『オズのトロット』




               第六幕  ハイランドとローランド

 潜水艦は朝になると海の上に出ました、そうして海の上で日の出を見ますがモジャボロはにこにことして言いました。
「いや、いいね」
「そうだね、海の上で見る朝日もね」
 教授もにこりとしています。
「いいものだね」
「うん、海面が朝日できらきらもしていて」
「素敵な光景だよ」
 海から出て来ている様に見えるお日様を見て言うのでした。
「海の景色はね」
「そうだね、じゃあ今からね」
「港に入るよ」
 キャプテンが二人に笑顔でお話しました。
「そうなるよ」
「港だね」
「そして今からだね」
「ドウ一世に会おう」
 ハイランドとローランドの王様にです。
「これからね」
「それで贈りものを渡すけれど」
 トロットが言って出したものは帽子でした、ですが普通の防止ではありませんでした。
 クッキーの帽子です、チョコレートを入れた見事なシルクハットです。カルロスはそのシルクハットを見て言いました。
「チョコレートクッキーですか」
「ドウ一世への贈りものよ」
「ジンジャーブレッドの人だからですね」
「そう、この帽子にしたの」
 シルクハットにしたというのです。
「いいでしょ」
「はい、あの王様が一番喜んでくれるものですね」
「相手の人が喜んでくれるものをプレゼントしないとね」
「だからですね」
「このシルクハットにしたの、それとね」
 さらにお話するトロットでした。
「チックとブルーインにもね」
「プレゼントがあるんですね」
「そうなの」
 こうお話するのでした。
「これがね」
「そうですか、お二人にもですか」
「チックにシルクのパジャマ、ブルーインにはゴムの子熊のおもちゃよ」
「お二人のそれぞれ好きなものですね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「それでなのよ」
「パジャマとおもちゃですね」
「その二つを用意したの」
「そうですか」
「じゃあ今からね」
「入港してですね」
「一緒に行きましょう」
 こうお話してでした、そしてです。
 潜水艦はハイランドの港に入港しました、カルロスは潜水艦から出て波止場に入ってそこから街を見てこう言いました。
「何か昔の欧州の港町みたいな」
「そんな感じだね」 
 ジョージも見事な煉瓦の街を見て言いました。
「オランダ辺りかな」
「運河もあってそこにも船が行き来していてね」
 神宝は街の中の運河と船達を見ています。
「そんな風だね」
「運河のところも煉瓦で素敵ね」
 ナターシャはそこにもある煉瓦を見て笑顔になっています。
「本当に昔ながらの場所ね」
「ハウステンボスみたいね」
 こう言ったのは恵梨香でした。
「日本だと」
「そうだね、ハウステンボスだね」
 カルロスは恵梨香言葉を聞いて頷きました。
「ここは」
「言われてみればそうだね」
「建てものも街並みもね」
「運河とその周りもね」
「ハウステンボスみたいね」
「そうだね、奇麗な港町だよ」
 笑顔で言うカルロスでした。
「ここは」
「ハウステンボスって日本にあるのね」
 トロットは五人のお話を聞いて思いました。
「そうなのね」
「はい、日本の佐世保にあるんです」
 カルロスはトロットにそのハウステンボスのお話もしました。
「オランダの街を再現していまして」
「それでなの」
「とても奇麗なんですよ」
「皆行ったことあるのね」
「この前学校の修学旅行で行きました」
 それで五人共ハウステンボスのことを知っているのです。
「とても楽しくて素敵な場所です」
「そうなのね」
「ですから」
 それでというのでした。
「今ハウステンボスにまた来た感じです、ただ」
「ただ?」
「ハウステンボスはテーマパークでもありますから」 
 だからというのです。
「観覧車とか遊ぶ場所が一杯あるんです」
「そうなの、けれどね」
「この街はですね」
「テーマパークではないから」
 それでというのです。
「観覧車とかはないわ」
「そうですよね」
「ただ、運河とか美味しいものを食べるお店はあるから」
「そうしたものを楽しめばいいですね」
「そうよ」
 カルロスににこりと笑って言いました。
「船に乗って運河を進むのもね」
「いいですね」
「じゃあすぐに王宮に行く訳でもないし」
「まずはですね」
「この街で遊びましょう」
「わかりました」
「皆で船に乗って運河を進んで」
 そしてというのです。
「お茶やお昼も楽しみましょう」
「わかりました」
 笑顔で応えたカルロスでした、皆は波止場から運河のところに行ってそのうえでなのでした。船に乗ってです。
 運河の中を進みます、その左右にある街並みや橋の下を見ながらです。五人は笑顔でトロットに言いました。
「こんな感じでした」
「本当にこうでした」
「ハウステンボスも」
「運河の左右も煉瓦でお店もあって」
「階段で行くところも」
「そうなのね、ここにいるとね」
 トロットテーブル掛けを出しながら五人に応えました。
「ハウステンボスみたいなのね」
「そうなんです、懐かしい感じもします」
 こうトロットに答えるカルロスでした。
「またハウステンボスに来たみたいな」
「そうなのね、けれどね」
「ここはハウステンボスとは違ってて」
「ハイランドよ」
「オズの国の一国ですね」
「そうよ」
「テーマパークとはまた違う、いえ」
 ここでこう言ったカルロスでした。
「オズの国自体がテーマパークですね」
「そうだね、言うならね」
「オズの国はそれ自体がテーマパークだよね」
「どの場所も楽しくて」
「本当にそうよね」
 四人はカルロスのその意見に笑顔で頷きました、そうこうお話している間にトロットは船の上でのティータイムの用意をしています。
 そしてです、キャプテンもこう言いました。
「どの場所も楽しくて何かがあるね」
「はい、くるくる回る山があったり」
「アスレチックがあったり」
「熊センターもありますし」
「中にある国も人達も独特で」
「面白いですす」
「だからだね、もうね」
 それこそというのです。
「オズの国は国自体がテーマパークと言っていいね」
「そうですね、そしてここも」
 カルロスは自分達が乗っている船の横に白いイルカが来て泳いでいるのを見てそのうえで言いました。
「テーマパークですね」
「イルカもいるしね」
「ハウステンボスにイルカはいなかったです」
「運河にもだね」
「はい」
「しかしここはオズの国だからね」
 だからというのです。
「こうしてだよ」
「イルカが運河にいてですね」
「見ることも出来るんだよ」
「そうなんですね」
「じゃあイルカも見ながらね」
 そのうえでというのです。
「今からね」
「はい、運河とそこからの景色を見て回って」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「お茶も楽しもうね」
「今日のお茶はアッサムティーよ」
 そちらのお茶とです、トロットが皆に言ってきました。
「皆で飲みましょう」
「そしてお菓子はケーき」
「いいケーキだね」
 教授とモジャボロはトロットが出したそのケーキを見て言いました、デコレーションのとても大きなチョコレートケーキです。
「美味しそうだよ」
「アッサムティーと一緒に楽しもうね」
「そうしましょう、このケーキはね」
 トロットもそのケーキを見つつにこにことしています。
「ドウ一世に渡すシルクハットを見てね」
「それでだね」
「チョコレートクッキーのシルクハットだからだね」
「これにしたの」
 チョコレートのケーキにしたというのです。
「いいと思って」
「実際いいと思うよ」
「じゃあこのケーキを今から切って」
「そしてだね」
「皆で食べるんだね」
「そうしましょう」
 こう言ってでした、そしてです。
 皆でケーキを食べて紅茶を飲みながらでした、景色も楽しみます。五人は運河から街並みを見上げてそして人々も見てこうも言いました。
「ここはギリキンだね」
「服が紫だから」
「紫の建物も多いし」
「ギリキンにいるってわかるわね」
「ここにいたら」
「そう、ハイランドもローランドもね」
 この二国はというのです。
「ギリキンの国よ」
「だからですよね」
「紫の服を着ていてね」
「紫の建物が多いんですね」
「そうなの」
 こうカルロスにお話します。
「それでどうしてハイランド、ローランドっていうか」
「それはどうしてですか?」
「ハイランドは山が多いからよ」
「あっ、高い山が多くて」
「それでハイランドって呼ばれているの」
 そうした名前だというのです。
「そしてローランドはね」
「低いんですね」
「山も丘もないの」
 ローランドはそうだというのです。
「海の高さと大体同じでね」
「本当に低いんですね」
「それでローランドなの」
 この名前だというのです。
「あの国の名前はね、それで王宮はね」
「ドウ一世がおられる」
「この島の真ん中にあって」
 そしてというのです。
「西半分がハイランド、東半分がローランドよ」
「王宮がそれぞれの奥になんですね」
「そうなの」
 まさにというのです。
「そうなっているの」
「一つの国にないんですね」
「ドウ一世は二つの国の王様だから」
「それでなんですか」
「両方の国に敷地があるの」
「半分がハイランドでもう半分がローランド」
「そうなっているの」
 まさにというのです。
「この国はね」
「そうですか、じゃあ王宮もです」
「行きたくなったわね」
「はい」
 カルロスは先生に明るい笑顔で答えました。
「本当に」
「そうよね、じゃあ王宮にもね」
「そこにもですね」
「行きましょうね」
「この港から」
「明日になったらね」
「出発ですか」
「そうするから」
「わかりました、何かです」
 ふとこうも言ったカルロスでした。
「思ったんですが」
「何についてなの?」
「いえ、ここはハイランドでも低いですね」
「いえいえ、高いわよ」
 トロットはカルロスにすぐに答えました。
「ここも」
「そうですか?」
「ええ、波止場を出てすぐに運河に出たからわかりにくいけれど」
 それでもというのです。
「よく見てね、街の中を」
「あれっ、そういえば」
「丘や坂道が多いね」
「どんどん高くなっていってるね、街が」
「先に進めば進む程」
「何か」
「そう、この街は海岸から離れる程ね」
 そうしていけばというのです。
「どんどんね」
「高くなっていってるんですね」
「そうなんですね」
「じゃあ山ですか」
「山に築かれた街なんですね」
「この港町はそうなんですね」
「そうなの、そうした街なの」
 トロットはケーキを切りつつ五人にお話しました。
「この街はね」
「ハイランドの街で」
「それでなんですね」
「山に築かれている」
「そうした街ですか」
「運河の周りも高くなっていますし」
 見ればどんどんです、そうなっています。
「何ていいますか」
「不思議な港街ですね」
「こんなにすぐに山になるなんて」
「日本も山が多いですけれど」
「山に街はないですから」
「けれどこの国は違うから」
 ハイランドはというのです。
「山に街があって田畑も牧場もあるのよ」
「じゃああれですね」
 カルロスは今度はこうトロットに言いました。
「高原都市とかも」
「あるわよ、山の頂上にある街もあるわよ」
「やっぱりそうですか」
「まるで空中都市みたいにね」
「僕達の世界でいいますと」 
 こうも言ったカルロスでした。
「インカ帝国みたいな」
「ああ、ペルー辺りにあった国だね」
「あの国だね」
 キャプテンもモジャボロも言ってきました。
「あの国はアンデスの高い場所にあったからね」
「ペルーもそうだけどね」
「メキシコもそうですが」
 カルロスはこの国の名前も出しました。
「高い場所に街がありますんで」
「ペルーやメキシコね、とはいってもね」 
 笑顔でこうカルロスに言ったトロットでした。
「街並みは欧州でね」
「インディオじゃないんですね」
「そうよ、この街はオランダの街だけれど」
「オランダって低い国で」
 それでというのです。
「山とか全くないんですよ」
「ローランドみたいなお国だったわね、そういえば」
「はい、あの国は」
「そうだったわね」
「埋立地も多くて」
 オランダはというのです。
「それで山はないです」
「ローランドみたいね、ただローランドはね」
 今度はこの国のことをお話するトロットでした。
「インディオなのよ」
「あれっ、外の世界じゃ高い場所にあったんですが」
「インカ帝国とかはよね」
「アステカ帝国もです」
「けれどオズの国ではなのよ」
「インディオの人達は低い場所にいるんですか」
 不思議そうに言うカルロスでした。
「何か逆ですね」
「オランダが山にあってね」
「インカ帝国が平野にあって」
「外の世界と全く逆のこともオズの国ではあるのよ」
「そういうことですね」
「そうよ、じゃあ明日はね」
「王宮にですね」
「行きましょう、この港からすぐよ」
 王宮はというのです。
「だからね」
「明日にですね」
「王宮に着くわ」
 出発したその日にというのです。
「山を越えることになるわ」
「そうですか、山ですか」
「高い山だけれど」 
 それでもというのです。
「道はちゃんとあるから」
「歩くのに困らないですね」
「だから安心してね」
 王宮まで行くことはというのです。
「行きましょう」
「トロットさん達もおられるし」
「案内もさせてもらうわね」
 是非にというのでした。
「王宮までね」
「宜しくお願いします」
「とても豊かな山ばかりだし」
 ハイランドの山々はというのです。
「だからね」
「どの山を見てもですね」
「楽しめる」
「そうなんですね」
「そうよ、ではね」
 今からだというのです。
「明日の朝出発よ」
「朝御飯を食べて」
「そしてですね」
「王宮に行くんですね」
「そうするわ」
 こう言ってでした、実際にです。
 一行はこの日は山の港町で楽しんででした、そうしてから翌朝に朝御飯を食べてそれから出発しました。
 するとです、街を出るとすぐに山で五人も言いました。
「確かにハイランドですね」
「山ですね、いきなり」
「といいますか山から山ですね」
「すぐにこうなっていくんですね」
「そうしたお国ってことですね」
「そうよ、昨日もお話したけれどね」
 まさにというのです。
「ハイランドの語源はね」
「この国が高い場所にある」
「だからですね」
「それでなんですね」
「こうした山なんですね」
「昨日トロットさんがお話してくれたみたいに」
「そうなの、それとね」
 さらにお話するトロットでした、今度は山の周りを見るとそこは段々畑になっていてそうしてでした。
 紫の作物が沢山栽培されているのが見えました、それを見てなのでした。教授は笑顔でこう言いました。
「いや、この段々畑がいいね」
「そうだよね」
 モジャボロもそれを見て喜んでいます。
「ハイランドならではだね」
「畑の形もね」
「それとね」 
 キャプテンは紫の稲の水田も見て言うのでした。
「田んぼもあるからね」
「何かこれって」
 ここで言ったカルロスでした。
「何処かで見たかな」
「日本かな」
 ジョージは首を少し傾げさせて自分達が今外の世界でいる国を思い出しました。
「日本の山の方はこうだよね」
「山の方はそうね」
 ナターシャも言います。
「段々の田んぼや畑になってるのよね」
「あれは大変だけれど」
 ここで言ったのは神宝でした。
「よく耕してるよ」
「日本は山が多いから」
 その日本人の恵梨香の言葉です。
「そうして田畑を置いているの」
「その日本みたいだね」
 ここでまたカルロスが言いました。
「ここは」
「そういえば日本は山国でもあったわね」
 トロットも言われて思い出しました。
「そうだったわね」
「はい、もう山が凄く多いんですよ」
 カルロスはその日本のことをお話しました。
「神戸だって海の後ろにすぐ山ですから」
「私も渦から八条学園に出て外の世界を見たりするけれど」
「実際にですよね」
「ええ、神戸も後ろはすぐに山ね」
「それでもうあちこちがなんです」
「山だらけのお国ね」
「そうなんです」
 実際にというのです。
「このハイランドと同じです」
「じゃあこの段々畑も田んぼも」
「何か日本みたいですね」
「そうなのね」
「ここの方がもっと凄いですけれど」
 それでもというのです。
「日本もこんな感じです」
「山に田畑が一杯あるのね」
「そうした場所がとても多いんです」
「成程ね」
「ただ、あれはないですね」 
 カルロスは右手の街を見てびっくりしました、何と欧州の街並みが山全体に段々としてあります、一番下の方に城壁と門があってです。
 そこから上にどんどん家々が連なっています、そして山の頂上に見事な市役所がありますがその街を見て言うのです。
「ああした街は」
「凄いでしょ」
「何か空中都市みたいですね」
「ええ、そうも言われているわ」
 高い場所にあるからです。
「実際にね」
「本当にマチュピチュみたいですね」
 外の世界の遺跡みたいだというのです。
「あの街は」
「そうでしょ、オズの国らしい街でしょ」
「とても不思議な街ですね」
 実際にこう答えたカルロスでした。
「この目で見ると本当に思いました」
「これがハイランドってことよ」
「そういうことなんですね」
「山ばかりのお国だから」
「皆も山に住んでいてですね」
「山を田畑にもしてね」
 そうしてというのです。
「街もああしてなのよ」
「築いているんですね」
「それがハイランドなのよ、それとね」
 さらにお話するトロットでした。
「今ここは普通の道だけれど」
「もうすぐ前が森になっていますね」
 皆が今いる道の周りは野原になっています、紫の草花達がとても可愛らしくて奇麗な姿を見せています。
「それで、ですね」
「そう、田畑や街や村になっていない山はね」
「野原か森ですね」
「そうなっているの」
「そうした山の方がずっと多いかな」
 キャプテンも笑顔でカルロス達にお話します。
「むしろ」
「そういえばそうですね」
「周りの山もかなりそうですね」
「紫の山ばかりです」
「所々野原も見えますし」
「奇麗ですね」
「そうだよ、自然がそのままあるんだ」
 人が住んでいたり耕していたりしていない山々はというのです。
「ああしてね」
「それじゃあですね」
「僕達も今からですね」
「そうした場所に入って」
「そしてですね」
「山の自然を見ていくんですね」
「そうなるよ、それとね」
 さらに言うキャプテンでした。
「今日のお昼は多分ね」
「山の幸を食べるわ」
 トロットもお話します。
「そちらをね」
「はい、それじゃあですね」
「お昼になればですね」
「森の中で沢山の山の幸を手に入れて」
「そうして食べる」
「そうするんですね」
「その予定よ」
 こう五人に答えるのでした。
「その時を待ってね」
「わかりました」 
 五人は笑顔で答えました、そうして森の中に入ってでした。皆は一緒にお昼まで歩いていきました。
 そしてお昼になるとです、トロットはその場に立ち止まってそのうえで皆にこう言ったのでした。
「じゃあ今からね」
「はい、お昼ですね」
「周りからお昼御飯を採ってですね」
「そうして食べるんですね」
「皆で仲良く」
「そうするんですね」
「そうしましょう」
 是非にと言うのでした。
「これからね」
「ほら、ちょっと周りを見るとね」
 モジャボロが皆に言いました。
「果物の木が一杯あるね」
「はい、林檎に梨に柿に桃に」
「下には苺や西瓜までありますね」
「オレンジも一杯実ってますし」
「葡萄もありますね」
「何か凄い一杯ありますね」
「果物とね」
 モジャボロはバナナの木を見つつさらにお話をしました。
「パンの木もあるからね」
「飲みものは牛乳を出すわね」
 テーブル掛けからとです、ジュリアはそちらのお話をしました。
「そちらをね」
「今日はパンとフルーツですか」
「何か凄く美味しそうですね」
「甘くてしかもヘルシーで」
「素敵なお昼ですね」
「そうなりますね」
「ええ、それをね」
 これからというのです。
「楽しみましょう」
「こうしたお昼もいいものだね」
 教授も森の中の果物や野菜達を見ています、煉瓦の道の左右にはそうしたものが実に豊かにあるのです。
「じゃあ今からね」
「はい、果物やお野菜を採って」
「そしてパンもですね」
「牛乳も飲んで」
「そうしてですね」
「皆で楽しく食べるんですね」
「牛乳だけじゃなくてチーズも出すわ」
 トロットはそれも出すことにしました。
「それもね」
「はい、それじゃあ」
「今から果物とお野菜とパン採ってきます」
「葡萄も桃も」
「バナナも」
「沢山採ってきますね」
 こう言って実際にでした、五人も他の皆もすぐに森の中から果物やお野菜を集めてきました。勿論パンもです。
 そうしてです、トロットが牛乳やチーズを出してでした。そのうえで皆で食べはじめるとその中ででした。 
 トロットは牛乳を飲みつつこう言いました。
「果物やパンだけじゃなくてね」
「牛乳やチーズからもだね」
「栄養を摂るべきだから」
 こうキャプテンに答えるのでした。
「それでこの二つを出したの」
「成程ね」
「それでなのよ」
 さらに言うトロットでした。
「蛋白質もって思ってね」
「蛋白質ね」
「そう、それを食べて」
 そしてというのです。
「栄養を摂りましょう」
「それも美味しくだね」
「ええ、何かチーズを食べると」
 今度はチーズを齧って言うトロットでした。
「力が出るわね」
「そうだね」
「だからね」 
 それでというのです。
「私も大好きなの」
「僕も大好きです」
「僕もです」
「チーズは美味しいし栄養もあって」
「とてもいい食べものですよね」
「凄く食べやすいですし」
 五人もこう言いつつチーズも食べています。
「それじゃあですね」
「これからチーズも食べて」
「牛乳も飲んで」
「そうしてですね」
「今以上に元気になってですね」
「王宮に行きましょう」
 ハイランドとローランドのそこにというのです。
「いいわね」
「その為に今は食べよう」
 是非にと言うキャプテンでした。
「それでいいね」
「はい、牛乳も沢山飲んで」
 カルロスはその牛乳を飲みました、こちらもかなり美味しいです。
「力つけていきます」
「そうしよう、あとカルロスは牛乳が好きなのかな」
「わかりますか?」
「うん、わし等の中で一番飲んでいるからね」
「もう大好きで」
 実際にそうだと答えるカルロスでした。
「それでいつも飲んでいます」
「そうしているんだね」
「子供の時からそうです」
「そして今もだね」
「毎日かなり飲んでいます」 
 言いつつさらに飲むカルロスでした。
「こうして」
「それでいつも元気なんだね」
「自分でもそう思います、これがないと」
 牛乳がです。
「僕はもっと元気がなかったと思います」
「そこまでなんだね」
「そう思います」
 そうだというのです。
「サッカーだって」
「君のもう一つの大好きなものだね」
「それもです」
「元気よく出来ないんだね」
「そう思います」
 実際にというのです。
「ですからまずはです」
「牛食うだね」
「まず朝起きて飲んで」
 そしてというのです。
「お昼も飲んで夜もです」
「飲んでだね」
「元気に過ごしています」
「成程、いいことだよ」
「牛乳は身体にいいですから」
「それでだよ、勿論わしもね」
 キャプテンもでした、とても甘い林檎を齧ってからそのうえで牛乳を飲んでカルロスに応えます。
「牛乳は好きだよ」
「そうなんですね、キャプテンも」
「本当にね、じゃあね」
「はい、牛乳も飲んで」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「デザートはね」
「そのままフルーツですね」
「そうなるからね」
「わかりました」
 カルロスは笑顔で答えました。
「じゃあこのままです」
「デザートはフルーツを食べようね」
「そうします」
「今日のお昼もとても栄養バランスがいい筈よ」
 トロットは食べつつにこにことしています。
「果物にお野菜にパンにね」
「牛乳やチーズで」
「そう、凄く身体にもいいから」
 それでというのです。
「楽しんで食べてね」
「そしてですね」
「お昼も元気に歩きましょう」
「わかりました」
 笑顔で頷いてでした、カルロスも他の皆もお昼を楽しんで食べてそれからでした。お昼の後にまた歩きますが、
 森の上を飛んでいる白鳥を見てです、トロットはキャプテンに言いました。
「白鳥が飛んでいるのを見ると」
「トロットとしてはだね」
「幸せな気分になれるわ」
「白鳥は奇麗だからね」
「幸せを運ぶ鳥ってイメージがあるの」
 トロットとしてはです。
「だからね」
「何かいいことがある」
「そうも思えるわ」
「そうだね、わしもね」
「キャプテンもよね」
「航海の時に空を飛んでいる船を見たらね」
 外の世界で船長をしていた時のお話です。
「これはいいことがあるってね」
「思えたのね」
「そうだったんだ」
「それでなのね」
「今もね」
 トロットと一緒に白鳥を見てというのです。
「幸せな気分になれてね」
「それでよね」
「幸せが訪れる」
「そうも思えるわよね」
「うん、トロットと同じだよ」
 そうだというのです。
「わしもね」
「一緒ね、私達は」
「このこともね」
「キャプテンとはアメリカから一緒で」
「今も一緒で」
「何かと波長もあって」
「歳は違っていても」
 親子程離れています、実際に親子に間違われたこともあります。
「友達だね」
「今もね」
「そうだね」
「ええ、私はオズの国に来て沢山のお友達に出会えたけれど」
「わしもだよ」
「キャプテンは一番古いお友達よ」
 トロットにとってそうした人だというのです。
「他の人達と同じだけね」
「大事でそうして」
「親しくてね」
 そしてというのです。
「誰よりも一番古い」
「お互いにそうだね」
「私もキャプテンの一番古いお友達なの」
「子供の時や若い時も沢山の友達はいたんだがね」
 それでもというのです。
「その皆は外の世界にいるからね」
「オズの国ではなのね」
「トロットがそうだよ」
 キャプテンにとってというのです。
「一番古いお友達だよ」
「そうなのね」
「そう、トロットがね」
 お互いにそうなのね」
「わしだけがオズの国に来ていても」
「仕方がなかったっていうの」
「果たしてどうなっていたか」
「わからないのね」
「とてもね」
「そう言われたら私もよ」
 トロットはオークに乗ってやって来た時を思い出していました、オズの国にはじめて来たその時をです、
「とてもね」
「一人だとだね」
「どうしたらよかったか」
「あの時はどうなるかって思ったね」
「次から次に信じられないことが起こって」
 今思うとそうしたこともオズの国の普通のことなのですがその時のトロット達にとってはとても、ということだったのです。
「それでね」
「若しトロットだけだったら、そしてわしだけだったら」
「困っていたわね」
「そうだったね」
「あの時に比べたらオズの国も安全になったわね」
「遥かにね」
「危険の連続だったから」
 死ぬことはない国ですが危険はあるのです。
「それでね」
「どうしてもね」
「二人でこの国に来たから」
 それでなのです。
「やっていけて今もね」
「一緒にいてだね」
「安心出来るわ」
「わしもだよ、友達がいてくれるから」
 キャプテンも暖かいお顔でトロットに応えます。
「安心出来るよ」
「そうよね」
「そう、友達はこれ以上はない宝なのだよ」
 教授も言ってきました。
「学問以上にね」
「教授にとってもよね」
「そう、学問は確かに大事だけれど」
 教授が大好きなそれよりもというのです。
「友達がいないと」
「どうしようもないのね」
「何かがあれば助け合えるし」
「それによね」
「若しいないと」
 お友達がです。
「こんなに寂しいことはないよ」
「教授も寂しいことは苦手よね」
「大のだよ」
 ただ苦手なだけでないというのです。
「私もオズの国の住人だからね」
「オズの国の人はどの人も寂しいことが苦手だから」
「私もだよ」
 まさにというのです。
「苦手でね」
「だからよね」
「友達がいないと」
 それこそというのです。
「どうしようもないよ」
「そうよね」
「まさに持つべきものはね」
「友達ね」
「何といってもね」
「私の一番の財産は」
 トロットはしみじみと思いました。
「やっぱりお友達ね」
「わしもだよ」
「そしてオズの国にいると」
「皆がそうなるよ」
 お友達が一番の財産になるというのです。
「本当にね」
「その通りよね」
「全くだよ」
「若し私が一人だったら」
 その場合について思う教授でした。
「今の私は絶対にないからね」
「オズの国に来られても」
 モジャボロも思うのでした。
「果たしてここまで楽しかったか」
「わからないね」
「全くだよ」
 モジャボロは教授のその言葉に頷きました。
「こうして今もね」
「楽しく旅をしていないよ」
「全くだよ」
「こうして段々畑や空中都市を見られるのも」
 どうしてかと言うトロットでした。
「私がキャプテンと一緒にいてかかしさん達ともお友達になれて」
「それからだからね」
「そう思うとね」
「やっぱりお友達は第一の財産だね」
「そうよね」
 こう言うトロットでした、そうしてでした。
 五人の外の世界からのお友達にです、笑顔を向けて言いました。
「そして貴方達もね」
「トロットさん達のお友達ですね」
「僕達五人も」
「そうなんですね」
「五人共お友達同士で」
「そしてトロットさん達とも」
「そう、オズの国の皆とよ」
 今一緒にいるトロット達だけでなくオズマやドロシー達オズの国のそうそうたる名士達ともというのです。
「お友達だからね」
「じゃあそのお友達皆とですね」
「オズの国にいる時はね」
「楽しくですね」
「過ごしてね」
 こう言うのでした、そしてです。
 皆でドウ一世の王宮に向かうのでした。第一の目的地に。



ハイランドに到着。
美姫 「今回はドウ一世に会わず、街の見学って感じね」
街並みを見て、皆も楽しそうだな。
美姫 「プレゼントも用意しているし、次回は王宮かしら」
さて、どうなるのか次回も待っています。
美姫 「待っていますね〜」
ではでは。



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