『オズのホボ王子』




                
              第一幕  リンキティンク王からの招待

 エメラルドの都に一通のお手紙が来ました、その送り主はといいますと。
「リンキティンク王からよ」
「あの人からなの」
「そうなの」
 オズマはお手紙を手にドロシーに答えました。
「今から読むわね」
「ええ、それじゃあね」
 ドロシーも頷いてでした。
 早速リンキティンク王からのお手紙を開いて読みはじめました、オズマだけでなくドロシーもそうしましたが。 
 そのお手紙を読んで、です。ドロシーはオズマに言いました。
「ボボ王子主催のパーティーね」
「ええ、それに来て欲しいってあるわね」
「そう書いてあるわね」
「それはわかったけれど」
 それでもとです、オズマは言いました。
「けれどね」
「それでもよね」
「私達は今はね」
「お仕事で忙しいから」
 オズの国の政治のそれで、です。
「だからね」
「動けないのよね」
「国会が開かれていてね」
「私達はね」 
 どうしてもというのです。
「国会のお話も聞いてね」
「法律も定めないといけないから」
「今はね」
「都を離れられないわ」
「国会が終わったら行けるけれど」
 それでもというのです。
「今はね」
「無理なのよね」
「どうしたものかしら」
「今回の招待は」
「だったらね」
 二人と一緒にいるトロットが言ってきました、ベッツイも一緒です。
「代わりに誰かに行ってもらって私達も後でね」
「落ち着いたら」
「その時になのね」
「行きましょう」
 こう言うのでした。
「そうしましょう」
「ええと、パーティーの日だけれど」
 ベッツイはお手紙を見てそれを確認して言いました。
「国会が終わってすぐね」
「じゃあ魔法で移動すればいいわね」
 オズマはベッツイの言葉に頷きました。
「そうすればいいわね」
「ええ、ただ都からボボ王子のいるリンキティンク王の国までいる人達も招待して欲しいと書いてあるから」
 見ればお手紙にはそうも書かれています、ベッツイはそこも見ています。
「だからね」
「誰かにリンキティンク王の国まで行ってもらう必要があるわね」
「その道中色々な人にお誘いをかけて」
「そうしてもらって」
「けれどね」 
 トロットがここで言いました。
「私達四人はね」
「国会があるから」
「今は離れられないのよね」
「都からね」
「忙しいしね」
「どうしても」
 四人でこうお話して悩んでいました、するとそこで。
 モジャボロが笑顔でこう申し出ました。
「じゃあ僕は行って来るよ」
「モジャボロさんがなの」
「リンキティンク王の国にね」
 ドロシーに笑顔でお話しました。
「そうするよ」
「じゃあ僕も」
 モジャボロの弟さんも名乗り出ました。
「一緒に」
「貴方もなのね」
「そうさせてもらうよ」
「では私も」
 王立大学から都に来ていたムシノスケ教授も手を挙げました。
「そうさせてもらおうかな」
「そうしてくれるのね」
「これで三人だね」
「ええ、じゃあお願いするわね」
 オズマは三人に言いました、こうして三人は早速リンキティンク王の国に向けて出発することになりました。
 ですがここで、でした。
 ドロシーはこう言いました。
「三人にお願いしたいけれど何かね」
「どうかしたの?」
「ええ、ここで女の子がいたらね」
 それならとです、ドロシーはオズマに答えました。
「もっとね」
「いいっていうのね」
「そう思ったけれど」
「そうね」
 言われてみればとです、オズマも頷きました。
「私達は行けないけれど」
「それでもね」
「誰か女の子はいないかしら」
「行ける娘は」
「うん、女の子がいれば」
 ムシノスケ教授も言いました。
「確かにね」
「いいわよね」
「華やかになるよ、私達にしてもね」
「歓迎ね」
「うん、是非ね」 
 こう言うのでした。
「誰かにね」
「一緒に来てもらうのね」
「是非ね」
 こうしたお話をしてでした。
 誰か女の子にも一緒に旅に出てもらおうというお話になりました、そしてこの時です。
 アン王女は自分のお国で林檎園で働いていました、名産の林檎は今日も沢山実っていて王女も楽しく摘んでいます。
 その中のある林檎を見てです、王女は言いました。
「この林檎はアップルケーキにしましょう」
「いいですね」
「じゃあその林檎はケーキに使いましょう」
「それでこの林檎はパイですね」
「こちらはタルトですね」
「それにしましょう、それとこの林檎はね」
 王女は別の林檎を見て言いました。
「アップルティーにしましょう」
「そうしましょう」
「今日も林檎のスイーツを楽しめますね」
「そして美味しくですね」
「楽しめますね」
「そうね、最近は梨や柿や桃も栽培していてね」
 そうしてというのです。
「民も随分増えてね」
「この国も賑やかになりましたね」
「前と比べてかなり」
「それではですね」
「他の果物も」
「摘んでいきましょう」
 そうして食べようというのです、こうしたお話をしてです。
 王女は国民の皆と楽しく働いていました、そこにでした。
 ジョージ達五人の子供達が来ました、五人は周りを見回して彼等の中でお話しました。
「あれっ、ここは」
「アン王女の国だね」
「間違いないね」
「この国にも来たことがあるけれど」
「間違いないわね」
「あら、貴方達どうしたの?」
 王女は自分達の前に出て来た五人に尋ねました。
「またオズの国に来たの?」
「はい、一緒に行こうってお話しまして」
「また時計台の渦を通ってきたんです」
「それで出て来たのがここでした」
「王女のお国でした」
「今来ました」
「そうなのね、ここに最初に来るなんて珍しいわね」
 王女は五人に笑顔で応えました。
「じゃあここで楽しく過ごす?」
「そうしていいですか?」
「ここで楽しくさせてもらっても」
「何かさせてもらって」
「そうさせてもらっても」
「いいんですね」
「遊ぶなり果物を摘んで食べてもね」 
 そうしてもというのです。
「していいわ、食べるなら働いてもらうけれど」
「宜しくお願いします」
「そうさせて下さい」
「美味しいものを食べながら働く」
「いいですよね」
「ジンジャー将軍のところでもそうさせてもらいましたし」
「ええ、じゃあお願いね」
 王女は五人に笑顔で応えました、こうしてです。
 五人は王女や王女の国の国民の人達と一緒にです。 
 楽しく働いてそうして果物を食べました、林檎だけでなく梨や柿、それに桃も食べてその後で、でした。 
 林檎のお菓子それにアップルティーをご馳走になりました。五人はそうしたスイーツも食べて笑顔になりました。
「オズの国に来ていきなりですね」
「楽しい思いをさせてもらっていますね」
「しかも美味しいです」
「今回もオズの国に来てよかったです」
「最高の気分です」
「それは何よりよ、それでこれからどうするのかしら」 
 王女は五人と同じテーブル、屋外にあるそれに着いて一緒に食べて飲みつつ彼等に笑顔で尋ねました。
「貴方達は」
「そうですね、いつも都に来ていますし」
「それならですね」
「まずは都に活かせてもらいます」
「それでオズマ姫やドロシーさんに挨拶します」
「今回もお邪魔させてもらっていると」
「そうしなくてもあの人達は貴方達が来たことはわかるわね」
 王女はこう五人に答えました。
「オズマ姫の魔法でね」
「そうですけれど」
「やっぱり挨拶はしておきたくて」
「それで、です」
「これからです」
「エメラルドの都まで行かせてもらいます」
「それが礼儀だからなのね、わかったわ」
 王女は笑顔で応えました。
「貴方達の考えは。もう道はわかっているわね」
「はい、地図もありますし」
 ジョージが答えました。
「この国から都までのそれも」
「オズの国全体の地図も持っています」
 神宝も笑顔で言います。
「そちらも」
「それにここから都まで歩いたこともありますし」
 カルロスも言ってきました。
「実際の道もわかっています」
「私達五人でも大丈夫です」
 ナターシャもお話しました。
「都まで行けます」
「ですからこれからです」
 恵梨香も王女に言いました。
「都まで行きます」
「わかったわ、けれど子供が五人行くよりもね」
 それでもとです、王女は五人に言いました。
「誰かが一緒の方がいいから」
「だからですか」
「王女もですか」
「一緒に来てくれますか」
「都までの道を」
「そうして頂けますか」
「私は明日から時間があるから」
 それでというのです。
「都までね」
「一緒にですか」
「行ってくれますか」
「それで、ですか」
「私達を都まで案内してくれるんですね」
「そうしてくれるんですね」
「というか私も久し振りに旅に出たくなったからね」 
 五人に笑顔で答えました。
「だからよ」
「そうですか、じゃあ一緒に行きましょう」
「エメラルドの都まで」
「明日出発ですね」
「そうしますね」
「今日はここで休んで」
「そうしましょう、それとね」
 王女はさらに言いました。
「皆今日はスイーツもあるけれど」
「果物もですか」
「それ自体もですか」
「楽しめばいいですか」
「それで、ですね」
「皆で、ですね」
「楽しんで行きましょう」
 こうお話してでした、皆この日はアン王女の国でお菓子に果物を満喫しました。そして次の日の朝に朝食を食べてです。
 いざ出発というところで、でした。
 何とボボ王子がお国にふらりと来ました、そうしてこんなことを言いました。
「皆も僕が主催のパーティーに来てくれるかな」
「パーティーって?」
「僕は今もリンキティンク王の国にいるけれど」
 王女に笑顔で答えます。
「それで一緒に楽しく遊んで暮らしているけれど」
「それでなの」
「今度僕が主催でね」
「パーティーを開催するの」
「オズの国の色々な人を招待していてね」
「それで私もなの」
「招待したいんだ、丁度この子達もいるし」
 ジョージ達五人も見て言います。
「一緒にどうかな」
「楽しい招待には応じろ」
 王女は王子に笑顔で応えました。
「それがオズの国の法律ね」
「そうだね、時間があれば」
「幸い時間はあるわ」
 肝心のそれがというのです。
「それで今この子達と一緒に都まで行くつもりだったの」
「そうだったんだ」
「この子達が都のオズマ姫達にまたオズの国に来たから挨拶に行きたいって言うから」 
 それでというのです。
「私もね」
「一緒にだね」
「行くつもりなの」
「これまた丁度いいね」 
 王子は王女のお話を聞いてあらためて言いました。
「僕も行くつもりだったんだ」
「エメラルドの都に?」
「そうだよ、招待しているって言ったね」
「ええ、そうね」
「それでだよ」
「都の方にもなのね」
「行ってね」
 そうしてというのです。
「皆を誘うつもりだったんだ、これまでは北の国々を巡って」
「ハイランドとかローランドを?」
「それで招待して回っていたけれど」
「それが終わって私もなのね」
「招待しに来たんだ」
「そうだったのね」
「それで王女からはいいって言ってもらったし」 
 王子は笑顔で言いました。
「今度はね」
「この子達ね」
「どうかな」
 王子はあらためて五人に尋ねました。
「それで」
「はい、まずはエメラルドの都に行って」
「それからお願いします」
「パーティー宜しくお願いします」
「楽しみにしています」
「お招きうけさせてもらいます」
「それは何よりだよ、では一緒にね」
 是非にとです、王子は五人の源氏に笑顔で頷きました。
「行こうね」
「まずは都まで」
「そうしてですね」
「そこからリンキティンク王の国まで行って」
「そうしてですね」
「お国に着いたら」
「そこでパーティーだよ」
 笑顔のまま応える王子でした。
「だから是非行こうね」
「わかりました、ただ」
 ここでカルロスがあることに気付きました。
「今回リンキティンク王は留守番ですか」
「そういえばおられないわね」
 恵梨香もこのことについて言います。
「いつも王子とご一緒なのに」
「王子は一人で旅をされていたんですか?」
 神宝は王子に尋ねました。
「そうなんですか?」
「それでリンキティンク王は留守番で」
 ナターシャも言います。
「今はお国におられるんですか」
「あの人が留守番って珍しいですね」
 ジョージはこう思いました。
「どうにも」
「いや、実はね」 
 王子はジョージに答えました。
「あの人もあの人でね」
「招待されているんですか」
「元々僕にパーティーを開いてみたらと言ったのはあの人だしね」
 そのリンキティンク王だというのです。
「そうしてみたらって」
「そうなんですか」
「うん、あの人は海の方を巡ってね」 
 オズの国のというのです。
「招待してくれているよ」
「そうですか」
「そもそもあの人がじっとしていられるかな」
 王子は五人に楽しく笑って尋ねました。
「果たして」
「あっ、それはないですね」
「無理ですね」
「あの人は」
「オズの国でも屈指の遊び好きで」
「じっとしているのが大の苦手ですからね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「当然あの人もね」
「招待して回られていますか」
「海の方を」
「王子と手分けする形で」
「そうしてですね」
「動かれていますね」
「船旅を楽しみながらね」
 そのうえでというのです。
「そうしているよ」
「そういえばね」
 ここで王女が言いました。
「私あの人に殆どお会いしていないわ」
「リンキティンク王にはだね」
「貴方にもよ」
「うん、久し振りに会ったね」
「そうよね」
「お会い出来て何よりよ」
「だったらね」
 あらためてです、王女は王子に言いました。
「私もね」
「インキティンク王の国に行って」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「楽しませてもらうわ」
「それじゃあね」
「一緒にね」
「まずは旅をして」 
 リンキティンク王の国にというのです。
「それを楽しんで」
「それでね」
「楽しく行こう」
「それではね」
 こうお話してでした。
 一行に王子も加えてそのうえで、でした。
 皆でエメラルドの都に向けて出発しました、そこでジョージは言いました。
「王子と王女が一緒ってはじめてかな」
「あっ、そうだね」
「そう言われればそうだね」
「これまで色々な旅をしてきたけれど」
「色々な人達と一緒だったけれど」
 神宝達四人もそれはとなりました。
「王子と王女が一緒なのはね」
「はじめてよね」
「そう思うと嬉しいね」
「この顔触れでというのも」
「そうだよね、面白いね」
 また言うジョージでした。
「はじめての顔触れでの旅も」
「そうだね」
「それじゃあね」
「この顔触れでの旅を楽しみましょう」
「今回は」
「はじめての組汗での旅もいいよね」 
 ジョージは笑顔でこうも言いました。
「新しい何かが起きそうで」
「そうだね、僕もね」 
 王子も言ってきました。
「あまり旅に出ていないしね」
「私もよ」
 王女もでした。
「最近は」
「そうだよね」
「あまり出ていなくて」
 それでというのです。
「久し振りでね」
「尚更だね」
「楽しみよ、そして旅に出ても」
「この顔触れではね」
「貴方と会うことも随分久し振りだし」
「それで一緒に旅するなんてね」
「面白いわ」
 是非にというのです。
「これから何が起こるか期待しているわよ」
「僕もだよ、じゃあ行こうね」
「旅をしていきましょう」
「この道を歩いていけば」
 黄色い煉瓦の道、今自分達が歩いている道を見て言いました。
「都に着くよ」
「必ずね」
「だからね」
 それでというのです。
「このままね」
「歩いていけばいいわね」
「そうしていこう」
「黄色い煉瓦の道はいいわね」
 王女はしみじみとした口調で言いました。
「その上を歩いていけばね」
「うん、そうしていけば絶対に安全だしね」
「道に魔法がかかっていてね」
「安全を保障してくれるし」
「そう、そしてね」
「絶対に都に続いているから」
「本当にいいわ」
 楽し気に歩きながらお話しました。
「安全で楽しい旅を保証してくれるから」
「全くだね」
「黄色い煉瓦の道がオズの国の公道で」
 ジョージも言ってきました。
「オズの国中を通っていますね」
「そう、そしてね」
「都に通じていますね」
「オズの国の要所を全てつないでいてね」
 王子はジョージにお話しました。
「そしてだよ」
「都にもですね」
「つながってるよ」
「そうですね」
「だからね」 
 それでというのです。
「僕達もね」
「この道を進んでいけばいいですね」
「そうだよ、じゃあ行こうね」
「はい、都まで」
「それでお昼だけれど」 
 お昼のお話もしました。
「何を食べようか」
「お昼ですか」
「うん、何がいいかな」
「私も魔法のテーブル掛けを持ってるわよ」
 王女が言ってきました。
「あのどんな食べものも好きなだけ出せるね」
「あれをですか」
「ええ、持っているわよ」
 こうお話するのでした。
「だからね」
「それで、ですか」
「お昼はね」
「何でも出せますか」
「好きな食べものと飲みものをね」
「それはいいですね」 
 ジョージも笑顔で応えました。
「あのテーブル掛けがありますと」
「オズの国はあちこちに食べものがあるから旅をしてもお食事に困らないわ」
「果物が実る木が一杯ありますからね」
「お弁当の木まであるわね」
「はい」
「だから食べものには困らないけれど」
 それでもというのです。
「私はね」
「あのテーブル掛けもお持ちですか」
「オズマ姫から貰ったのよ」
「それでお持ちですか」
「友達だからってね」
 そう言ってくれてというのです。
「ドロシー王女達にもあげて」
「アン王女にもですね」
「そうなの」
「そういえばね」
 ここで王子も言います。
「トロット王女もベッツイ王女も持ってるね」
「そうですね」
「あのテーブル掛けはどうもね」 
「オズの国の王女ならですか」
「それならね」
「持っておられるものですか」
「そんな風になってるね」
 こうお話するのでした。
「王女の人達はよく旅に出るからね」
「それで、ですね」
「その時にね」
「好きなものを食べられる様に」
「オズマ姫が配慮してくれたんだね」
「そうですね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「アン王女もだよ」
「持たれてるんですね」
「そうだね」
「ただ私はあまり旅に出てないのよね」
 王女が言ってきました。
「これが」
「けれどね」
「私もオズの国の王女で」
「今実際に旅に出ているから」
「それでね」
「オズマ姫がくれたのね」
「その意味でもね」
 お友達であってというのです。
「それでだよ」
「そうなのね」
「それでお昼は何を食べようか」
「そうね、何を食べるのか」
 王女も言われて考えました。
「そのことも考えるべきね」
「王女の国は果物が名産だね」
「特に林檎ね」
「そうだね、それを出してもいいし」 
 果物とそれを使ったお料理をというのです。
「他にもね」
「これはというお料理があったら」
「それをね」
「出してもいいのね」
「結局は食べたいものを」 
 それをというのです。
「出せばいいよ」
「そういうことね」
「ちなみに僕この前アイスバインを食べたよ」
「あの大きな豚肉の塩茹でね」
「いや、ボリュームがあってね」
「美味しいのね」
「これがね」
 こうお話するのでした。
「お勧めだよ、それとソーセージにザワークラフトにね」
「ジャガイモとくるのかしら」
「そうそう、よかったよ」
「ドイツ系の食べものね」
「いいよ、ハンバーグもね」 
 こちらのお料理もというのです。
「上に目玉焼きを乗せてね」
「そう聞くと」
 王女は目を輝かせて言いました。
「私もね」
「食べたくなったわ」
「アイスバインとかをだね」
「ええ、じゃあ今日のお昼は」
「アイスバインに」 
 それにというのです。
「ソーセージにザワークラフトにハンバーグに」
「ジャガイモだね」
「ジャガイモもよね」
「やっぱりドイツ系のお料理といったら」
 王子も応えます。
「何と言っても」
「ジャガイモね」
「これは欠かせないよ」
「パンがなくてもね」
「ジャガイモだよ」
「それじゃあ」
「うん、それを忘れないで」
 そのジャガイモをというのです。
「それとね」
「それと?」
「デザートはケーキで」
 これでというのです。
「ドイツ系なら」
「そうよね」
「そして飲みものは」
「お酒はビールね」
「これだよ」
 王子は笑顔で応えました。
「それも飲んで」
「そしてね」
「楽しもう、子供達はジュースとかをね」
「それかアルコールのないビールね」
「酔うけれどね」
 それでもというのです。
「そうしたものをね」
「出して」
「そしてね」
「皆で楽しむのね」
「そうしよう」
「それじゃあお昼は決まりね」
「そうだね、ドイツ系でいこう」 
 楽しくお話してでした。
 皆でお昼まで歩いてそうしてお昼になると道の横に皆で腰掛けてテーブル掛けからそのメニューを出しました。
 それからいただますをしてアイスバインやソーセージにハンバーグ、ザワークラフトにジャガイモ料理を食べますが。
 王女は大きなビールのジョッキを手に笑顔で言いました。
「いや、最高よ」
「そうだよね」
「ザワークラフトやソーセージにね」
「ビールの組み合わせはね」
「病みつきになるわ」 
 王子に飲みつつ言います。
「これは」
「王女はお国では何を飲んでるのかな」
「お酒ね」
「うん、具体的にね」
「シードルかワインよ」
「林檎のお酒もだね」
「やっぱり林檎が一番の名産だから」
 それでというのです。
「そちらからもね」
「作るね」
「ええ、そしてね」
 それでというのです。
「よく飲んでいるわ」
「そうなんだね」
「ビールもあるけれど私がよく飲むのは」
「そのシードルか」
「ワインなの、けれどビールもね」
「いいね」
「ええ、じゃあこれからはね」
 王子と一緒に飲みながら言います。
「ビールもね」
「飲むわ」
「それはいいね」
「美味しいものならね」
「何でもね」
「楽しく口にする」
「それがオズの国だから」
 それ故にというのです。
「これからはね」
「ビールも飲むわ」
「よくだね」
「そうしていくわ」
 こう言ってでした。
 一行はドイツのお料理を食べてビールを飲みました、そうして。
 デザートのケーキを食べる時はコーヒーを飲みましたが。
「コーヒーもだね」
「ええ、ドイツのものにしたの」
 王女はそのコーヒーを飲みながら王子に答えました、見ればそのコーヒーの上に沢山の生クリームがあります。
「こうしてね」
「そうなんだね」
「こうしたコーヒーも美味しいでしょ」
「そうだね、生クリームの甘さがね」
 これがというのです。
「コーヒーを素敵な味にしているね」
「ウィンナーコーヒーですね」
「生クリームがコーヒーの甘さになっていますね」
「ウィンキーなので黄色ですね、クリームが」
「コーヒーも黄色ですし」
「それも面白いですね」 
 五人もコーヒーを飲みつつお話をします。
「ケーキにもよく合っていますし」
「最高のデザートですね」
「じゃあこのコーヒーを飲んで、ですね」
「最後にしますね」
「このお昼ご飯の」
「そうだね、ケーキとコーヒーを楽しんで」
 笑顔で言う王子でした。
「それからね」
「また歩きましょう」
「エメラルドの都に行きましょう」
「楽しく先に進みましょう」
「この度を楽しみましょう」
「そうしていきましょう」
「そうしていこうね、皆で」
 王子は五人に笑顔で応えました、そうしてエメラルドの都への旅を楽しむのでした。ただ王子はここから大冒険になることはまだ知りませんでした。








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