『オズのホボ王子』




               第十幕  国に戻って

 一行は旅を続け遂にでした。
 リンキティンク王の国に入りました、ここでモジャボロはこう言いました。
「遂に到着だね」
「うん、楽しい旅だったね」
 弟さんも応えます。
「本当に」
「そうだね、そしてね」
「これからはだね」
「楽しいパーティーだね」
「それがはじまるよ」
「そうだね」
「いや、旅はまだ続いているよ」
 教授はパーティーのことをお話する二人に言いました。
「言うね」
「そうだね、旅はお家に帰るまで」
「それまでだったね」
「だから私達の旅は都や大学に戻るまでだよ」 
 こう言うのでした。
「それまでだよ」
「そうだったね」
「そのことを忘れていたよ」
「そう、旅はまだまだ続くよ」
 そうだというのです。
「終わりというのはね」
「まだまだだね」
「終わらないね」
「まだまだ先だよ」
 それはというのです。
「だからね」
「旅も楽しむ」
「そうすればいいね」
「そうだよ」
 こう言うのでした。
「だからこのまま行こう」
「そしてパーティーも楽しむ」
「そうすればいいんだね」
 二人も頷きました、そうしてです。
 一行は黄色い煉瓦の道を歩いていきます、すると。
 お菓子の牧場の横に来ました、ジョージ達はその牧場を道から見て言いました。
「牧場もあるね」
「僕達が来た時そのままだね」
「お菓子達もどんどん増えてるね」
「数も種類も増えてるわ」
「とても賑やかね」
「うん、それじゃあ今からね」
 王子は五人に応えて言いました。
「丁度おやつの時間だし」
「だからですね」
「今からですね」
「牧場に入って」
「そうしてですね」
「これから食べるんですね」
「そうしよう」
 こう言うのでした。
「今からね」
「いいわね、じゃあ入りましょう」
 王女も言ってきました。
「ジュースや紅茶が出る水道もあるしね」
「飲みものもあるしね」
「そうしましょう」
 王女もこう言ってでした。
 皆で牧場に入ってでした。
 おやつを食べはじめました、牧場の中にいるお菓子達をそのまま食べます。王女はその中のチョコレートを食べて言いました。
「とても美味しいわ」
「そうですよね、どのお菓子も」
 恵梨香は苺のケーキを食べつつ応えました。
「物凄く美味しいです」
「それも沢山ありますし」
 ナターシャはクッキーを齧って微笑んでいます。
「嬉しい限りですね」
「こんなに沢山の数と種類がありますから」
 神宝はマカロンを食べています。
「かえって困る位ですね」
「一体どのお菓子を食べたらいいか」 
 カルロスはキャラメルを食べています。
「困る位ですね」
「そこが困りますね」
 ジョージはタルトを食べながら言います。
「それ位ですね」
「全くだね、飲みものは水道の蛇口から出るけれど」
 王子はホットレモンティーを飲みながら言いました。
「この水道もいいね」
「野みたいものが出ますからね」
「蛇口を捻った時に飲みたいと思ったものが」
「だからジュースも出ますし」
「紅茶もコーヒーも出ますね」
「コーラやサイダーも」
「そんなのだから」
 それでというのです。
「かえってね」
「何を飲みたいか」
「それを考えてしまいますね」
「何かあり過ぎてもですね」
「困りますよね」
「何を飲んで食べたらいいか」
「全くだね、けれどね」 
 王子はこうも言いました。
「何を食べたいか飲みたいか悩むことはね」
「いいことですね」
「幸せなことですね」
「それもまた」
「そうですね」
「そうなる方がいいですね」
「そうだよ、なくて困るよりもね」
 それよりもというのです。
「あり過ぎて悩む」
「その方がいいですね」
「ないよりも」
「それよりもずっといいですね」
「それも遥かに」
「そうですよね」
「そうだよ、ないよりある」
 王子はドーナツを食べつつ言いました。
「その方がね」
「ずっといいですよね」
「本当にないとどうしたらいいか」
「困ってしまいますから」
「だからある方がいいですね」
「ないよりも」
「なくて困るよりあって悩む方がいい」
 王子は一言で言いました。
「オズマ姫もそう考えていてね」
「それで、ですね」
「ある様にしたんですね」
「オズの国を」
「色々なものがある」
「そうしたんですね」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「オズマ姫もそうした政治をしているんだ」
「そうなんですね」
「あって悩む」
「何を食べて飲んだらいいか」
「それで悩む」
「そうした風にされてるんですね」
「いいことだね、オズの国はね」 
 この国はというのです。
「ないよりある」
「そのことを目指して」
「そして実現してですね」
「それを保ってるんですね」
「それがオズマ姫の政治ですね」
「そうですか」
「そうだよ、政治は目指して実現して」
 そしてというのです。
「保つものだよ」
「そうなんですね」
「それじゃあですね」
「これからもですね」
「オズマ姫は政治に励まれるんですね」
「そうされるんですね」
「そうだよ、僕だってね」 
 王子自身もというのです。
「リンキティンク王と一緒にね」
「この国を治めておられますね」
「そうされてますね」
「お二人で力を合わせて」
「目指して実現して保つ」
「そうされていますね」
「この牧場もだよ」
 皆が今いるこのお菓子の牧場もというのです。
「同じだよ」
「そうなんですね」
「政治で作ることを目指して」
「そして作って」
「そうしてですね」
「保っているんですね」
「そうだよ、この牧場はこれからもここにあるよ」
 存在し続けるというのです。
「このままね」
「そうなんですね」
「それじゃあですね」
「これからもですね」
「この牧場は存在しますね」
「そうなり続けますね」
「そうだよ、その様に努力していくよ。そしてね」
 王子はドーナツをもう一個食べながらお話しました。
「今以上によくしていくよ」
「今もですか」
「それ以上にされますか」
「今もかなりいいですが」
「それでもですね」
「いい牧場にしていくんですね」
「そうしていくよ」
 絶対にというのです。
「これからもね」
「そういえば」 
 ここで王女がアップルパイを食べながら言いました、見ればモジャボロも同じものを食べて林檎好き同士林檎のお菓子を楽しんでいます。
「好きな飲みものが出る水道はね」
「前はなかったね」
「そうだったわね」
「そう、それをね」
「置いたのね」
「そうなんだ」
 王女に笑顔でお話しました。
「僕達はね」
「もっとよくする為に」
「お菓子を食べると飲みものが欲しくなるね」
「必然的にね」
「そうなるからね」 
 だからだというのです。
「それでね」
「これからもなのね」
「もっとね」
 今以上にというのです。
「いい場所にするよ」
「この牧場を」
「そしてこの国も」
 牧場だけでなくというのです。
「そうしていくよ」
「そうなのね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「リンキティンク王は陽気だね」
 王子はここでこの人のお話もしました。
「しかも突拍子もないところがあるね」
「ええ、かなりね」
「そうした人だからね」
「政治もなのね」
「結構思いつきでね」
 それでというのです。
「考えたり行ったり」
「そうした感じなのね」
「だからね」 
 それでというのです。
「一人だとね」
「困った時もあるのね」
「そうなんだ」 
 これがというのです。
「あの人は」
「あの人はそうね」
「だから僕もなんだ」
「あの人を止めることもなのね」
「多いよ」
「そうなのね」
「あの人の言うことは基本いいけれど」 
 それでもというのです。
「突拍子もないから」
「色々あらもあるのね」
「そう、だからね」
 それ故にというのです。
「問題のある部分をね」
「訂正していくのね」
「そうしていってなんだ」
 それでというのです。
「僕達はね」
「この国を治めていっているのね」
「思いつきで言うとね」
 それならというのです。
「どうしてもね」
「あらがあるわね」
「そうした部分が多いから」
 だからだというのです。
「そこをね」
「あらためていくのね」
「そうしているんだ」
「つまり貴方は王様の補佐役で」
「そしてブレーキ役でもあるよ」
「そうなのね」
「それでなんだ」
 王子は今度はマカロンを食べつつ言いました。
「僕達は政治をしているよ」
「そして貴方達がおられない時は」
「大臣さんがおられるから」
 だからだというのです。
「しっかりやってくれているよ、ただね」
「やっぱり貴方達がいないと」
「困る部分はあるとね」
 その様にというのです。
「大臣さんは言っているよ」
「そうなのね」
「だから実はね」
「貴方達はあまり国を空けられないのね」
「そうなんだ」
「政治をするとどうしてもそうね」
「オズマ姫もそうだね」
 オズの国の国家元首である彼女もというのです。
「あの人も」
「旅に出たら」
「政治に支障が出るね」
「だから旅に出られても」
 オズマ姫がです。
「その時も」
「そう、ドロシー王女達が留守に残るね」
「そうしたことを見てもね」
「オズマ姫は基本はなのね」
「都におられるんだよ」
「そういうことね」
「政治をする人は必要で」
 どうしてもというのです。
「その人がいないと代わりに出来る人が必要で」
「それでこの国の場合は」
「リンキティンク王と僕がだよ」
「そうした人ね」
「そう、だからね」 
 それでというのです。
「今は僕達二人がいないから」
「大臣さんがおられても」
「大変でね」
「戻ってきて欲しいのね」
「そうだよ、絶対にね」
 そこはというのです。
「やっぱりね」
「そうなのね」
「今回僕達は迷惑をかけているね」
 大臣さんにというのです。
「今思うよ」
「自覚してるんだね」
「そうなんだ」
 モジャボロにも答えます。
「このことはね」
「そうだね」
「せめてどちらかは残るべきだったかな」
「いや、王子はだよ」
「自分が開くからかな」
「そう、だからね」 
 それでというのです。
「やっぱりね」
「旅に出てだね」
「招待する必要があったよ」
「だから僕はだね」
「出ていくべきだったけれど」
「リンキティンク王は」
「そう、あの人は」 
 モジャボロは考えるお顔で言いました。
「どうもね」
「そのことはなんだ」
「僕としてはそう考えるけれどね」
「まあそこは難しいところだよ」
 教授はこう言いました。
「リンキティンク王は王子の為にね」
「旅に出たからなんだ」
「だからね」
 ビスケットを食べながらです、教授は言います。
「それに大臣さんでもね」
「政治が出来るからなんだ」
「最低限のことは出来ているから」
「いいんだ」
「私はそう考えるね」
「いいんだね」
「まだね」
 こうモジャボロにお話します。
「そう思うけれどね」
「そうなんだね」
「確かに都ではそうだね」
 こちらではというのです。
「四人のうち誰かが残っているね」
「絶対にね」
「基本はオズマ姫で」
 そうしてというのです。
「ドロシー王女、ベッツイ王女、トロット王女がいて」
「四人の誰かが残るね」
「絶対にね、けれど実はだよね」 
 教授はさらにお話しました。
「四人がいない時のことも」
「考えられているね」
「その時はね」
 オズマだけでなくドロシー達も都にいない時はというのです。
「ボームさんがおられるからね」
「あの人だね」
「あの人は王宮から出ないね」
「そうだね、あの人は」
「歴史編纂のお仕事をしていて」
 オズの国のというのです。
「そうしてね」
「王宮におられるから」
「いつもね」
 それでというのです。
「王宮もだよ」
「大丈夫だね」
「そうだよ、だからリンキティンク王の国も」
「二人がいなくてもなんだ」
「大臣さんがおられるなら」
 それならというのです。
「こうした場合はね」
「いいんだね」
「そう思うよ」
「教授としては」
「そうだよ」
「まあどちらが正しいとは言えないね」
 弟さんはチェリーのタルトを食べつつ言いました。
「このことは」
「もうだね」
「それぞれの考え方だから」
 お兄さんにお話します。
「だからね」
「それでだね」
「どちらが正しいかは」
「言えないんだね」
「若し大臣さんがおられないなら」
 それならというのです。
「もうね」
「駄目だね」
「そうなるけれど」
 それでもというのです。
「今はね」
「それでいいともだね」
「考えられるよ」
「そうなんだね」
「僕が思うにね」
 こう言うのでした。
「どちらも一理あるよ」
「正しいと言えるんだ」
「それが政治だよ」
「正しいことは一つとは限らないんだ」
「そうだよ」
 笑顔での言葉でした、そうしたお話もしながらです。
 皆でおやつを楽しみました、その後で。
 皆は旅を再開して歩いていき。
 遂に首都に来ました、その首都に入って王子は笑顔で言いました。
「懐かしき我が家にね」
「戻って来たのね」
「そんな感じだよ」 
 王女に笑顔で答えます。
「そしてね」
「これからは」
「うん、パーティーの用意をね」
 それをというのです。
「僕も参加して」
「進めていって」
「皆が来たら」
 その時はというのです。
「是非ね」
「楽しいパーティーを開くのね」
「そうするよ」
 是非にというのでした。
「これからはね」
「そうよね」
「それはそれで楽しみだし」
「楽しみは続くわね」
「これからもね」
 そうだというのです。
「だからうきうきしているよ」
「それは何よりね」
「そして一番嬉しいことは」
 王子はさらに言いました。
「リンキティンク王に会えることだよ」
「そのことがよね」
「久し振りに会えるからね」
 王子にとって一番の親友であるこの人と、というのです。
「だからね」
「それでなのね」
「今から王宮に帰って」
「リンキティンフ王とお会いしたいのね」
「そうだよ、行こうね」 
 是非にと言ってでした。
 王子は皆を連れて王宮に向かいました、そうしてです。
 王宮に入るとすぐにでした。
 リンキティンク王が朗らかに出て来て皆を迎えました。
「待っていたぞ」
「会いたかったですよ」
 王子が王様に笑顔で応えます。
「本当に」
「わしもじゃ、そしてこうして会えてな」
 リンキティンク王は朗らかに言いました。
「嬉しくて仕方がないぞ」
「そうなんですね」
「だからな」
 王様はここで、でした。
 跳び上がってから踊りだしました、そして賑やかな歌も歌って王子と皆に対してあらためて言いました。
「こうしてじゃ」
「歌って踊って」
「跳び上がってな」
 自分でも言います。
「喜びを表現したのじゃよ」
「そうですね」
「まことにじゃ」
 王子にさらに言います。
「王子と久し振りに会えてじゃ」
「嬉しいですか」
「しかも皆もおる」
 王女達も見て言うのでした。
「尚更よい」
「私達もいるから」
「皆とも久し振りに会えたからのう」 
 王女にも言います。
「だからじゃ」
「それでなのね」
「王女さんともじゃな」
「ええ、前にお会いしたのが何時か」
 王女は王様に少し考えるお顔で答えました。
「覚えていないわ」
「本当に久し振りじゃ」
「それで久し振りに会えて」
「嬉しいのじゃよ」
 王様は左右にぴょんぴょんと跳ねつつ言います。
「それでついついじゃ」
「そうして跳ねてしまうのね」
「そうなのじゃよ」
「そこは相変わらずね」
「ははは、賑やかじゃろ」
「とてもね」
「賑やかなのがわしじゃ、そして」
 王様は今度はジョージ達五人を見て言うのでした。
「お前さん達も久し振りじゃな」
「そうですよね」
 まずはジョージが応えました。
「僕達も」
「この前お会いしたのはオズマ姫と一緒の時でしたね」
 カルロスはその時のことを思い出しています。
「この国にお邪魔して」
「かなり前でしたね」
 神宝もその時のことを思い出します。
「今思うと」
「あの時も楽しかったですね」
 恵梨香が思い出すのはこのことでした。
「アスレチックでも牧場でも遊んで」
「それで今回はパーティーですね」
 ナターシャはそちらのお話をします。
「楽しみです」
「そうじゃろそうじゃろ、わしも楽しみでじゃ」
 王様は五人に応えて言いました。
「こうしてじゃ」
「跳んだり跳ねたり」
「そうされてるんですね」
「楽しみで仕方なくて」
「それで、ですね」
「今からそうされているんですね」
「お前さん達と会えてな」 
 そしてというのです。
「これからパーティーだと思ってな」
「それでだね、それでなんだけれど」
 モジャボロが王様に言ってきました。
「今ボタン=ブライトがお部屋に入ってきたよ」
「あっ、確かに」
 弟さんも彼を見ました。
「そうだね」
「さて、彼はどうしてここにいるのか」
 教授はこのことを考えました。
「そこが気になるね」
「おや、いたのか」
 王様も彼を見て言いました。
「何時の間に」
「ちょっといいかな」
 ここで、でした。王子がです。
 そのボタンに声をかけました、見れば彼はもう皆のところに来ています。
「君はどうしてここにいるのかな」
「わかんなーーい」
 ボタンの返事はいつも通りのものでした。
「起きたら隣のお部屋にいて何か賑やかだから」
「ここに来たんだね」
「そうなんだ」
「成程ね、そこは君ならではだね」
 王子はボタンの返事を聞いて頷きました。
「寝ている間に移動していることはね」
「そうね、本当に神出鬼没ね」  
 王女も彼のそのことを知っていて頷きます。
「この子は」
「ほっほっほっ、しかしいいことじゃ」
 王様は素直に喜んでいます。
「ボタンにも声をかけたがもう来てくれてな」
「嬉しいんですね」
「願ったり適ったりじゃ」
 王子にも答えます。
「まことにな」
「そうですね」
「では今からパーティーの準備をするが」
 さらに言う王様でした。
「もうかなり進んでいて後はお客さんが来るだけじゃ」
「招待した皆が」
「それだけじゃ」
「そうなんですね」
「だから待つ間はな」
 それまではというのです。
「皆で遊ぼうか」
「そうしますか」
「そして何をして遊ぶかじゃが」
 王様はこのことについても考えました。
「どうしようかのう」
「ダンスゲームはどう?」
 ボタンが何となく言ってきました。
「それはどう?」
「ダンスゲームか」
「うん、それを皆でしてね」
 そうしてというのです。
「遊ばない?」
「ふむ、あれも面白いしのう」
「しかも王様ダンス好きだよね」
「音楽もな」
 ボタンに笑顔で答えます。
「大好きじゃ」
「だったらね」
「それならか」
「今から踊って」
 そうしてというのです。
「楽しもう」
「皆でじゃな」
「そうしよう」
「それはいいことだ、あのゲームは身体も動かすしいい気分転換にもなって」
 教授はボタンのお話に興味深そうなお顔になって述べました。
「学問も進む」
「学問で頭が疲れるとだね」
「その時はだね」
「寝るか身体を動かすか」
 モジャボロと弟さんに答えます。
「そうしてだよ」
「気分転換をして」
「頭をすっきりさせて」
「そしてあらためて学ぶと」
 そうすればというのです。
「学問が進むからな」
「だからだね」
「ダンスゲームもいいね」
「本を読む合間に」
 そうして学問をしてというのです。
「そうしよう、ではね」
「皆でダンスゲームをするんだね」
「そうするんだね」
「うん、そうしよう」 
 こうして教授もでした。
 皆と一緒に楽しく遊びました、順番でダンスゲームをして勝負もしてとても楽しく遊びました。するとです。
 リンキティンク王が一番でした、それでジョージ達五人は王様に言いました。
「凄かったです」
「もうダントツだったじゃないですか」
「右に左に上下に跳ねて」
「リズム感もあって」
「センスが違いますね」
「ほっほっほ、わしはいつも歌って踊っておるからのう」
 王様は五人に笑顔で答えました。
「だからじゃ」
「いつもしているからですか」
「だからお上手なんですね」
「それもずっと出来るんですね」
「体力もあって」
「それでなんですね」
「左様、ダンスをしていると上手になってじゃ」
 ダンス自体がというのです。
「体力もつく」
「そういうことですね」
「だから動けるんですね」
「それもずっと」
「体力も備わるから」
「それで、ですね」
「そうじゃ、そしてダンスの後はじゃ」
 その後はといいますと。
「食事が最高じゃ」
「そうなんですよね」
 王子が笑顔で応えました。
「身体を思いきり動かすので」
「そうじゃな」
「しかも王様は何時間もダンスをしますから」
「毎日な」
「他にもあれこれと遊んで身体を動かすので」
「もういつも腹ペコでじゃ」
 そうなっていてというのです。
「食べて飲んでもじゃ」
「楽しめますね」
「うむ、それで昨日の夜はハンバーグを食べた」 
 こちらをというのです。
「そしてそれがじゃ」
「美味しかったですね」
「うむ」
 実際にというのです。
「最高じゃった、他にはクリームシチューとジャーマンポテトもあったが」
「そちらもですね」
「とても美味しかったぞ」
 そうだったというのです。
「実にな」
「それは何よりですね」
「ハンバーグは元々好物じゃが」
 そうであるけれど、というのです。
「身体を動かした後はな」
「尚更ですね」
「美味い、だからな」
「今日もですね」
「最高に美味い食事をな」
「いただきますね」
「そうする」
 こう言うのでした。
「それも皆でな」
「皆ですね」
「そうじゃ」 
 こう言うのでした。
「食べるのじゃ」
「皆で飲んで食べると」
「尚更美味いからのう」
「だからですね」
「食うぞ」
 笑顔での言葉でした。
「この王宮で、しかもじゃ」
「しかも?」
「今夜は何と河豚鍋じゃ」
「河豚鍋ですか」
「そうじゃ、あの最高に美味いお魚をじゃ」
 その河豚をというのです。
「楽しくじゃ」
「皆で、ですね」
「食べるのじゃ」 
「王様河豚好きなのね」 
 王女にもこのことがわかりました。
「そうなのね」
「大好物の一つじゃ」
「やっぱりそうよね」
「だからな」 
 それでというのです。
「今日皆で食べると思うとな」
「そのこともなのね」
「嬉しくて仕方ないのじゃ」
「そうなのね」
「だからな」 
 それでというのです。
「今からこうしてじゃ」
「跳んで跳ねているのね」
「そうじゃ」
 実際にまたそうしています、もうゴムまりみたいにそうなっています。
「この通りな」
「そうなのね」
「だからじゃ」
 それでというのです。
「皆で河豚を食おうぞ」
「そうしましょうね、ただ私は河豚は」
 このお魚はとです、王女は言いました。
「淡水のものは食べても」
「海の幸のものはじゃな」
「何しろ私の国は内陸にあるから」
「海から遠いからじゃな」
「長い間ずっと食べられなかったの」
「旅行にでも行かんと」
「ええ、今は冷凍技術があってすぐに届く様になったから」
 技術の進歩でそうなってというのです。
「海にいる河豚もね」
「食えるか」
「そうなったわ」
「オズの国も進歩しておるからのう」
「外の世界もそうで」
 そしてというのです。
「そのうえでね」
「王女もじゃな」
「今では海の河豚をね」
 それをというのです。
「食べられる様になっているわ」
「それは何よりじゃ」
「そもそも河豚自体食べなかったわ」
「そうであるな」
「最近になるまでね」
「河豚鍋は日本の料理じゃが」
「和食なんて昔はオズの国になかったから」
 だからだというのです。
「どうしてもね」
「河豚自体をのう」
「食べなかったわ」
「そうであったな」
「そこも変わったわね」
「うむ、しかし食うとじゃ」
 その河豚をというのです。
「これがじゃ」
「美味しいのよね」
「あんな美味い魚もそうはない」
「本当にね」
「河豚は外の世界じゃ毒がありますけれど」
 ここでこう言ったのはジョージでした。
「けれど」
「オズの国では違ってな」
「それで、ですか」
「安心して食える」
「そうなんですね」
「だからな」
 それでというのです。
「皆もじゃ」
「安心して食べられますね」
「そうじゃよ。オズの国で毒のある食べものはない」
「何か外じゃ毒のある茸があるんだって?」
 ボタンが言ってきました。
「そうなんだって?」
「うん、そうだよ」
 ジョージはボタンに答えました。
「そうした茸もあるよ」
「そうなんだね」
「それで食べると大変なことにもなるんだ」
「僕には想像も出来ないよ」
 ボタンはぼんやりとした中に考えるものがあるお顔になって応えました。
「そんなことは」
「ボタンはオズの国にいるから」
「だからだね」
「オズの国の常識の中にいるから」
「外の世界のことはだね」
「知らなくてね」 
 どれでもというのです。
「当然なんだよ」
「そうなんだね」
「けれどオズの国では」
 ここではというのです。
「毒茸はないんだね」
「僕茸も大好きだけれどね」
「それはいいことだね」
「うん、ただどの茸がどういった種類かはね」
 このことはというのです。
「よく知らないよ」
「そうなんだ」
「僕はね」
「いや、茸も実に多くの種類があるんだよ」
 ここで教授が学者として言ってきました。
「実にね」
「そうなんだ」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「それを覚えることも大事だよ」
「そうなんだ」
「食べるだけでなく」
「どんな茸があるかなんだ」
「そしてどの茸がどんな味か」
 このこともというのです。
「どう料理したらいいのか」
「そうしたことをなんだ」
「全部知ることも」
 このこともというのです。
「面白いよ」
「面白いんだ」
「それも学問だからね」
 それ故にというのです。
「面白いよ」
「そうなんだね」
「そう、そしてね」
「そして?」
「これは河豚もだよ」
 今日皆で食べるこのお魚もというのです。
「どんな種類がいてどんな味か」
「そしてどうお料理したら美味しいか」
「そうしたことを調べて」  
 そうしてというのです。
「知ることもだよ」
「学問でなんだ」
「面白いことなんだよ」
「そうなんだ」
「だからね」
 それでというのです。
「どんどん学ぶべきだよ」
「僕お勉強は苦手だけれど」
「勉強ではないよ」
 教授はボタンにあらためて答えました。
「勉強は学校の授業だね」
「そうだね」
「そもそもボタンは学校に通っていないけれど」
「だって寝ているうちにいつも何処かに行くから」
 ボタンは自分のことからお話します。
「学校も行かないしお家もね」
「ないね」
「だからね」
 それでというのです。
「お勉強もね」
「苦手だね」
「それをすることは考えていないよ」
 そうだというのです。
「いつも起きた時に出た場所を巡っているよ」
「そうだね、しかし学問は違うのだよ」
「お勉強とは?」
「学問は興味を持ったものについて調べて知っていく」
「そうしたものなんだ」
「自分からね」
「だからお勉強とは違うんだ」
 ボタンは教授に応えました。
「そうなんだ」
「そうだよ、だからボタンを興味を持ったら」
 その時はというのです。
「学べばいいよ」
「河豚について」
「その他のことについてもだよ」
「そうしたらいいんだ」
「そうだよ」
 こう言ってでした。
 皆はリンキティンク王と一緒に河豚鍋も楽しみました、そうしてパーティーが開かれる日を待つのでした。








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