『オズのホボ王子』




                第二幕  都に着いて

 モジャボロと弟さんそれにムシノスケ教授の三人はリンキティンク王のいる国に向けての旅に行く用意が出来ました。
 そして今まさに旅立とうとする時にオズマが三人に言いました。
「出発は待ってくれるかしら」
「何かあったのかな」
「ここにボボ王子が来るの」
 こうモジャボロにお話しました。
「今からね」
「そのパーティーを主催する」
「その人とね」 
 それにというのです。
「アン王女とジョージ達五人がね」
「ああ、あの子達も来るんだ」
「そうなの」
「そういえば暫くこの国に来てなかったね」
 弟さんは五人の名前を聞いて頷きました。
「そうだったね」
「確かに。会うとすれば暫く振りになるよ」
 ムシノスケ教授も言いました。
「そう言われると」
「ええ、だからね」
 それでとです、オズマはさらに言いました。
「皆出発はね」
「少し待って」
「そうしてだね」
「あの子達が来てからだね」
「お話をしてね」
 そうしてというのです。
「出発した方がいいわ」
「それとよね」 
 ドロシーも言ってきました。
「あの子達、王子と王女もだけれど」
「一緒にだね」
「そう、旅に出るといいわ」
 こうモジャボロにお話するのでした。
「そうしたらね」
「そうだね」
 モジャボロはドロシーの言葉に頷きました。
「旅は多い方が楽しいし」
「そうでしょ、ではね」
「うん、皆でね」
「待ってね」
「そうさせてもらうよ」
「待つことも楽しむ」
 教授は笑顔で言いました。
「そうしよう」
「じゃあ何をして楽しむのかな」
 弟さんが教授に尋ねました。
「それで」
「読書、いや歩こう」
「歩くんだね」
「宮殿の中を歩いて宮殿を学ぶよ」
「そうするんだね」
「本を読むことも学問だけれど」
 それだけでなくというのです。
「歩いて見て回ることもだよ」
「学問だね」
「そして人と話すことも」 
 このこともというのです。
「同じだよ」
「学問だね」
「そのことがわかったよ」
 教授は笑顔のまましみじみとした口調で言いました。
「本当にね」
「そうよね、教授もね」
 ドロシーは教授の言葉に笑顔で応えました。
「昔は読書だけだったけれど」
「それがオズの国にいてわかったんだよ」
「それだけが学問じゃないって」
「うん、まさにね」
 このことがというのです。
「よくわかったよ」
「よく旅に出て」
「そうしてね」
 それでというのです。
「わかったよ。見て回ってね」
「人とお話をすることも」
「学問だよ、そして論文も書く」
 このこともというのです。
「学問だよ」
「だからよく書いているわね」
「そうなったよ、学問は色々だよ」
「そうよね」
「特にね」
 教授はさらに言いました。
「王宮にはボームさんがおられるね」
「王室の歴史編纂をされている」
「あの人がおられるから」
「だからよね」
「そう、だからね」
「ボームさんともお話をして」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「学ぶよ」
「そうするわね」
「あの人は凄い人だよ」
 教授はボームさんについて目をきらきらとさせて答えました。
「あれだけ博識な人はいないよ」
「外の世界にオズの国のことをはじめて知らせてくれた人だしね」
「ドロシー王女のこともね」
「そうした人だから」
 それだけにというのです。
「もうね」
「オズの国のことならだね」
「何でもよ」 
 それこそというのです。
「ご存知よ」
「そうだね」
「そのボームさんともお話が出来るから」
「待つ間はそうさせてもらうよ」
「それではね」
「ではゆっくりしていましょう」
 オズマはリラックスして言いました。
「待つ間は」
「学びながらだね」
「そうしてね」
「さて、僕は歩いて」
 そしてとです、モジャボロは嬉しそうにお話しました。
「寝ることもしようかな」
「そうだね、それで王子達が来たら」
「起きよう、来るまではね」
「そうしたらいいね」
「そうだね、しかしね」
 モジャボロは弟さんに考えるお顔でお話しました。
「王子は誰を招待して回るか」
「そのことが気になるね」
「オズの国の色々な人達だと思うけれど」
「一体どんな人達か」
「気にになるし」
 それにというのです。
「楽しみだね」
「そうだね」
「楽しみに思うことはいいことだよね」
 トトがドロシーに彼女の足下から言ってきました。
「やっぱり」
「そうよ、その間退屈しないからね」
「だからいいよね」
「楽しみにしながら寝てもね」
「気分よく寝られるね」
「気分よく寝られるなら」
 それならというのです。
「もうね」
「一番いいね」
「だから楽しみにしてね」
「楽しいことを考えることはいいことだね」
「そうよ、だからね」
 それでというのです。
「楽しみにして」
「そうしてだね」
「何でもやっていくことよ」
「気持ちよく寝られることはいいことだね」
 トトはこのことが一番という感じでした。
「僕はそう思うよ」
「そうね、ただね」
「ただ?」
「私も寝ることは好きだから」
「じゃあいつもだね」
「楽しんで寝て」
 そしてというのです。
「起きるわ」
「それがいいね」
「そうね、じゃあ寝ましょう」
「一緒にね」
「楽しいことを考えましょう」
 笑顔で言ってでした。
 ドロシーは教授達が王宮を見て回り行くのを見送りました、それが終わってからオズマに対して言いました。
「さて、後はね」
「私達のお仕事ね」
「それをしましょう」
「そうね、それじゃあ」
「今からね」
「頑張りましょう」
 こうお話してそのうえでお仕事を頑張ります、エメラルドの都でも何かと忙しい感じの中で頑張っています。
 そしてボボ王子はといいますと。
 アン王女それにジョージ達と一緒に都に戻っていますが自分達が歩いている黄色い煉瓦の道の左右の黄色い草原がです。
 緑の草原になったところで言いました。
「いよいよだね」
「ええ、エメラルドの都に入ったわ」
 王女も笑顔で応えます。
「今しがたね」
「そうだね」
「緑の世界になったら」
「まさにそれがね」
「エメラルドの都よ」
「そうだね」
「そのことが本当にね」
「今わかるね」
「今まさに来た」
 さらに言う王女でした。
「実感がするわね」
「この目で見てね」
「私もよ、歩いていって」
 そうしてというのです。
「遂に来たわ」
「そうだね」
「それでだけれど」
 王女は言葉を続けました。
「これからね」
「うん、宮殿に行くね」
「首都に入ってからね」
「そうするね、思えば宮殿にお邪魔することも」 
 オズマのいるそちらにです。
「僕は久し振りだよ」
「私もよ、旅に出ても」
「都に行くことはね」
「最近なくてね」 
 そのせいでというのです。
「そのせいでね」
「そうだよね」
「ええ、けれどね」
「今からね」
「都に入ったし」
 それにというのです。
「宮殿にもね」
「行きましょう」
「そうしようね」
「宮殿に入るまでの旅を楽しんで」
「それからもだね」
「ええ、首都に着いて」
 そしてというのです。
「街を見て回ってね」
「エメラルドで輝いているね」
「そして宮殿にもよ」
 やはりエメラルドで飾られているそこにです。
「入ってね」
「見て回って楽しんで」
「そしてよ」
「オズマ姫達にお会いして」
「パーティーに招待しましょう」
「そうだね、じゃあ楽しくね」
「このまま歩いていきましょう」 
 笑顔で言ってさらに先に進みます、そしてです。
 首都の城門のところに来てです、夕暮れになったので王子は皆に言いました。
「じゃあ明日にね」
「そうですね、首都に入りましょう」
「あと少しですけれど」
「そうしましょう」
「今日はここで休みましょう」
「テントを出して」
 ジョージ達五人も応えました。
「また進めばいいですし」
「それじゃあですね」
「今日はですね」
「テントに入って」
「休みますね」
「そうしようね」 
 王子もこういます、ですが。
 ここで城門を守っていた門番の兵隊さんが言ってきました。
「あっ、いいですよ」
「街に入っていいんだ」
「はい、確かに夕暮れでもうすぐ門を閉めますが」
 それでもというのです。
「あと少しです」
「待ってくれるんだ」
「皆さんが中に入られるまでは」
 城門の向こうの街の中にというのです。
「そうさせてもらいます」
「悪いね」
「悪くないですよ、杓子定規に時間を守るよりも」
 それよりもというのです。
「多少です」
「融通を利かせるんだ」
「そうするものですから」
 それ故にというのです。
「ここはです」
「そうしてくれるんだ」
「どうぞ、それで後は」
 街の中に入ればというのです。
「お好きな様に」
「実はオズマ姫達をパーティーに招待したいんだ」
 ここで、です。王子は兵隊さんにこのことをお話しました。
「それで来たんだけれど」
「はい、ボボ王子様ですよね」
「知ってたんだ」
「そのお話が出るまで黙っていました」
「そうだったんだ」
「はい、それでですね」
「姫様達を招待したいけれど」
「どうぞ。王宮の方に連絡させてもらいます」
 今度は自分のスマートフォンを出しました。
「これから」
「そうしてくれるとだね」
「もうすぐにです」
 それこそというのです。
「街に入りますと」
「宮殿まで入られるんだ」
「案内してもらえます」
 そうなるというのです。
「ですから」
「これからだね」
「どうでしょうか」
「では頼むよ」
 王子は兵隊さんの提案に笑顔で応えました。
「その様にね」
「わかりました、それでは」
「宜しくね」
「そうさせて頂きます」
 こうお話してでした。
 兵隊さんはすぐに王宮の方に連絡しました、そうして一行が城門を開くともうその前に一台の馬車がいました。
 そして緑の詰襟の制服と白い乗馬ズボンに緑のブーツの御者の人が控えていて一行に笑顔で声をかけてきました。
「ではこれからです」
「王宮までだね」
「案内させて頂きます」
「それではね」
「あの、僕達王宮に何度も来ていますが」 
 カルロスが言ってきました。
「馬車に乗る機会はちょっと」
「最近はなかったです」
 ナターシャも言ってきました。
「何か最近はいつもまずは都に出ていましたから」
「ですから」
 恵梨香も言います。
「最近はです」
「ですがこうして馬車に乗せてくれるなら」
 神宝も言います。
「嬉しいですね」
「この馬車恰好よくて乗り心地がいいんですよ」
 ジョージも言います。
「ですからここはです」
「そうね、お言葉に甘えてね」
 王女も笑顔で応えます。
「乗せてもらいましょう」
「それじゃあね、しかし馬車まで用意してくれるなんて」
 王子はしみじみとした口調で述べました。
「流石オズマ姫だね」
「細かいところまで気が付いてくれて」
 王女が応えました。
「そうしてよね」
「うん、気配りをしてくれるから」
「誰にもね」
「いつもね」
「オズの国の全ての人達にね」
「だからね」
 それでというのです。
「僕達にもだね」
「こうしてくれるわね」
「それなら」
 王子は言いました。
「今回はね」
「ええ、馬車に乗せてもらってね」
「王宮まで連れて行ってもらおう」
「それがいいわね」
「そうだね、まさかね」
 王子はしみじみとした口調でこうも言いました。
「都の外で休むつもりだったのに」
「宮殿まで案内してもらうなんてね」
「思わなかったよ」
「そうね、兵隊さんも機転を利かせてくれたし」
「よかったよ」
「城壁の外で休んでもらう位ならです」 
 御者の人が言ってきました。
「それならです」
「それなら?」
「それならっていうと」
「はい、中に入ってもらって」
 城壁の、つまり首都の街の中にというのです。
「そうしてです」
「休んでもらう」
「そうした考えなの」
「ぎりぎりで間に合わないよりも間に合う方がいい」
 笑顔で言う御者の人でした。
「そういうものですね」
「うん、世の中はね」
 王子は確かにと答えました。
「やっぱりその方がね」
「遥かにいいですね」
「その方がね」 
 実際に答えます。
「遥かにいいよ」
「ですから姫様もです」
「そう定めているんだね」
「ですから街から見える範囲で人が休みそうなら」
 夕暮れ時にというのです。
「その時はです」
「街の中に入れてあげるんだね」
「街に向かっている人なら」
 それならというのです。
「そう定められていますので」
「僕達もだね」
「そうです、兵隊さんの機転もありますが」
「オズマ姫の考えもあるんだね」
「政策としてのそれも」 
 そうしてというのです。
「ありまして」
「それでだね」
「どうぞです」
 こう言うのでした。
「お入り下さいでして」
「それではね」
「はい、今から」
「宮殿にだね」
「案内させて頂きます」
「それではね」
 こうしたお話をしてでした。
 一行は馬車に乗せてもらって宮殿に案内してもらいました、そして宮殿に入りです。
 馬車から降りるとオズマが待っていて笑顔で挨拶をしてきました。
「ようこそ」
「お久し振りです」 
 王子が一行を代表して深々と頭を下げて挨拶をしました。
「お元気そうで何よりです」
「この通りよ」
 オズマはにこりと笑って言葉を返しました。
「私達は皆ね」
「お元気ですね」
「そうよ」
「それは何よりです、それでなのですが」
「パーティーの招待ね」
「それのお誘いに来たのですが」
「お話は後いえ明日にしましょう」 
 オズマはにこりと笑ったまま応えました。
「今はね」
「いいですか」
「もう夜だから」
 それでというのです。
「そのお話はね」
「明日ですか」
「明日朝ご飯を食べて」
 そうしてというのです。
「それからね」
「あらためてですね」
「お話をしましょう」
「それでは」
「ではまずはね」
 オズマはさらに言いました。
「皆お風呂に入って」
「宮殿のですね」
「ええ、エメラルドと緑の大理石で飾った」
 まさにそのというのです。
「お風呂にね」
「入ってですね」
「晩ご飯にしましょう」
「それでは」
「ええ、今は臆病ライオンと腹ペコタイガー、つきはぎ娘とエリカとハンクとキャプテンとガラスの猫はいないけれど」
 彼等のお話もするのでした。
「皆旅に出ていてね」
「それで、ですね」
「残念だけれどいないけれど」 
 それでもというのです。
「ドロシー達もいるし」
「それで、ですね」
「皆でね」 
 是非にというのです。
「晩ご飯も楽しんで」
「そうして」
「よく寝てもらって」
「それからですね」
「朝起きてご飯を食べて」
 そうしてというのです。
「お話をしましょう」
「それでは」
 王子も頷いてでした。
 そうして皆はオズマの言う通りにです。
 お風呂に入って宮殿の美味しいお料理をご馳走になってです。
 それからゆっくりと寝ました、そして起きるとです。
 ご飯を食べました、その後でオズマは皆をティーパーティーにお誘いして優雅に紅茶を飲みながらお話をしました。
「王子が主催のパーティーね」
「はい、リンキティンク王の国で開かれます」
 王子は笑顔で応えました、見れば皆緑のコップとお皿そしてエメラルドのスプーンを使って紅茶を飲んでいます。その紅茶も紅茶ですが色は緑色です。グリーンティーではありません。そこは重要です。
「僕が主催のそのパーティーにです」
「開かれて」
「それで、です」
「私達もなのね」
「都にいる皆さんも」 
 王子はマカロン、お茶と一緒に出されているこのお菓子を食べつつ答えました。
「是非にとです」
「招待したくて」
「それで、です」
 そのうえでというのです。
「今回お邪魔しました」
「そうなのね」
「それでどうでしょうか」
 王子はさらに言いました。
「皆さんは」
「喜んで受けさせてもらうわ」
 オズマは王子の申し出に優雅に笑って答えました。
「その申し出をね」
「それでは」
「宮殿にいる皆でね」
「来てくれますか」
「そうさせてもらうわ」
「わかりました、それではです」 
 王子はオズマの返事に満面の笑顔で応えました。
「いらして下さい」
「ええ、その日になればね」
「皆で、ですね」
「行かせてもらうわ」
「それでは」
「今は国会が開かれていて私達はすぐにリンキティンク王の国に行けないの」
 ドロシーがこのことをお話しました。
「そうだけれどね」
「それでもだね」
「ええ、けれどね」
 それでもというのです。
「国会はパーティーがはじまる時には終わるから」
「だからだね」
「ええ、是非ね」
 その時はというのです。
「お邪魔させてもらうわ」
「ではね」
「行かせてもらうわ、私達も」
「それでよかったらね」
 ここでモジャボロが言ってきました。
「僕達がオズマ姫達に代わって先にリンキティンク王の国に行くことになったけれど」
「実は皆を待っていたんだ」
 弟さんも言ってきました。
「皆がここに来ることがわかったからね」
「オズマ姫の魔法でわかったのね」
 王女はこのことをすぐに察しました。
「そうなのね」
「そうなんだ」
 モジャボロは王女に紅茶を飲みながら答えました。
「あの鏡でね」
「やっぱりそうなのね」
「それでね」
「私達を待ってくれたのね」
「旅に出るなら女性もいると尚更賑やかだしね」
「それでなのね」
「待っていたんだ、では合流を果たせたし」
 この都でというのです。
「是非ね」
「これからね」
「一緒に出発しよう」
 こう王女に言うのでした。
「そうしよう」
「それではね」
「一緒に招待して回ろう」
 教授も言います。
「そうしよう」
「ではモジャボロさんと弟さんそして教授さんがですね」
 ジョージが尋ねました。
「僕達と一緒に旅をしてくれるんですね」
「王子と王女もおられて」
 恵梨香も言います。
「そうしてですね」
「今回の旅の顔触れはこの十人ですね」
 神宝は人数を把握しました。
「そうですね」
「今回も楽しい旅にしましょう」 
 カルロスは笑顔で言いました。
「そうしましょう」
「それでオズの国のあちこちを巡って」
 ナターシャは微笑んでいます。
「招待しながら旅を楽しみますね」
「そうなるよ、しかしね」 
 モジャボロはここでこうも言いました。
「僕は君達と旅をするのは久しぶりだね」
「僕もだね」
 教授も言います。
「考えてみれば」
「だから余計に楽しみだよ」
 こう言ったのは弟さんです。
「君達と一緒の旅だしね」
「では楽しい旅にしよう」
 モジャボロはにこにことしています」
「皆でね」
「もうマンチキンとギリキンは巡ったよ」
 王子がこれまで招待で巡った国のお話をしました。
「オジョ君もそうしたしギリキンの北の国々も巡ってね」
「そうしてだね」
 モジャボロが応えました。
「そちらの皆も来てくれるんだね」
「約束してくれたよ」
「それは何よりだね」
「うん、それでこれからはね」
 王子はさらにお話します。
「ウィンキーとカドリングを巡って」
「そうしてだね」
「案内して回るよ」
「そうするんだね」
「そしてね」
 王子はさらにお話します。
「最後はね」
「リンキティンク王の国に戻るんだ」
 弟さんが尋ねました。
「そうするんだ」
「そしてそこでね」
「パーティーだね」
「そうなるよ」
「楽しい旅の後はだね」
「楽しいパーティーだよ」
 王子はクッキーを食べながら応えました。
「そうなるんだ」
「いい展開だね、それじゃあ」
「早速だね」
「楽しい旅に入ろう」 
 弟さんが言ってでした。
 皆ティーパーティー朝のそれの後で、でした。
 出発しました、オズマはドロシーとベッツイにトロットを連れてそうして一行を見送ってこう言いました。
「では私達はね」
「はい、国会が終わってからですね」
 ジョージが応えました。
「それから」
「魔法かね」
 若しくはというのです。
「ヘリコプターか飛行機か」
「お空からですね」
「行くわ、魔法と科学」
「どちらかの力で」
「いえ、その両方でしょ」
 笑顔で、です。オズマはジョージに答えました。
「オズの国は」
「あっ、科学と魔法がでしたね」
「その両方が存在している国でしょ」
「そうでしたね」
「だからね」 
 それでというのです。
「私達はね」
「リンキティンク王の国にお邪魔するわ」
「わかりました、では」
「その時を楽しみにしているわ」
「それじゃあ」
「国会を観るのも面白いのよ」
 こう言ったのはベッツイです。
「色々な人がお話してやり取りをしているから」
「そうなのよね、オズの国から選挙で選ばれた議員さん達が集まって」
 トロットも言います。
「それで政治のお話をしているのよね」
「それを観ることもね」
「面白いのよね」
「そうなのよね」
「だから」 
 それでというのです。
「今回もね」
「楽しみよね」
「何かとね」
 二人で笑顔でお話します。
「私達は議会は観ているだけでね」
「何も言わない決まりで」
「議会が出した法律を観る」
「そうしているけれどね」
「何か」
 ジョージは二人のお話をここまで聞いて思いました。
「国会は外の世界と同じかな」
「そうみたいね」
「聞いてみると」
「色々違いはあっても」
「やってることはね」
「そうだよね、国会も国によって違うけれど」
 それでもとです、ジョージは恵梨香達四人に答えました。
「大体そうしたところだし」
「名前も違うけれどね」
「国会だったり」
「議会だったり」
「代表会議だったりだけれど」
「まあ大体そうした場所で」
 法律のお話をして決める場所だというのです。
「それでね」
「それはオズの国でも同じ」
「そうだね」
「要するに」
「言われてみると」
「そうだよ、オズマ姫やドロシー達が政策を考えてね」
 トトがお話します。
「国会は法律を決めて。裁判所は悪い人はいないけれどちょっとした揉めごとについて仲裁をしていて」
「それでだね」
「裁判所もあるんだね」
「オズの国には」
「悪いことをする人がいなくても」
「それでも」
「そう、法律を観て確かめるね」 
 そうしたというのです。
「場所もあるよ」
「つまり立法、行政、司法ね」  
 オズマが言ってきました。
「その三つはね」
「分かれてるんですね」
「それぞれ」
「オズの国でもそうなんですね」
「それぞれ分かれて動いている」
「そうなっているんですね」
「そうよ、それで今は国会が開かれているの」  
 そちらがというのです。
「そういうことよ」
「わかりました」
「オズの国の政治の仕組みも」
「オズマ姫が国家元首で」
「それで国会もあって」
「裁判所もあるんですね」
「そうよ、じゃあ国会が終わってから行かせてもらうわね」
 オズマはこの時も笑顔でした、そうしてです。
 皆は宮殿を出てそれから旅をはじめました、首都も出てそうしてまずは何処に向かうかといいますと。
「ウィンキーの国に行こう」
「あちらになのね」
「そうしよう、そしてね」
 王子は王女にお話しました。
「そのうえでね」
「ウィンキーにいる人達を招待するのね」
「そうしよう」
「わかったわ、じゃあまずはね」
「ウィンキーに行こうね」
「そうしましょう」
「ウィンキーなら」 
 この国と聞いてです、教授は言いました。
「まずはね」
「うん、かかしさんと樵さんだね」
 モジャボロはお二人の名前をすぐに思い浮かべました。
「お二人となるね」
「そうだね」
「あとジャック君もだね」
「ファイター大尉もだね」
「皆に声をかけるね」
「招待することになるね」
「その人達は絶対だよ」
 王子もこう答えます。
「やっぱりね」
「そうだよね」
 弟さんが応えました。
「かかしさんや樵さんは」
「もう最初からだよ」
「誘うるもりだったんだね」
「うん、だからね」
 それでというのです。
「あの人達のところにもね」
「行くね」
「むしろまずは」
 最初にというのです。
「あの人達をだよ」
「誘いたいんだ」
「そう考えているよ」
「それじゃあ今から」
「ウィンキーに行って」
 見れば都の西門から出ています、まさにウィンキーに行く場所です。
「そしてね」
「かかしさんや樵さん達にだね」
「お会いしようね」
「それではね」
「よし、行こう」
 また言う王子でした、そうしてです。
 皆はウィンキーに向かう黄色い煉瓦の道を進んでいきました、道は平坦に整っていてとても歩きやすいです。
 その道を歩きつつです、王女は前を見て言いました。
「最初に行くのはかかしさんのお家かしら」
「そうなるよ」
 王子が地図を観つつ答えます。
「ここから一番近いのはね」
「かかしさんのお家だからよね」
「うん、最初はね」
「かかしさんね」
「そしてね」 
 それにというのです。
「かかしさんの後はね」
「樵さんね」
「そうだよ、そこにファイター大尉もおられるなら」
「大尉さんもよね」
「お誘いするよ、そしてね」
 さらにというのです。
「ジャックさんもね」
「お誘いをかけるのね」
「そうするよ」
 笑顔で言うのでした。
「まずは四人をね」
「誘って」
「そしてね」
 それでというのです。
「クマセンターや七人の妖精さんのところにもね」
「行くのね」
「そうしようね、もうオズの国の有名な人達に」 
 まさにというのです。
「声をかけていくから」
「私にも声をかけてくれたし」
「カエルマンさんにもそうしたいし」
 その人にもというのです。
「そこでクッキーさんにも」
「声をかけるのね」
「そうするよ」
「そうしていくのね」
「そしてカドリングでは」
 この国ではといいますと。
「ミュージッカーさんだね」
「あの人今カドリングにいるの」
「そうみたいだよ」
 この人はというのです。
「だからね」
「あの人も誘いに」
「その為にもね」
「カドリングにもなのね」
「行ってね」
 そうしてというのです。
「招待させてもらうよ」
「そうするのね」
「そうだよ、あと実は」
 王子はさらに言いました。
「エジソンさんや関羽さん、真田幸村さんもね」
「その人達にもですか」
「お声をかけたんですね」
「招待されたんですね」
「かつて外の世界におられた人達も」
「そうされたんですか」
「そうなんだ、皆をね」
 まさにというのです。
「呼びたくてね」
「それで、ですか」
「その人達もお招きしたんですね」
「マンチキンとかを回られた時に」
「そうされたんですね」
「あの人達も」
「うん、そうしてね」
 そしてというのです。
「皆笑顔で頷いてくれたよ」
「それはいいですね」
「あの人達も来てくれるとなると」
「どの人達もヒーローで」
「素晴らしい人達ですから」
「オズの国でもそうですから」
「だからあの人達も是非と思ってお招きしたんだよ」 
 ジョージー達五人にお話しました。
「僕もね」
「そうですか、ではです」
「余計に楽しみです」
「パーティーに参加することが」
「一体どんなパーティーになるか」
「どんな楽しい人達が来てくれるか」
「僕も楽しみだよ」
 主催者の王子にしてもというのです。
「本当にね」
「私もよ」
「そしてその為にね」
「今はなのね」
「色々な人達をね」
「招待していくのね」
「そうするよ」
 こう王女に言ってでした。
 一行はまずはかかしのお家と樵のお城がある場所に向かうのでした、その途中でオズマから連絡があって今旅に出ているつぎはぎ娘達からパーティーについていい返事があったと知りました。
 それで、です。王子はお話を聞いた瞬間にスマートフォンの向こうにいるオズマに対して満面の笑顔で言いました。
「いいニュースを有り難うございます」
「ええ、皆ね」
「来てくれるんですね、パーティーに」
「皆パーティーの直前には都に戻っているから」
 それでというのです。
「皆にメールで聞いたら」
「是非にとですか」
「答えてくれたから」
「今僕にもですね」
「伝えたの、だからね」
「はい、皆の分もですね」
「用意してね、あと魔法使いさんとチクタクもね」
 彼もというのです。
「貴方達が来た時ちょっと都にいなかったけれど」
「来てくれますか」
「都に戻ってそう答えてくれたわ」
「そうですか、彼もですね」
「来てくれるから」
 それでというのです。
「楽しみに待っていてね」
「はい、皆の分もです」
「用意しておいてね」
「そうさせてもらいます」
「では招待の旅を楽しんでいってね」
 オズマは王子にこうも言いました、それで連絡を終えましたが。
 王子は皆にこのことをお話しました、すると皆も笑顔になりました。








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