『ドリトル先生の野球』




                第七幕  ドラフトを前にして

 ドラフトの日が近付いてきました、すると動物の皆は研究室で講義を終えてその講義を振り返った後で論文を書きはじめた先生に尋ねました。
「いよいよだね」
「ドラフトだね」
「ドラフトの日が近付いてるね」
「そうなってきたわね」
「そうだね、どうもね」 
 先生は皆に応えました。
「彼はプロからも注目されるよ」
「八条リーグからも注目されていて」
「日本プロ野球機構の方からもだね」
「そっちからも注目されているんだね」
「そうなんだね」
「うん、そしてね」
 先生は皆にさらにお話します、その間も論文を書く手は止まっていません。
「阪神だけれど」
「そうそう、あのチームだよ」
「阪神があの人をどう見ているか」
「注目してくれているか」
「そのことが問題よ」
「何といっても」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「僕は気になっているんだ」
「そうだよね」
「阪神があの人のことを見ていてくれているか」
「そしてドラフトで指名してくれるか」
「そのことがね」
「気になるね」
「そうだよ、本当にね」
 まさにと言う先生でした。
「僕は今そのことが心配なんだ」
「阪神が指名してくれるか」
「それで他の球団が指名しないか」
「そのことがだね」
「気になって仕方ないのね」
「心からね、特にね」
 先生はこうも言いました。
「巨人が指名したらって思うと」
「嫌だよね」
「やっぱり巨人にいい選手は入って欲しくないわ」
「巨人はずっと弱いままでないとね」
「そうであって欲しいよ」
「日本のプロ野球はずっと歪だったよ」 
 正しい状況ではなかったというのです。
「巨人ばかり優勝して注目されてやりたい放題やっている」
「オーナーは北朝鮮の将軍様みたいだったし」
「独裁者そのもので」
「球界を私物化さえしていた」
「そんな風だったのね」
「巨人が弱いと野球の人気が落ちるとかも言われていたし」
 先生は昭和の頃に言われていた言葉を出しました。
「景気が悪くなるともね」
「全然そうじゃないのに」
「おかしな理論ね」
「荒唐無稽っていうか」
「奇妙な理屈だよ」
「本当にね」
「そう、そうした歪な時代に戻ったらいけないよ」
 先生は穏やかですが真面目なお顔でお話しました。
「二度とね」
「そうだよね」
「そうなったらいけないよ」
「野球は巨人だけしかないとかね」
「そんな間違った風潮が正されたんだから」
「絶対に戻ったらいけないわ」
「巨人はもうずっと弱くて無力で人気がない」
 先生は言いました。
「そしていい選手もいないしフロントも力がない」
「ずっとそんなままでいるべきね」
「もう二度と巨人は強くなってはいけない」
「これからずっと最下位であるべきね」
「巨人が存在している限り」
「そうだよ、巨人は本当にね」
 まさにというのです。
「二度と優勝してはならないどころじゃないよ」
「最下位から脱出したら駄目ね」
「フロントもあの調子で」
「ただ過去の栄光にしがみついてるだけ」
「そんなチームであるべきね」
「僕もそう思うよ、不祥事ばかり起こすし」
 もう毎年不祥事そしてフロントが引き起こすお家騒動でネットもマスコミも賑わしているという状況です。
「ああしたチームは強くなったらいけないよ」
「もう何があっても」
「二度と最下位から脱出しないで」
「そのうえでね」
「いい選手も入るべきじゃない」
「そうだよ、だから彼もね」
 もう何があってもというのです。
「巨人には絶対に入って欲しくないね」
「全くだね」
「あのチーム選手の育成も下手だし」
「ピッチャーもバッターもよくならないし」
「スター選手がいなくなって久しいし」
「若し巨人に入ったら」 
 その選手もというのです。
「変な選手になるかも知れないしね」
「そうそう、それもあるね」
「何か昔自分を番長とか言ってる選手もいたね」
「その選手が覚醒剤で捕まったんだよね」
「あの人物凄く柄悪いよ」
「スポーツ選手じゃないみたいよ」
「彼は格闘家のトレーニングをして食事もそうしていたけれど」 
 それはといいますと。
「間違えてるよ」
「野球選手なのにね」
「格闘家のトレーニングとか意味ないし」
「身体の使い方が全然違うのに」
「何考えていたのかな」
「その時点でおかしいし」 
 それにというのです。
「野球選手だからね」
「野球のトレーニングしないとね」
「そもそもおかしいよ」
「そこがわかっていないなんて」
「それもプロなのに」
「どうかしてるわ」
「そしてそれが持ちあげられていたんだ」
 先生はここで首を傾げさせました、論文を書いてもそうなってしまったのです。とはいっても手は止まっていません。
「これがね」
「注意しなかったの?」
「そんなことしても意味ないとか」
「野球選手のトレーニングしないと駄目とか」
「誰も言わなかったの」
「どうかと言うファンはいても」
 それでもだったというのです。
「チームやマスコミではいなかったね」
「それ自体がおかしいね」
 トートーも首を傾げさせました。
「どうも」
「おかしいなんてものじゃないんじゃ」
「そんなことが持ちあげられるとか」
 チープサイドの家族もどうかとなっています。
「野球選手なのにね」
「格闘家のトレーニングしてもいいとか」
「どう考えても間違えてるわよ」
 ガブガブも指摘しました。
「野球選手なんだから」
「野球選手はそれぞれのポジションの練習があるわよ」
 ポリネシアもわかっていることです。
「ピッチャーもキャッチャーも他のポジションもね」
「野球選手には野球選手の筋肉があるよ」
 ジップもそこを言います。
「それで格闘家の筋肉にしてもいいことはないよ」
「かえって動きが悪くなるね」
 ホワイティも思うことでした。
「怪我もしやすくなって」
「何でそんなことしたか」
 チーチーにもわからないです。
「勘違いも甚だしいね」
「それでそれを誰も批判しないとかね」
「間違えてるって言わないなんて」
 オシツオサレツの二つの頭も傾げられています。
「そのことが一番おかしいよ」
「当時の日本のスポーツマスコミってどうなったのかな」
「巨人の選手だから注目されていいとされていたのなら」
 老馬はまさかと思いつつ言います。
「もうどうしようもなかったんだね」
「僕達でもわかるのに」
 ダブダブが最後に言いました。
「そこを言わないなんて変だよ」
「あれだね、裸の王様だよ」
 先生はここでこの童話をお話に出しました。
「本当にね」
「ああ、あの童話だね」
「そういえばそのままだわ」
「間違えてるのに誰も言わない」
「誰が見ても間違えていることは明らかなのに」
「そう、誰が見ても間違えていることを間違えていると言わないと」
 それならというのです。
「これ以上おかしくて滑稽なことはないよ」
「全くだね」
「先生の言う通りよ」
「マスコミの人何してたの?」
「当時のチームも」
「野球選手が格闘家のトレーニングを積むことは間違ってるって」
「野球選手には野球選手のトレーニングがあるって指摘しないとか」 
 皆でどうかと思うのでした。
「やっぱり日本のプロ野球はおかしかったんだ」
「巨人の選手ならいいとか」
「間違えてると言われるどころか持ちあげられる」
「そんな風だったなんて」
「日本もおかしいところがあって」
 先生はこうも言いました。
「北朝鮮みたいなおかしな国を日本よりずっと好きな学者さんやマスコミの人がいたり」
「巨人をそこまで持ちあげる人がいたり」
「そんなところがあるのね」
「日本には」
「とてもいい国なのに」
「そんな困ったところがあるの」
「そうなんだ、常識で考えておかしいよ」
 先生はここでまた首を傾げさせました。
「北朝鮮みたいにおかしな国ないね」
「漫画に出て来る国?」
「特撮ものの悪役?」
「もうそんな感じの国ね」
「あんな変な国ないよ」
「他にないわよ」
「そんな国と日本を比べたら」
 どう考えてもというのです。
「日本は天国だよ」
「それでも昔は素晴らしい国って言ってたのよね」
「実際に訪れてその中を見ても」
「そんなこと言ってたんだよね」
「沢山の人達が」
「その国を訪れてその国の実態を見抜く」 
 先生は一言で指摘しました。
「それが学者に求められる能力だよね」
「日本の学者さんの多くはそれがなかった?」
「据え膳みたいなおもてなしを受けて」
「それが全部と思っていたのかしら」
「その時点で学者としてどうかだね」
「うん、それで日本の経済侵略とかアジア再侵略とか軍国主義反対とか徴兵制反対とか言っていたんだよ」
 そうしたことも言っていたというのです。
「そして北朝鮮のあの軍隊には言わないしね」
「あそこ徴兵制どころじゃないし」
「国民皆兵みたいな国だし」
「いつも悪いことしてるし」
「侵略国家そのものじゃない」
「核兵器開発してるしね」
「しかも日本の皇室にも反対で」
 先生はもう訳がわからないというお顔になってお話しました。
「共産主義か共和制が民主主義って言うんだよ」
「あれっ、イギリス民主主義じゃないんだ」
「その論理だとそうなるよ」
「凄いこと言うね」
「流石にそれはおかしいよ」
「しかも北朝鮮の世襲の独裁はいいって言うんだ」
 こちらはというのです。
「国民が支持しているってね」
「そう言ってる人頭大丈夫?」
「本気でそう思ったよ」
「冗談抜きでおかしいよ」
「もうまともな人に思わないわ」
「本当にこんな人が日本にいるんだ」
 恐ろしいことに実在しているというのです。
「それでなんだ」
「そんなこと言うんだ」
「凄いね」
「それで学者だったら」
「もう学者としておかしいよ」
「カルト教団の信者さんみたいだわ」
「本当にね、僕もこうした人達をその目で見てね」
 実際にというのです。
「最初信じられなかったよ」
「そうだよね」
「僕達もそう思うよ」
「日本には凄い人達がいるね」
「とんでもない人達ね」
「それでその選手もね」
 引退してから覚醒剤で逮捕されたその人もというのです。
「持ちあげられていたんだ」
「そんなトレーニングしても」
「あと番長を自称しても」
「それでもだったんだ」
「入れ墨入れたり人の車のボンネットの上に飛び乗って壊したり派手に遊び回ったりね。格闘家の人達と写真撮って自分の方が強いとか言ったり」
 先生はまたしても首を傾げさせました、そのうえでの言葉でした。
「こんなことが全く批判されなかったんだ」
「遊ぶのはともかくね」
「自分の方が強いとか言うことも」
「格闘家じゃないのに」
「全部どうかしてるわ」
「おかしいわ」
「その果てがね」
 まさにというのです。
「覚醒剤だから」
「もうおかしな行いを繰り返して」
「全てはその結果だね」
「誰もそれを止めなくて」
「最後はそうなった」
「そういうことね」
「王様は裸だって言わないと」
 その時点でというのです。
「駄目なんだよ」
「その人が間違っているって」
「間違っていることは間違っている」
「そう言わないとね」
「余計におかしくなるのね」
「そこからさらに」
「そして今の巨人もね」
 このチーム自体もというのです。
「ああなるんだよ」
「そういうことね」
「おかしなことが持ちあげられ続けて」
「それで何処までもおかしくなって」
「ああなったのね」
「そうだよ、しかし本当にね」
 先生はまた言いました。
「僕は日本の学者さんやマスコミ、巨人を見て思ったよ」
「日本にもおかしな部分がある」
「残念なことに」
「とてもいい国だけれど」
「おかしな部分があるんだね」
「第二次世界大戦までは学者さんもまともだったけれど」
 それがというのです。
「戦争が終わってね」
「急になんだ」
「おかしくなったの」
「そうだったの」
「そしてマスコミも異常に力が強くなって」
 そうしてというのです。
「やりたい放題になってね」
「それでだね」
「巨人もああなった」
「全部がおかしくなったの」
「第二次世界大戦の後の日本は凄く豊かで素晴らしい国になったけれど」
 それでもというのです。
「おかしな部分はやっぱりあるんだ」
「色々考えさせられるね」
「学者さんやマスコミが酷過ぎるとか」
「しかも長年それがほったらかしだったなんて」
「やっぱりおかしいよ」
「何しろ責任も問われないから」
 学者やマスコミの人達がどんな酷いことをしてもです。
「余計におかしくなったんだ」
「色々考えさせられるね」
「そうしたことを聞くと」
「どうしても」
「全くだよ」
 先生は論文を書きつつ皆にお話しました、先生にとって日本のそうしたところは何とかしなければいけないことでした。
 そうしたお話もしつつです、先生はドラフトを待っていましたが。
 王子がお家に来てそれで先生と一緒に晩ご飯を食べつつ先生にお話しました。
「あの選手の人阪神もね」
「注目しているんだ」
「そうなんだ」
 こう先生にお話するのでした。
「それでドラフトでもね」
「指名するんだ」
「そうみたいだよ」
「それは何よりだね」
「しかもね」
 王子は先生にさらにお話しました。
「選手の人自身もね」
「どうなのかな」
「阪神への逆指名もね」
 これもというのです。
「言うらしいよ」
「それは凄いね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「あの人は阪神に行く可能性が高いよ」
「他のチームはどうかな」 
 逆指名があってもとです、先生は思いました。
「注目しているチームも多いね」
「何球団かあるみたいだよ」
「それじゃあ」
「先生はそこが心配なんだね」
「逆指名をしていても」
 それでもというのです。
「指名するチームはあるしね」
「それは確かにそうだね」
「だからね」
 それでというのです。
「僕はどうなるかって思ってるんだ」
「それが心配なんだね」
「そうなんだ」 
「成程ね、けれど」 
 それでもとです、王子は先生にお話しました。
「逆指名だよ」
「それがあるからだね」
「しかも阪神の方も考えているし」 
 王子は穏やかなお顔です、心配そうな先生と違って。
「だからね」
「心配無用っていうんだね」
「僕はそう思うよ」
 上に目玉焼きを乗せたハンバーグを食べつつ答えました。
「そうね」
「だといいけれどね」
「うん、あの人は阪神に行くよ」
 こう言うのでした。
「まず確実ね」
「そうだといいけれどね」
「そこで心配するんだ」
「ドラフトもわからないからね」
 どうなるかがです。
「僕は確実に安心出来ないんだ」
「そうなんだ」
「僕としてはね」 
 先生もハンバーグを食べています、目玉焼きを上に乗せたそれはとても美味しくてご飯にも合っています。
「どうしても」
「確実じゃないとだね」
「僕は不安なんだ」
「そうなんだね」
 王子は今度はサラダを食べます、そしてです。
 お味噌汁も飲んでからまた言いました。
「そこは先生の性格かな」
「心配性かな」
「あと慎重だから確実でないとだね」
「そう、どうしてもね」
「やっぱりそうだね、先生はね」
「そうなんだよね」 
 先生は椎茸としめじを入れたお味噌汁を飲みながら言いました。
「確実じゃないとね、手術もね」
「そうだね、手術だね」
「そうだよ、手術は確実じゃないと」
 本当にというのです。
「駄目だからね」
「そういうことだね」
「だから今もね」
 どうしてもというのです。
「心配なんだ」
「そこだね、わかったよ」
「僕の考えがだね」
「先生らしいね、じゃあね」
「それならだね」
「そうした時は教会に行って」
 そしてというのです。
「お祈りをすればいいよ」
「そうなるね」
「うん、日本人もそうしているね」
「日本で有名な言葉があるね」
「困った時の神頼みだね」
「そう、この言葉があるし」
 それにというのです。
「僕もそうするよ」
「そうしてだね」
「彼が阪神に行くことを待つよ」
「そうするね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「巨人に行くことはあって欲しくないね」
 このチームに行くことだけはというのです。
「本当に思うよ」
「ああ、万年最下位のあのチームだね」
「球界のお荷物とか癌とか言われるね」
「あのチームについては」
「そう、本当にね」 
「あそこはもうスカウトも酷いことになってるからね」
 王子は先生にこのことからお話しました。
「スカウトの人の数が他のチームの半分以下でその人達もすっかりやる気をなくしてるみたいだよ」「そうなんだね」
「不祥事が続いて」
 そうしてというのです。
「予算もなくて色々フロントが五月蠅くて」
「悪い要素ばかり重なって」
「もうそれでね」
 そのせいでというのです。
「すっかりね」
「スカウトの人達もやる気がなくて」
 他のチームより数が少ないうえにです。
「それでだね」
「あの人にもね」
「スカウトの人がだね」
「行っていないかもね」
「そうなんだね」
「あのチームはもうどうしようもないから」
 スカウトだけでなく他の人達もというのです。
「あの調子だとこれからもね」
「さらにだね」
「最下位が続くから」
 そうなるというのです。
「どうしようもない悪循環の中にあるから」
「有力な選手も見付けられなくなっているまでに」
「本当にそこまでになってるから」
「僕も安心していいんだね」
「先生野球雑誌を読まれるといいですよ」
 ここでトミーが先生に言ってきました。
「そうされると」
「野球雑誌?」
「週刊ベースボールとかを」
「そういえば八条出版もそうした雑誌を出してるね」
「あそこ凄く大きな出版社ですしね」
「日本有数の出版社でね」
 それでというのです。
「週刊誌も沢山出しているね」
「漫画雑誌も多いですしね」
「それでだね」
「野球雑誌も出していますし」
 八条出版もというのです。
「そこでチェックされてもいいですよ」
「ドラフトのことについても」
「そうです、ただ八条出版の野球雑誌は」
 そちらはどうかとです、トミーは先生にご飯を食べながらお話しました。
「十二球団だけでなく八条リーグもかなり紹介しています」
「同じ企業グループだからね」
「はい、そうしていますから」
 だからだというのです。
「そちらもチェック出来ますよ」
「そうだね、野球雑誌もね」
「ドラフトのチェックに使いましょう」
「そうするね、これからは」
「日本はサッカーの雑誌もありますしね」
「剣道や柔道の雑誌もあるしね」 
 先生は笑顔でお話しました。
「いいよね」
「釣り雑誌もあって」
「色々なスポーツを雑誌でもチェック出来るんだ」
「そうした国ですね」
「確かに酷いマスコミの人がとても多い国だけれど」
「それでもですね」
「そうしたしっかりした人達も多くてね」
 それでというのです。
「そうした雑誌もだよ」
「沢山ありますね」
「うん、じゃあそうした雑誌も読んでね」
「学ばれますね」
「そうしていくよ、正直ね」
 こうも言う先生でした。
「変なスポーツ新聞やテレビじゃわからないからね」
「野球についても」
「これは冗談抜きでね」
 先生は残念そうにお話します。
「酷い場合北朝鮮の報道みたいだからね」
「そうしたスポーツ新聞やテレビ放送本当にありますよね」
「昔の関東では。今もあまり変わっていないみたいだけど」
「東京とかですね」
「もう巨人への偏向報道が酷くて」
「元々偏向報道の酷い国だけれど」
 それでもというのです。
「野球についてもね」
「酷いんですね」
「そうみたいだよ、けれどね」
「そうした真面目な雑誌もあるので」
「だからね」
 それでというのです。
「読んでいくよ」
「健全な雑誌をですね」
「そうしていくよ」
「それがいいですね」
「デイリーもいいけれど」
 この新聞についてはです、先生は素直に褒めました。
「阪神への素直な愛があるからね」
「それもこれ以上までにない」
「あの新聞はいいんだよ」
「じゃあ酷いのは」
「サンケイスポーツとか夕刊フジはね」
「酷いですね」
「どっちも北朝鮮の機関紙と同じレベルだよ」
 そこまで酷いというのです。
「巨人ばかり持て囃してね」
「まだそんな新聞あるんですね」
「媚び諂う位だよ」
「そこまで酷いんですね」
「特にオーナーへの賛美が」
 これがというのです。
「北朝鮮のそれみたいだよ」
「将軍様へのそれですか」
「僕も見て驚いたよ」
「その賛美があまりにも酷いので」
「日本語で記事を書いているけれど」
 それでもというのです。
「これは北朝鮮の機関紙なのかってね」
「そこまで酷いんですね」
「サンケイスポーツも夕刊フジもね」 
 どちらもというのです。
「日本は他にも日刊ゲンダイなんていう酷いタブロイド紙もあるけれど」
「ネットで物凄く評判が悪いですね」
「この二つもね」
「タブロイド紙でもですね」
「タブロイド紙自体はいいんだ」
 そうした新聞が存在することはというのです。
「猥雑というか楽しい新聞紙があってもね」
「それでもですね」
「そこには人間の品格が必要だと思うよ」
「人間の、ですか」
「そう、それでね」
 だからだというのです。
「そうした日本のタブロイド紙にはね」
「人間の品格すらないですか」
「イギリスにもサンとかあるけれど」
「サンもかなり」
「そのサンも比べものにならない位だよ」
「そこまで酷いですか」
「うん、もう日刊ゲンダイも含めてね」
 こちらもというのです。
「サンケイスポーツも夕刊フジもね」
「あまりにも酷いですか」
「5ちゃんねるでたまにおかしな人達ばかり集まったヘドロがさらに腐った様なスレッドもあるけれど」
「ああした感じですか」
「どっちも巨人やあのチームのオーナーには媚び諂うけれど」
 それでもというのです。
「他のチーム、特にパリーグにはぞんざいだしね」
「どうでもいいんですか」
「球界再編騒動で一リーグ制になろうとした時は」
 この時はといいますと。
「他のチームを潰そうとする巨人のオーナーに完全についたんだよ」
「そんなことまでしていたんですね」
「そう、特に夕刊フジはね」
「それはもう」
「権力をチェックするどころかね」
「権力者に媚び諂う」
「文字通りのそうした新聞なんだ」
 それが日本のこうしたタブロイド紙だというのです。
「だからサンよりもね」
「品性がさらにですね」
「なくてね」 
 それでというのです。
「酷いものになっているんだ」
「そうですか」
「人間品性を失う、そして恥を恥を思わなくなると」
「最も恐ろしい腐敗がはじまる、だね」
 王子が言ってきました。
「その言葉があるね」
「そう、その言葉通りにね」
「サンケイスポーツや夕刊フジは」
「とんでもなく腐敗していてね」
「それじゃあ読めたものじゃないね」
「うん、テレビの報道もね」
 こちらもというのです。
「東京に学会で行った時にね」
「その時にだね」
「テレビをちらりと観たけれど」 
 その時にというのです。
「試合をしている相手チームはほったらかしで」
「巨人に対してなんだ」
「一方的なんだ」
「そこまで酷いんだ」
「僕が呆れたのはそうしたスポーツ新聞で巨人の野次を野次戦術と書いていたことだけれど」
「野次はスポーツには付きものでも」
「それでも品性はよくないし」
 それにというのです。
「それを戦術と肯定したことはね」
「もうあってはならないことだね」
「そしてそれはあっちのテレビでもね」
「同じなんだ」
「そうだよ、あまりにも酷かったよ」
「何ていうか」
 本当にとです、王子は言いました。
「そうした新聞やテレビはね」
「目にしたら駄目だよ」
「何の益にもならないね」
「害毒をそのまま目や耳から受けてね」
 そしてというのです。
「脳まで汚染される」
「そんなものなんだね」
「そう、だからね」
「それでだね」
「僕もその実況放送はすぐに切ったよ」
「そうしたんだね」
「思えばボクシングでも」
 ここでもというのです。
「あの大阪のお世辞にも人間性や品性がよくないボクサーの一家がいるね」
「ああ、あの人達ね」
「確か天下茶屋出身ね」
「大阪の西成区の」
「あそこの出身地の人達だね」
「あのスポーツマンシップも知能も教養も欠片もない、そんな人達も持ちあげてるし」
 そうした子供の教育に絶対に悪い人達もというのです。
「日本のマスコミはおかしな人が多過ぎるよ」
「本当にそうだよね」
「それはね」
「あんな人達も持ちあげるし」
「どうかしてるわ」
 動物の皆も先生達と一緒にご飯を食べつつ言います。
「あの一家って全員チンピラよね」
「ボクシングが強くても」
「本当にいつも態度悪いし」
「スポーツマンシップもなくて」
「品性は下劣でね」
「教養なんか全くなくて」
「人間性も柄悪くて」
 皆もよくわかっていることです。
「いいところ全然ないじゃない」
「あんな人達子供が観て真似したら駄目だよ」
「覚醒剤で捕まった元プロ野球選手もね」
「同じ様な人達だし」
「あんな人達を持ちあげるとか」
「類は友を呼ぶというか」
「人は自分と同じレベルの人達で集まるからね」
 それでと言う先生でした。
「つまり日本のマスコミはね」
「あんな人達だってことだね」
「レベル的に」
「あのボクサー一家や元プロ野球選手と同じ」
「そんな人達が本当に多いのね」
「だから健全な雑誌や新聞を見付けたら」
 その時はというのです。
「是非読まないとね」
「まともな本を読んでこそだよね」
 ジップは先生にお話しました。
「確かな知識や教養を得られるね」
「テレビだってそうだし」
 ダブダブもこう言います。
「まともな番組を観ないとね」
「さもないと下手したら騙されるよ」
 チーチーは本気でこのことを心配しています。
「そんなことを狙っている新聞とか日本には特に多いみたいだし」
「騙す方が悪いことは絶対でもね」 
 ホワイティはこう思うことでした。
「騙されないことも大事だよ」
「それで酷いことになるのは自分だし」
「自分でも気をつけないとね」
 オシツオサレツも二つの頭でお話します。
「まず騙されない」
「そんな新聞や番組は観ないことだね」
「テレビを観ると頭によくないって言うけれど」
 老馬はこの言葉も出しました。
「そうした番組を観るからだね」
「ううん、ちょっとね」
「私達も気をつけないといけないわね」
 チープサイドの家族は彼等の中でお話します。
「騙されたらいけないから」
「僕達自体がね」
「世の中悪い本も新聞も雑誌もあって」
 ホワイティもこのことを頭に入れようとしています。
「テレビ番組にしてもそうなのね」
「野球についてもそうで」
 それでと言ったのはガブガブでした。
「油断したら駄目ね」
「スポーツは普通に楽しみたいよ」
 トートーの言葉はぼやく感じでした。
「偏向とか悪いことを正しいとか言う嘘は抜きにね」
「うん、昭和の時の酷さは」
 先生はもう昔になっているその時代のお話もしました。
「漫画でもそうだったよ」
「もう主役は絶対に巨人」
「それで巨人が正義」
「そんなとんでもない時代のことね」
「本当に酷い時代だね」
「その時日本は経済も教育も政治もマルクス主義こそ正義だったけれど」
 それがというのです。
「野球は巨人でね」
「もう巨人は正しい」
「そうした状況で」
「漫画もそうだったんだ」
「巨人の十八番は他チームからの選手の強奪だね」
 もう出来なくなって今の万年最下位があるのです。
「そうだったね」
「あのお話酷いよね」
「どんな手を使ってもだし」
「悪質な政治じゃない」
「あそこまでいったら」
「そう、それも漫画でね」
 こちらでというのです。
「普通に許されていたんだ」
「酷いね」
「巨人なら何をしてもいいの?」
「他チームの有力な選手を強奪しても」
「それが許されていたの」
「今日本の特定の年代の人がモラルがない人が多いと言われるけれど」 
 このことについてもお話する先生でした。
「そうした漫画を読んできて巨人を応援してきたせいかもね」
「モラルのないチームをモラルって思っていたら」
「モラルがなくなるのも当然だね」
「そういえば日本の特定の年代の人には巨人ファン多いけれど」
「そうした人達にモラルのない人が多い」
「先生はそこに関係性を見ているんだ」
「実はね、巨人はね」
 このチームはというのです。
「そんな権力とお金と謀略を振りかざして」
「球界の盟主を気取って」
「もうふんぞり返っていた」
「そんなチームだったから」
「そんなチームを応援していたら」
 それこそというのです。
「モラルもおかしくなりかねないね」
「全くだよ」
「その人達はマルクス主義の影響も強かったし」
「余計におかしいのね」
「そのことからも」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「そんな漫画が普通に出てヒットしてね」
「読まれていた」
「何でもない風に」
「怖いね」
「モラルも何もないよ」
「しかもそれが健全な風に描かれていたから」
 巨人の選手の強奪がです。
「僕も読んでいて当時の日本のモラルは酷い一面もあったんだって思ったよ」
「それ何て漫画ですか?」
 トミーも先生のお話を聞いてどうかとなって先生に尋ねました。
「一体」
「巨人の星とか侍ジャイアンツとか黒い秘密兵器とかかな」
 王子は具体的なタイトルを挙げました。
「リトル巨人くんなんてものもあったね」
「本当に漫画は巨人ばかりだったんだね」
「炎の巨人とかね」
「今思うと凄いね」
「偏向し過ぎだね」
「その漫画の中で」
「どの漫画だったのかな」
 二人でお話します。
「一体」
「そこが気になるね」
「スポーツマン金太郎という漫画でね」
 それでというのです。
「漫画自体は凄く健全で面白いんだけれど」
「それでもなんだ」
「そうした場面があったんだ」
「そうだったんだ、それがね」
 先生としてはです、そのことを動物の皆にお話します。
「気になったんだ」
「そうだったんだね」
「漫画としてのレベルは高くても」
「そんな場面もあったんだ」
「巨人の悪事が肯定される場面があったんだ」
「そうだったんだ」
「うん、そしてね」
 それにというのです。
「今から見るとそうなんだ」
「ううん、何ていうか」
「今になってわかるにしても」
「凄いね」
「凄いことだね」
「長い間そうでもね、今は違って」
 それでというのです。
「巨人はあの有様でね」
「人気も物凄く落ちて」
「そして力もなくなって」
「もうだね」
「最下位から抜けられないんだね」
「そうだよ、そしてマスコミもかなり力がなくなって」
 問題のあった彼等もというのです。
「問題のある学者の人達もネットですぐに言われる様になったよ」
「それだけ日本はよくなったんだね」
「マスコミも力がなくなって」
「学者の人達もチェックされる」
「そうなって」
「そう、だからね」 
 それでというのです。
「今の日本は少しずつでもね」
「健全化だね」
「それを目指すべきだね」
「ずっと長い間深刻な問題を抱えていたけれど」
「そうしていくといいね」
「そう思うよ、どう考えてもおかしな話や人達は」 
 そういったことはというのです。
「正されていくべきだよ」
「そうだよね」
「巨人にしてもマスコミにしても」
「学者の人達も」
「問題は正していかないと」
「本当に駄目だね」
「少なくとも日本のマスコミは社会の木鐸じゃないよ」
 そうなっていないというのです。
「その真逆でね」
「自分達が害毒を垂れ流す」
「そして洗脳さえする」
「そんなところだね」
「だからね」
 それでというのです。
「日本社会の最大の災厄だよ」
「そうなってますね」
「今の状態は」
「戦争中からそれは問題だったんだ」
 この頃からというのです。
「好戦的な記事ばかり書いて戦争を煽ったから」
「その頃からですか」
「日本のマスコミは酷かったんだ」
「敗戦で何の反省もせず」
 そしてというのです。
「同じことをずっと繰り返しているんだよ」
「あれっ、今は平和って言ってるけれど」
「いや、嘘を言って変更していて無責任で無反省な体質がね」
「そのままだっていうんだ」
「むしろ遥かに酷くなってるよ」
 王子に残念そうにお話します。
「新聞が物凄く売れてテレビも出来て」
「それでだね」
「そうなったからね」
「むしろ戦前よりもなんだ」
「長い間日本で第一の権力でね」
「しかも腐敗していたんだね」
「そんな状況だったんだ」
 王子にお話します。
「戦争が起こった時からね」
「第二次世界大戦だね」
「日中戦争にもね」
「それで先生も今言うんだね」
「そこに学者もだから」
「余計になんだ」
「酷いことになっていたんだ」
「そして巨人もああなっていたと思うと」 
 マスコミが親会社のこのチームもです。
「嫌なことだね」
「不況不況ってマスコミが連日連夜言っていて」
 その状況でというのです。
「何でニュースキャスターの人が年五億も貰っていて巨人が青天井にお金を使って補強することが出来たのか」
「もうその時点でおかしいね」
「当時不況じゃなかったところがあるんだ」
「テレビや新聞だね」
「不況不況言っている人達が」
 その人達こそがというのです。
「お金を持っていた」
「それも酷いお話だね」
「そんな風潮がどんどんあらたまっているのはいいことだよ」
 日本にとってはというのです、先生は野球のことと一緒に日本のそうした部分についても強く思うのでした。








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