピッチャーが多かったけれど」
「王さんや長嶋さんだけでなくて」
「確かにそのお二人がチームの看板でね」
「チームの軸だったね」
「それでもね」
「ピッチャーもよくて」
「キャッチャーもだね」
 王子がここで言う人はといいますと。
「森さんだね」
「その人がいてね」
「凄いリードをしたんだね」
「そうだよ、抜群のリードとキャッチングでね」
「相手チームのランナーも」
「癖を見抜いて対策を立てて」
 そしてというのです。
「チームの守りを支えていたから」
「巨人は強かったんだ」
「そうだったんだ」
「王さん長嶋さんが凄かったっていうけれど」
「野球はチーム全体ですることだよ」
 主力選手だけでないというのです。
「本当にね」
「だからだね」
「森さんもいて」
 そしてというのです。
「九連覇が出来たんだ」
「森さんは西武の監督になったね」
「そしてね」
 それでというのです。
「西武の黄金時代を築いたね」
「抜群の采配でね」
「チームの戦力は根本睦夫さんが揃えていたけれど」
「ああ、敏腕ゼネラルマネージャーだね」
「当時はそうした職業はなかったけれど」
 ゼネラルマネージャーという人はというのです。
「それでもね」
「そうした立場にいて」
「それでだね」
「戦力を揃えてくれたけれどね」
「あと根本さんも元々キャッチャーだったね」
「近鉄でそうだったよ」
 この人もキャッチャーだったというのです。
「この人にしても」
「そうだったんだね」
「そう、そして森さんの采配は」
 この人のそれはといいますと。
「これ以上はないまでに素晴らしくて」
「西武の黄金時代を築いたね」
「その頃の西武はとんでもない強さで」
「隙が全く無い」
「そこまでだったけれど」
「森さんの采配があってだね」
「そうもなったんだよ」
 根本さんが揃えた万全の戦力に加えてというのです。
「その九連覇の時の巨人以上だったともだね」
「言われてるんだね」
「そこまで強かったけれど」
「森さんもキャッチャーだったんだね」
「そうだったんだ」
「あの、あの頃の西武の強さって」
 王子は先生にその西武のことを尋ねました。
「誰も止められなかったんだね」
「九連覇の時の巨人みたいにね」
「そうだったんだね」
「だからもう毎年だよ」
「日本一になっていたんだね」
「ファンじゃない人が西武の日本一は見飽きたってね」
 その様にというのです。
「言っていたんだよ」
「そこまで強くて」
「あの頃の西武を止められるとしたら」
「やっぱりそうした人いるんだね」
「ダルビッシュ投手か」
 先生はまずこの人の名前を挙げました。
「田中将大投手か大谷翔平選手だね」
「三人共桁外れの化けものじゃない」
「そうした人達じゃないと」
 それことというのです。
「止めらないね」
「というと」
 そのお話を聞いて王子は先生にこう言いました。
「今のソフトバンクがあの戦力で何連覇出来ないのは」
「そうした人達が続いて出て来たからだよ」
「やっぱりそうだね」
「西武の打線もそうだけれど」
「ダルビッシュさんや大谷さんが出たから」
「特に大谷選手は凄いね」
 王子は唸って言いました。
「本当にね」
「あの人はだね」
「うん、人間とはね」
 それこそというのです。
「思えない位だよ」
「というと超人?」
「その域だよ」
「そこまでなんだ」
「ニーチェが言った超人はね」
 まさにと言う先生でした。
「二十一世紀の日本で出た」
「そこまで言うんだ」
「それまでも出ていたけれど」
「超人と呼ぶべき人達は」
「大谷選手は間違いなく超人だよ」
 そう言っていい人だというのです。
「本当にね」
「そしてその人なら」
「巨大戦力と呼ばれているソフトバンクの優勝を阻んだし」
 その有り得ないまでに凄い能力で、です。
「九十年代のパリーグにいたら」
「その頃の西武もなんだ」
「止めてね」
 そしてというのです。
「日本ハムを日本一にしていたよ」
「ダルビッシュ投手も田中投手も」
「うん、けれどこの人達はもう桁が違うから」
 野球選手としての能力がというのです。
「また置いておくよ」
「そうなんだね」
「それで野球はね」
 何といってもというのです。
「守備の要はね」
「キャッチャーだから」
「このポジションの人がどうかでね」
「チームはよくなるんだね」
「本当にここで阪神に野村さんや古田さんみたいな人がチームに加わったら」
 その時はというのです。
「まさにね」
「鬼に金棒だね」
「そう言っていいよ」
「じゃあそうした人が今度のドラフトで加わる」
「そうなって欲しいね」
「そうだね、そういえばね」
 ここでこうも言った王子でした。
「巨人また不祥事起こしたね」
「毎年だね」
「親会社というかフロントがね」
「これでまた人気が落ちるね」
「いつものことだからね」
 このチームについてはというのです。
「だからドラフトで指名する前にね」
「逆指名もなくてだね」
「指名されても」
「断られるんだよ」
「そうなっているんだね」
「フリーエージェントでも人が来なくなっているし」
 かつては巨人はこれで他チームから選手を掠め取ることばかりしてました、ですがそれもというのです。
「助っ人の人もね」
「来なくなっていて」
「あの有様だよ」
「十年連続最下位だね」
「それも百敗北だからね」
 十年連続でというのです。
「そうした事態になったことは」
「それはだね」
「全部自業自得だよ」
「あれだけ不祥事ばかり起こるとね」
「イメージも落ちるよ」
「そうだよね」
「日本のマスコミはね」
 本当にというのです。
「どうしようもないからね」
「とんでもなく腐敗してるね」
「長い間どんな悪事をしてもお咎めなしだったから」
 捏造をしても偏向報道をしてもです。
「取材の態度もね」
「あんまりだったね」
「ヤクザ屋さんと変わらなかったから」
「何かグルメ漫画で」
 王子はここである漫画を思い出しました。
「新聞記者が主人公で」
「お店に取材に行ってだね」
「化学調味料を使ってるとか言って」
 そうしてというのです。
「お店の中で喚き散らしていたけれど」
「あんなことをしたら駄目だよ」
「そうだよね」
「口に合わなくてもね」
 例えそれが化学調味料を使っていてもです。
「お店の中で喚き散らすことはね」
「最低だよね」
「人間としてね」
「紳士じゃないね」
「ヤクザ屋さんの振る舞いだよ」
 まさにとというのです。
「あれはね」
「そうだよね」
「そしてああした取材がね」
「日本ではだね」
「まかり通っていたから」
 だからだというのです。
「もうね」
「今もだね」
「そうしたことが許されると思っていて」
「やり続けてだね」
「そもそもね」
 先生はまた言いました。
「外国の人を採用しない社長さんにいきなりケダモノ呼ばわりとかね」
「普通の人はしないよね」
「その人の考え聞かないでね」
「いきなりそれはないよね」
「その後食べもの出して許される?」
「はっきり言って名誉棄損だよ」
「そんなことを言う人の神経を僕は疑うよ」
 その新聞記者の人のそれをというのです。
「人間性をね」
「そうだよね」
「差別かも知れないけれど」
「特殊な技能とかね」
「文化とか生活習慣が関係あるかも知れないしね」
「そうした事情聞かないでケダモノ呼ばわりとか」
「その記者さんの人間性自体疑うよ」
 動物の皆も言いました。
「そもそもね」
「あの漫画変な人ばかり出るけれど」
「やたら下品で短気で無教養で野蛮な人ばかりね」
「おかしな世界だよね」
「しかもね」 
 先生は皆にさらにお話します。
「日本の経済侵略とかアジア再侵略とかも昔は言ってたよ」
「それってあるの?」
「日本そんなことしたことあるの?」
「その時点でおかしいよ」
「何の根拠もなく言ってるの?」
「じょっとして」
「マルクス主義は今も日本に残っていてね」
 それでというのです。
「当時はその今よりもずっと酷くてね」
「それでなんだ」
「マルクス主義から言ってたんだ」
「経済侵略とか」
「そんなおかしなことを」
「この主張は資本主義が全くわかっていない人のものでね」
 それでというのです。
「それか資本主義を全否定しているか」
「そんな人の意見で」
「じゃあその漫画マルクス主義?」
「そっちの漫画なんだ」
「そうなんだ」
「その色はかなり強いね、とにかくその漫画はね」
 先生は皆にさらにお話しました。
「鵜呑みにしたら絶対に駄目な漫画だよ」
「おかしな影響受けるね」
「学問的にも人間的にも」
「そうなるね」
「だからだね」
「ああした漫画は読んでもね」
「鵜呑みにしたら駄目だよ」
 絶対にと言う先生でした。
「ならず者とは付き合ったら駄目だね」
「そうだよね」
「そうしたら自分の悪影響受けるから」
「それで自分もならず者になるから」
「だからだよね」
「そんな風になるからね」
 それ故にというのです。
「駄目だよ」
「そうだよね」
「あの漫画って一から百までおかしいね」
「主人公のお父さんも食べもの投げるし」
「それも最低だね」
「あの親子そっくりだしね」
「漫画といってもよし悪しだね」
 先生はこれまた残念そうに言いました。
「幾らヒットしていてもね」
「おかしな漫画もあるから」
「そのことには気をつけてね」
「そうして読んでいかないと駄目だね」
「そうだよ、まああの主人公はマスコミを象徴しているかもね」
 それはそれでという口調での言葉でした。
「日本のね」
「あまりいいことじゃないね」
「あんな酷い世界の主人公のお話って」
「そもそも」
「やりたい放題で何でも許される権力者なんて最悪だからね」
 もうそれこそというのです。
「僕があの漫画を肯定することはないよ」
「どう見ても先生に合わないしね」
「お店で怒鳴り散らすとか紳士じゃないし」
「他のお客さんの迷惑一切考えないとかね」
「論外だしね」
「うん、それでお話を戻すけれど」
 野球にと言う先生でした。
「チームに野村さんや古田さんみたいな打ってくれる名キャッチャーがいたら」
「最高の戦力になる」
「これ以上はないまでに」
「そうなるんだね」
「そうだよ、投手陣の底上げもしてくれるしね」 
 最も大事なこの人達もというのです。
「上手にリードしてボールを受けて盗塁も防いでくれて」
「そうなるからだね」
「だからだね」
「強いチームには名キャッチャー」
「その人が必要なんだ」
「今の阪神にそうした人が加わったら」
 それでと言う先生でした。
「鬼に金棒だからね」
「是非共だね」
「八条大学のあの人が阪神に入って欲しい」
「そうだったいうんだ」
「僕はね、ただ阪神が」
 このチームがというのです。
「どう判断するかだけれど」
「地元だから」
 関西それも甲子園球場のある兵庫県だからだとです、王子は先生に対して少し考えるお顔になって言いました。
「見てるんじゃないかな」
「阪神の方もだね」
「うん、ちゃんとね」
「確かにね、八条大学は神戸にあるからね」
 先生達が今いるこの大学はというのです。
「阪神の本拠地甲子園球場は西宮にあって」
「本当に同じ兵庫県だね」
「それは事実だね」
「それじゃあね」
「しかも彼は大学野球で活躍しているし」
「甲子園でもだね」
 高校の時でもというのです。
「何度か甲子園に出てるんだよね」
「三回ね」
「三回も出てるんだ」
「それで活躍しているし」 
 高校野球でもというのです。
「これでプロが注目しないか」
「そんな筈がないね」
「スカウトの人達もね」
「そうした選手を探すのがお仕事だね」
「そうだよ」
 まさにその通りだとです、先生も答えました。
「国内ではね」
「海外では助っ人を探して」
「それがお仕事だよ」
「じゃあね」
「スカウトの人達も注目していてだね」
「絶対にね」
「彼は阪神も注目しているとだね」 
 王子に言いました。
「そう思うんだね」
「そうじゃないかな」
「その可能性はかなり高いね」 
 先生が見てもでした。
「僕も思うよ」
「それじゃあ」
「いや、それでもね」
「それでもなんだ」
「例え阪神が注目していても」
「あっ、他のチームもだね」
「注目していて。そして彼もね」
 選手の人ご本人もというのです。
「どう思っているか」
「阪神に行きたいかどうか」
「それも問題だね」
「大学生なら逆指名が出来るよ」
 ドラフトのその時にというのです。
「それで阪神は一番人気だけれどね」
「ダントツでだよね」
「日本一の人気チームだからね」
 それだけにというのです。
「あのチームはね」
「人気があって」
「彼もファンの可能性があるけれど」
「実際はどうなのか」
「僕は阪神の考えも彼の考えも知らないから」
 それが為にというのです。
「どうとも言えないよ」
「そうなんだ」
「残念なことにね」
「阪神があの人のことに注目していて」  
 ガブガブが言ってきました。
「あの人も阪神をってなっていたら」
「本当にいいけれど」
 ダブダブも思うことでした。
「実際どうかな」
「是非相思相愛でね」
「阪神に行って欲しいわね」
 チープサイドの家族も思うことでした。
「そして阪神で活躍して」
「阪神をもっと強くして欲しいね」
「本当に野村さんや古田さんみたいな人が加わったら」
 ホワイティの言葉は切実なものでした。
「どれだけ強くなるか」
「今でもあの強力な投手陣があるから」
 トートーは投手陣から考えています。
「その投手陣の能力をさらに引き出してくれるのならね」
「しかも打ってくれたら」
 ジップはバッターとしてのことから考えています。
「どれだけいいか」
「今の阪神の打線にもう一人打てる人が入ったら」
 老馬はジップに続きました。
「ダイナマイト打線復活だね」
「守って打ってくれる人」
 ポリネシアはまさにという口調でした。
「最高ね」
「絶対に来て欲しいね、阪神に」
 チーチーも思うことでした。
「そうしたら十連覇も出来るかもね」
「もう何とかね」
「あの人には阪神に行ってもらいたいよ」
 オシツオサレツも言うことでした。
「阪神の為に」
「そして日本のプロ野球の為に」
「阪神が日本一になったら」
 その時の、最近は毎年であるこのことについて言う王子でした。
「経済効果が凄いんだよね」
「そう、日本中が熱狂してね」 
 先生も応えます。
「元気になってね」
「お金が凄く動いて」
「景気もよくなるね」
「そして日本みたいな世界に影響がある国の景気がいいとね」
「世界経済にもいいね」
「そうなるからね」
「阪神は勝つべきだね」
「そうだよ、実際巨人が勝っても」
 このチームはどうかといいますと。
「何処もバーゲンにならないしね」
「経済効果もないからね」
「あのチーム程優勝しても何もないチームはないよ」
「誰の利益にもならないね」
「だからね」 
 それでというのです。
「巨人が最下位であってもね」
「誰も困らないね」
「そのこともあるし」
「阪神が優勝すべきだね」
「巨人よりもずっとね」
「すると今の状況はいいことだね」
「とてもね」
 まさにとです、先生は王子に答えました。
「いい状況だよ」
「阪神が強くて巨人が弱いと」
「こんないいことはないよ、ただね」
「ここでだね」
「阪神に名キャッチャーが加わったら」 
 そうなればというのです。
「こんないいことはないよ」
「そうなんだね」
「だからね」
 是非にと言うのでした。
「僕も色々言ったけれど」
「希望としてはだね」
「彼に阪神に行って欲しいよ」
「そうだよね」
「それとメジャーに行く人もいるけれど」 
 最近の日本のプロ野球ではです。
「八条リーグでもいるしね」
「いるね、八条リーグってあっちにもあるしね」
「そう、日本にあって」
 そしてというのです。
「アメリカにもメキシコにもあってね」
「中国でもあるね」
「東南アジアでもあってね」
「欧州にも出来たんだよね」
「とにかく八条グループは歴代の総帥さんがスポーツ好きで」
「野球もだね」
「好きだからね」
 その為にというのです。
「プロ野球のリーグもね」
「各国に持ってるね」
「あとサッカーやバスケットボール、アメリカンフットボールにラグビーも」
 こうしたスポーツでもというのです。
「プロリーグを持っているよ」
「流石は世界屈指の企業グループだね」
「そうだね、いいことだよ」
「企業がスポーツをすることは」
「文化事業だし」
 スポーツも文化だからです。
「それに企業のイメージアップや宣伝にもなるし」
「その意味でもいいね」
「持てるのなら」
 それならというのです。
「本当にね」
「持つべきだね」
「僕はそう思うよ」
「あと八条グループは音楽にも力を入れてるね」
「歌劇場に管弦楽団にね」
「合唱団にって」
「音楽会社も持ってるしね」
 こちらの企業もというのです。
「芸能事務所も持ってるし」
「そちらも凄いね」
「音楽もね」
 この文化もというのです。
「いいものだからね」
「進出していていいね」
「そうだよ、吹奏楽だってね」
「グラスバンドだね」
「こちらもね」
 実にというのです。
「いいものだよ」
「そうだよね」
「文化事業はね」
「企業にとっても世の中にもいいことだね」
「本当にね、だから八条グループの方針は」
 文化事業にも力を入れているそれはというのです。
「非常に素晴らしいよ」
「先生も太鼓判を押す位に」
「慈善事業にも積極的だしね」
 こちらにもというのです。
「いいことだよ」
「慈善事業はいいわよね」
「立派な善行だし」
「企業がそれに積極的なことはね」
「とてもいいことね」
「そうだよ、これもね」
 先生は動物の皆にその慈善事業のお話もしました。
「世の中をよくするしその企業にとってもね」
「いいことよね」
「何といってもね」
「それも文句なしに」
「税金対策という一面もある場合があるけれど」 
 何だかんだで企業の利益にはなるというのです。
「それでもね」
「世の中にとっていいことだから」
「善行であることは事実だね」
「そのことは」
「よく企業を嫌う人もいるけれど」
 先程お話したマスコミや新聞記者を主人公にした漫画やそういう風な人達のことを思いつつです、先生は言いました。
「そうした人達が果たして企業程世の中に貢献しているか」
「確かに悪徳企業もあるけれどね」
「世の中に善人と悪人がいるのと同じで」
「そうした企業もあるわね」
「中には犯罪をしていたり」
「そうだね、けれど日本のマスコミや知識人の酷さを思うと」
 先生が最近よくお話しているその人達のことをというのです。
「本当にね」
「そうした人達は只の害毒で」
「どうしようもないわね」
「そんな人達は」
「どうにもないわね」
「文句ばかり言って何もしない人はどうかな」
 先生は皆に尋ねました。
「一体」
「全然駄目ね」
「文句言うなら動けば?ってなるよ」
「何もしない、出来ないじゃ人はついてこないわよ」
「絶対にね」
「そうだね、日本のマスコミはやりたい放題で捏造や偏向報道ばかりで」
 それでというのです。
「世の中に害毒を撒き散らしてばかりで」
「何の貢献もしていないね」
「本当に中世の教会みたいよ」
「まさか今同じ位酷いものが世界にあるとは思わなかったけれど」
「それも日本に」
「まだ中世の教会には立派な人がいたけれど」
 それでもというのです。
「日本のマスコミはどうか」
「いないみたいね」
「本当にあの漫画の主人公みたいな人ばかり?」
「シェークスピアさんも驚く様な卑しい人ばかりみたいだね」
「どうも」
「そんな世界はなくていいよ」
 世の中に害毒ばかり撒き散らして卑しい人しかいない世界はというのです、先生は心から思って言いました。
「本当にね」
「全くだね」
「それよりも企業の方が貢献してるね」
「マスコミも企業だけれど」
「悪徳企業ばかりだね」
「マスコミも文化事業はしているけれど」
 先生はこちらの人達もとお話しました。
「慈善事業もね」
「他の行いがあんまりだから」
「プラスマイナスでマイナスだね」
「それもかなり」
「うん、善悪はプラスマイナスという考えもあるね」 
 先生はこちらのお話もしました。
「いい人も欠点があったり悪いことをするし
「悪人だって同じだね」
「いい部分があるしいいこともするね」
「それでプラスマイナスで考えて」
「どうかよね」
「それでプラスマイナスで考えて」
 そしてというのです。
「日本のマスコミの多くはね」
「マイナスだね」
「それもかなり」
「そうなるね」
「まさにヤクザ屋さんよりもね」
 正真正銘の悪い人達よりもというのです。
「酷いのがね」
「日本のマスコミだね」
「他の国のマスコミも問題あるけれど」
「日本のマスコミは特に酷いからね」
「かなりのマイナスだね」
「そうだよ、多分世界でも最悪レベルだよ」
 日本のマスコミの質はというのです。
「ここまで酷いとね」
「まあ北朝鮮に人を送ってね」
「地上の楽園とか言って」
「それで誰も生きて帰って来ないし」
「そのことに責任を取らないのならね」
「これは悪魔と言ってもね」 
 先生にしては珍しく厳しい口調での言葉でした。
「おかしくないね」
「北朝鮮の実情を知っていてならね」
「もう人間の所業じゃないね」
「それで沢山の人が地獄を見て死んで」
「そのことに責任を取らないなら」
「もうこれは人の悪事じゃなくて」  
 そのレベルでなくというのです。
「悪魔の悪事だよ」
「それが普通な世界じゃね」
「しかも悪事は他にも一杯あるし」
「文化事業や慈善事業をしても」
「物凄いマイナスだね」
「僕はそう思うよ、けれど八条グループや日本の他の企業は違うから」
 日本のマスコミとはというのです。
「本当にね」
「ちゃんとだね」
「そのことはしっかりしていて」
「プラスであることが多いんだね」
「そちらの方が」
「いいことにね」
 先生はこうした企業のことは笑顔でお話しました。
「そうだよ」
「というか日本のマスコミが酷過ぎるね」
 王子は腕を組んで難しいお顔で言いました。
「知識人も」
「まさに中世の教会みたいにね」
「腐敗を極めてるんだね」
「それが終戦直後から続いてね」
「今に至るんだね」
「七十年以上もね」
「七十年以上の腐敗だね」
 王子もそれはというお顔になって言います。
「凄いね」
「本当にその間彼等は全く反省も謝罪もしなかったんだ」
「自分を振り返ることなく」
「他の人、自分達以外の日本人や日本という国には謝罪や賠償を言うけれどね」
「自分達はだね」
「世の中で最も駄目な人間の一つとして」 
 こうも言う先生でした。
「人には謝罪等をしきりに言ってね」
「自分は全くしない」
「自分が謝らないから言えるんだ」
「そうした人はだね」
「この世で最も駄目な人の一つだとね」
「先生は思うんだね」
「そして彼等はね」
 日本のマスコミや知識人のそうした人達はというのです。
「まさにそれでね」
「七十年以上だね」
「全く何の反省も謝罪もないんだ」
「人や国に言うばかりで」
「これでいいのかと思ってから学ぶのも学問だよ」 
 先生の生きがいであるそれだというのです。
「まさにね、けれどね」
「その人達にはそうしたものがないから」
「学問も進まないし人間としてもね」
「よくないね」
「全く成長しないよ」
「腐敗したままだね」
「もうどんどんね」
 ただ進歩しないだけでなくというのです。
「自浄能力もないから」
「腐っていく一方だね」
「それで今に至るんだ」
「どうにもならない世界だね」
「日本にもそうした世界があるんだ」
 腐敗しきっていて自浄能力もない世界がというのです。
「やがて腐り果ててね」
「それでだね」
「ヘドロは腐り果てたらもう何でもなくなるね」
「そこにどんな生物もいられなくなってね」
「あまりにも汚くなってね」
 文字通り腐り果ててしまってです。
「そうなるね」
「それでやがて日光に照らされて塵となる」
「それが運命だね」
「ネットが普及してその時が近付いているよ」
「じゃあインターネットがお日様かな」
「そうなるかもね」 
 先生は王子にお話しました、そうしてでした。
 また皆と野球のお話をしました、先生の今は野球でした。








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