『オズのエマおばさん』




               第二幕  一緒に行く人達は

 エマおばさんとヘンリーおじさんに今度は山の幸を楽しんでもらおうと決めたドロシー達でした、そうしたお話をした次の日の翌日の朝です。  
 朝ご飯を食べ終えたドロシー達のところにかかしと樵それにかぼちゃ頭のジャックとつぎはぎ娘がやって来ました。
「皆お疲れ様」
「うん、無事にマンチキンの大学のことは終わったよ」
「つつがなくね」
 オズマにかかしと樵が答えました。
「もう大丈夫だよ」
「万事解決したよ」
「それは何よりね、じゃあ後はね」
「僕達はウィンキーに帰ってね」
「あちらの政治にかかるよ」
「宜しくね」
 オズマは二人ににこりと笑って応えました、そして今度はジャックに声をかけました。
「貴方もね」
「いやいや、僕は何もしていないからね」
「いいの?」
「うん、全部かかしさんと樵さん達がやってくれたから」
 それでというのです。
「褒められることはしていないよ」
「何言ってるの、貴方も活躍したって聞いてるわ」
 オズマはジャックにもにこりと笑って言うのでした。
「活躍は讃えられるべきだから」
「僕にもそう言ってくれるんだ」
「かかしさん樵さんと同じだけね」
 それだけというのです。
「よくやってくれたわ、お疲れ様」
「有り難うね」
「勿論貴女もよ」
 つぎはぎ娘にも声をかけました。
「よくやってくれたわね」
「あたしもそう言ってもらったら嬉しいわ」
 つぎはぎ娘はぴょんぴょんと跳ねて応えました。
「本当にね」
「そうでしょ、貴女のことも聞いているから」
「活躍したって」
「大学のことでね」
「そう言ってくれるのね」
「そうよ、お疲れ様」
「まああたし達の身体は疲れないけれどね」
 このことを嗤って言うつぎはぎ娘でした。
「それでもなのね」
「言わせてもらうわ」
「そういうことね」
「あら、賑やかになってるわね」
「そうね」 
 今度はエリカとガラスの猫が来て言ってきました。
「ビリーナの国に行って色々政治のお話をして帰ったら」
「そうしたらね」
「随分と楽しそうね」
「そうなっているわね」
「そうだね」
 臆病ライオンも来て言ってきました。
「僕達もエリカ達と一緒にビリーナの国に行っていたけれど」
「何時の間にかね」
「カルロス達もいるし」
「かかし君や樵君達もいてね」
「どういうーーことーーでしょうーーか」
 チクタクも出てきました。
「少しーームシノスケ教授のーーところーーにーー行ってましたが」
「ほう、これは興味深い」  
 そのムシノスケ教授も登場しました。
「オズの国の名士の多くが勢揃いじゃないか」
「そうよね」
 ビリーナもひょっこりお顔を出しました。
「これから何か起こりそうね」
「君の勘がそう言わせるんだね」
「ええ、何か楽しいことがね」
「実はこれからね」
 ドロシーが皆にお話しました。
「私のおばさんとおじさんを今度はカドリングの山の麓の街に案内してね」
「そこでなのね」
「山の幸を楽しんでもらおうってね」
 ビリーナに答えました。
「考えていてね」
「それでなのね」
「今そのお話をしているの」
「それだと誰が一緒に行くのかしら」
 エリカはドロシーに言ってきました。
「その街に」
「勿論私とトトはね」
 ドロシーはビリーナにすぐに答えました。
「欠かせないわ」
「そうよね、あのお二人の案内なら」
「家族の私達はね」
「そうよね」
「食べに行くのなら食べる必要のない人は行くことはないわね」
 ガラスの猫はすぐにこう考えました。
「食べることを楽しんだし」
「だから貴女はなの」
「行かないわ」
 ドロシーに一言で答えました。
「宮殿で遊んでいるわ」
「そうするのね」
「次に他の国に行くまでね」
「まあね、僕もいいかな」
 かかしも言いました。
「食べる必要がないんだしね」
「それに僕達はウィンキーでやることがあるしね」
 樵はこう言いました。
「政治でね」
「そうだよね」
「だから僕達は今回はね」
「ドロシーには同行出来ないね」
「残念だけれど」
「僕もなんだよね」 
 ジャックも言ってきました。
「かかしさん樵さんと一緒にウィンキーの政治にあたらないといけないんだよね」
「あたしはリンキティンク王の国に行かないとね」 
「私とーー一緒にーーですーーね」
「外交でね」
「そうーーですーーね」
「まあ食べる必要のない人はそういうことで」
 それでというのです。
「皆不参加ね」
「今回のーードロシさんのーーことにーーは」
「また今度の機会ね」
「私はキャプテンさんとオーク牧場の視察に行くし」
 トロットも言っていきました。
「申し訳ないけれど」
「今回はね」
 キャプテンも言います。
「そういうことでね」
「私もそちらに行くわ」 
 エリカもでした。
「今回はトロット達と一緒よ」
「私もハンクとお空の国々に行くし」
「これからね」
 ハンクも言うのでした。
「そうなんだよね」
「私が動かす飛行船に乗ってね」
 魔法使いも言うのでした。
「そうするね」
「ええ、私達は」
 ベッツイは魔法使いにも応えました。
「そうするのよね」
「これからね」
「私は都に残らないといけないわ」
 オズマ言ってきました。
「今回はね」
「そうよね、貴女は」
「政治があるから」
「オズの国全体のね」
「ジュリアのお手伝いを受けて」 
 そうしてというのです。
「やっていくわ」
「そうなるわね」
「だからね」
「今回は」
「貴女達で行ってね」
「僕が行くよ」 
 モジャボロがドロシーに笑顔で申し出ました。
「今回はね」
「貴方がなのね」
「弟がもうすぐギリキンから帰って来るから」
 それでというのです。
「それならね」
「弟さんと一緒にね」
「それでいいかな」
「宜しくね」
 ドロシーはにこりと笑って応えました。
「この度は」
「それではね」
「私もいいかな」
 ムシノスケ教授も申し出てきました。
「実は今大学は休暇中でね」
「貴方も時間があるのね」
「それでフィールドワークをしようと考えていてね」
「それであのね」
「山の麓の街に行ってね」
 そうしてというのです。
「学ばせてもらうよ」
「そうしたいのね」
「うん」
 まさにというのです。
「そう考えているよ」
「それじゃあ宜しくね」
「僕はドロシーの友人として行きたいよ」
 臆病ライオンはこう言うのでした。
「それならね」
「貴方も来てくれるの」
「駄目かな」
「そんな筈ないでしょ」
 ドロシーはにこりと笑って応えました。
「誰でも大歓迎だけれど特にね」
「僕はなんだ」
「貴方とかかしさん、樵さんはね」
「ドロシーが最初にオズの国に来た時からのお友達だからだっていうんだね」
「貴方達三人とオズマと」
 そのオズマも見てお話するのでした。
「トトにおばさん、おじさんはね」
「特別だね」
「そうした人達だから」 
 だからだというのです。
「本当にね」
「いいんだね」
「ええ、一緒に行きましょう」
「それじゃあね」
「僕もいいかな」
 腹ペコタイガーも申し出てきました。
「よかったら」
「貴方もなのね」
「いやあ、美味しいもの一杯食べられるんだね」
 食いしん坊の腹ペコタイガーは今から舌なめずりをして言うのでした。
「それじゃあね」
「是非なのね」
「食べたいよ」
 こう言うのでした。
「山や平野の幸をね」
「それではね」
「僕もいいんだね」
「ええ、宜しくね」
 こうして腹ペコタイガーもご一緒することになりました、そしてトトもドロシーに言ってきたのでした。
「それで僕もだね」
「貴方はいつも私と一緒でしょ」
「それならだね」
「今回もね」
「うん、一緒に行こうね」
「そして楽しみましょう」
「そうしようね」
 トトは笑顔で応えました。
「いつも通りね」
「そうしましょう、そして」
 今度はドロシーからでした、カルロス達に声をかけました。
「貴方達もどうかしら」
「あっ、いいんですか」
「僕達もご一緒させてもらって」
「そうさせてもらってもいいんですね」
「今回の旅にも同行させてもらって」
「そうさせてもらってよ」
「貴方達がよかったらね」
 それならというのです。
「是非ね」
「そんなの決まってるじゃないですか」  
 カルロスは目をキラキラとさせてドロシーに答えました。
「宜しくお願いします」
「ご一緒させて下さい」
 ジョージも言います。
「今回の旅も」
「カドリングのその街に連れて行って下さい」 
 神宝もドロシーにお願いしました。
「皆で楽しみましょう」
「オズの国の旅は本当に楽しいですから」
 恵梨香は今からうきうきとしています。
「期待しています」
「誘ってくれて有り難うございます」
 ナターシャも普段のクールさよりも期待を出しています。
「そしてそのお誘い受けさせて頂きます」
「では五人共宜しくね。じゃあ皆でまずはお二人のお家に行って」
 エマおばさんとヘンリーおじさんのというのです。
「そうしてね」
「そのうえで、ですね」
「楽しみますね」
「今回の旅行を」
「そしてオズの国の山の幸を」
「そうしますね」
「そうしましょう」 
 満面の笑顔で言うのでした、そしてです。
 今回の旅の参加者が決まりました、それでドロシーはおばさんとおじさんに前以て連絡することにしましたが。
 連絡するとです、おばさんは言いました。
「あら、今度はなの」
「ええ、カドリングの山の麓の村に行ってね」 
 ドロシーはスマートフォンでおばさんにお話しました。
「皆で美味しいものを楽しみましょう」
「この前漁港に行って楽しんだのに」
「あの時はおじさんが主だったでしょ」
「それで今度は私なの」
「今回も二人一緒だけれどね」
 それでもというのです。
「そうしましょう、それに海の幸の次はね」
「山の幸ね」
「そうなるのが筋だから」
 だからだというのです。
「それでよ」
「また行くのね」
「どうかしら」
「そんなにいいおもてなしさせてもらっていいのかしら」
「いいのよ」
 ドロシーはスマートフォンの向こうのおばさんに笑って応えました。
「遠慮は無用よ」
「オズの国ではそうよね」
「それに私がそうしたいんだから」
「私達になのね」
「楽しんでもらいたいから」
 だからだというのです。
「本当にね」
「いいのね」
「遠慮しないで」 
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「楽しめばいいのね」
「山の幸をね」
「そうなのね」
「それでまたそちらにお伺いさせてもらうから」
 二人のお家にというのです。
「いいかしら」
「ええ」
 おばさんは優しい声で言葉を返しました。
「それじゃあね」
「宜しくね、それとね」
「それと?」
「もう一つあるわ」
「もう一つ?」
「またそちらに行けばご馳走するわね」 
 こう言うのでした。
「前と一緒でね」
「前はお寿司だったわね」
「それで今度もね」
「美味しいものを食べさせてくれるのね」
「そうしてね」
 そのうえでというのです。
「旅をはじめましょう」
「前の時と同じで」
「ええ、それでいいわね」
「あんたに任せるわ」
 これがおばさんの返事でした。
「そのことはね」
「そうしてくれるのね」
「ええ」
 是非にというのでした。
「私もあの人もね」
「それじゃあね」
「そしてね」
 おばさんはさらに言うのでした。
「そう言ってくれるならね」
「それならなの」
「楽しみにしているわ」
「受けてくれるのね」
「だから遠慮は無用でしょ」
 だからだというのです。
「そうでしょ」
「ここはオズの国だから」
「お互いにね」
「遠慮し合わずに」
「助け合って」
 そうしてというのです。
「やっていくのがよ」
「オズの国だったわね」
「だからね」
 それでというのです。
「おばさんもおじさんもよ」
「遠慮しないで」
「私達の好意受けてね」
「それならね」
 おばさんはドロシーの言葉を受けてこう返しました。
「あんたも遠慮したら駄目ね」
「あっ、そうね」
 言われてです、ドロシーははっとなって頷きました。
「おばさんとおじさんが遠慮したら駄目なら」
「あんたもでしょ」
「そうよね」 
 言われて頷くのでした。
「そうなるわね」
「そうよね」
「それじゃあ」
「そうよ、あんた達がお家に来たら」
 その時はというのです。
「私達もね」
「おもてなししてくれるの」
「前はお寿司出してくれたでしょ」
「ええ、凄く美味しかったでしょ」
「驚く位にね」
「だったらね」
 それならというのです。
「今度はね」
「おばさんとおじさんがなのね」
「あんな美味しいもの出せないかも知れないけれど」 
 それでもというのです。
「私達だってね」
「おもてなししてくれるのね」
「そうさせてもらうから」
 それでというのです。
「楽しみにしておいてくれるかしら」
「わかったわ」
 ドロシーはおばさんに笑顔で答えました。
「それじゃあね」
「ええ、またね」
「待っているわね」
「詳しい日時が決まったらまた連絡するわね」
 ドロシーはおばさんににこりと笑ってこう言ってでした。
 スマートフォンを切りました、そうしてから皆に対してとても明るい表情でおばさんとのやり取りのことをお話しました。
 するとです、トトが最初に言いました。
「楽しみだね」
「そうよね、お二人がどんなおもてなししてくれるか」
「そうだよね」
「農家だからね」
「きっと農作物を使ったね」
「素敵なおもてなしよ」
「そうなるね」
「それが楽しみよ」
「さて、どんなのかな」
 モジャボロも楽しみにしている感じです。
「今からうきうきしているよ、僕は」
「全くだよ、お二人のおもてなしがどんなものか」
 教授も言います。
「期待で胸が一杯だよ」
「いい学問にもなるかな」
「実はあの村の文化も独特なんだよ」
 教授はモジャボロに左手の人差し指を立ててお話します。
「これが」
「そうなんだね」
「だからだよ」
 その為にというのです。
「私はあの村に行くことも楽しみだよ」
「それぞれの村にも文化があるね」
「うん、それを学ぶのもだよ」
「楽しいんだね」
「そう、しかもお二人はドロシー王女のご家族で」
 教授はお二人のこともお話しました。
「そしてだよ」
「それに加えてだね」
「極めて好人物だから」
 それ故にというのです。
「そのお二方とお会いして」
「おもてなしを受けることは」
「どれだけ素晴らしいことか」
「僕の弟も一緒だし」
「皆で期待して」
「そして楽しませてもらおうね」
「是非共」
 本当に楽しそうに言う教授でした。
「そうさせてもらおう」
「それではね」
「そういえば僕達はあまりお二人とお話したことがないね」
 臆病ライオンはこのことに気付きました。
「オズの国の色々な人とお友達だけれど」
「そうだね」
 腹ペコタイガーは臆病ライオンの言葉に頷きました。
「ドロシーの大切なご家族なのに」
「宮殿におられないこともあるけれど」
「それでもだよね」
「お二人とはね」
「あまりお話したことがないし」
「前にご一緒させてもらった時みたいに」
「今回もね」
 まさにというのでした。
「ご一緒させてもらって」
「楽しくお話してね」
「美味しいものも食べて」
「親睦を深めよう」
「それじゃあね」
 こうお話するのでした、そしてです。
 ここで、です。カルロスも言いました。
「エマさんとヘンリーさんのおもてなしねえ」
「どういったものかしら」
 恵梨香は考えるお顔で言いました。
「一体」
「気になるわね」
 ナターシャも言います。
「今のオズの国の農家のものだと思うけれど」
「今のアメリカの農家さんみたいな感じかな」
 こう考えたのはジョージでした。
「オズの国はアメリカの影響受けるし」
「実際前に行った時はそんな感じだったしね」
 神宝もそれならと言います。
「そうなるかな」
「どうだろうね。まあ行ってからのお楽しみかな」
 カルロスはこう考えました。
「ここは」
「いや、今どんなものか考えるべきよ」
「その方がいいわよ」
「事前に考えてるとその時に心構え出来るし」
「出たとこ勝負よりいいよ」
「そうかな、僕は基本なる様になるだからね」
 カルロスは四人に応えて言いました。
「こう言うけれど」
「それがなのよ」
「ちょっとね」
「よくない時もあるから」
「多少は考えていこうね」
「前以てだね、じゃあ今回は」
 カルロスは皆の考えを受けて言いました。
「真剣に考えてみるね」
「そうしたらいいわ」
「どんなおもてなしをしてくれるのか」
「期待しながらね」
「そうしていこう」
「それじゃあね、オズの国は期待は裏切れない国だしね」
 だからともです、カルロスは言いました。
「それならね」
「考えていきましょうね」
「それも皆で」
「どんなおもてなしか」
「あれこれとね」
「そうしていこうね」
「それもまたよしよ」
 ドロシーも笑顔で言ってきました。
「あれこれ考えてよ」
「期待することもですね」
「ええ、本当にね」
 実際にというのです。
「いいことだから」
「それで、ですね」
「考えていきましょう」
「どんなおもてなしかを」
「是非ね。そうしながらね」
 ドロシーはさらに言いました。
「今は詳しい日時をね」
「何時お二人のお家に行くか」
 トトが応えました。
「そして山の麓の街に出発するか」
「そのことをね」
「決めていこうね」
「まず私はやることをやって」
 そうしてというのです。
「行かないとね」
「そうだよね、ドロシーはオズの国の王女でね」
「しかもオズの国の首相だから」
 その立場だからだというのです。
「何といってもね」
「政治のお仕事があって」
「今あるそれをやってね」
「留守の時の申し継ぎもしないとね」
「ジュリアがいてくれているから」
 だからだというのです。
「オズマとね」
「ジュリアにそうして」
「そのうえでよ」
「行こうね」
「そうしましょう」 
 こうトトに言うのです。
「いいわね」
「それじゃあね」
「そしてね」
 ドロシーはさらに言いました。
「そうしたことが一段落して」
「それからだね」
「出発することになるわ」
「そうだよね」
「だからね」
 そうした事情があるからだというのです。
「まずは今やるべきことをやって」
「そのうえでだね」
「だから今から全力で」
 トトに微笑んで言いました。
「お仕事しましょう」
「そうしてだね」
「おばさんとおじさんのお家に出発よ」
 こうお話してでした。
 ドロシーは早速自分のお仕事と申し継ぎにかかりました、カルロス達はオズの国の首相のお仕事ということなので長くかかるかと思いました。
 ですがその日の夕方晩ご飯前にモジャボロの弟さんが宮殿に戻ってきた丁度その頃にはもう、でした。
 終わってです、皆に笑顔で言いました。
「じゃあ旅行の準備もしましょう」
「えっ、もう終わったんですか」
「早いですね」
「その日のうちになんて」
「想像もしませんでした」
「凄いですね」
「ドロシーお仕事早いんだよ」
 トトが驚く五人にお話しました。
「実はね」
「そうなんだ」
「ドロシーさんお仕事早いんだ」
「そうだったのね」
「それで今日のうちになんだ」
「終わったのね」
「しかも正確だから」
 そのお仕事はというのです。
「尚更いいんだ」
「ドロシーはオズの国の首相だからね」
 モジャボロの弟さんが言ってきました。
「だからだよね」
「うん、オズマ姫を助けてオズの政治を行っているからね」
 モジャボロも言います。
「そのお仕事はね」
「驚く位早いよ」
「それでオズマ姫と一緒にお仕事したら」
「コンピューター並だね」
「全く以て凄いよ」
「僕達も驚く位だよ」
「信じられないです」
 カルロスはお二人のお話に目を丸くさせました、そのうえで言うのでした。
「ドロシーさんがそんなにお仕事凄いなんて」
「私達より少し年上なのに」
「それ位なのに」
「凄いですね」
「信じられないです」
 恵梨香達四人も驚いています、ですが。
 その五人にです、教授が言いました。
「オズの国ではお仕事も楽しんでするものだからだよ」
「楽しむものだからですか」
「早く進みますか」
「それも正確に」
「そうなるんですね」
「お仕事も」
「何でも楽しいものだったらはかどるよ」
 教授は微笑んでお話しました。
「そして正確にもなるよ」
「楽しむとやる気が出るからね」
 臆病ライオンもそれはと頷きました。
「そうなるからね」
「そうだね、僕達だってそうだしね」 
 腹ペコタイガーもそうだと言います。
「それならだね」
「楽しいのならね」
「お仕事も正確だね」
「そうなるね」
「そうだね」
 カルロスもここまで聞いて納得して頷きました。
「僕達だってそうだしね」
「そうよね、楽しいならね」
「やる気が出るよ」
「それでどんどんやっていって」
「早く正確になるわ」
 恵梨香達四人も入って五人でお話します。
「言われてみれば」
「僕達だって同じだよ」
「楽しかったらね」
「はかどって」
「出来るね」
「そうなの、私お仕事も凄く楽しく出来るから」
 それでと言うドロシーでした。
「皆が言うに早く正確に出来るの」
「そういうことですね」
「それでもう終わって」
「申し継ぎもしたんですね」
「それでこれからはですね」
「旅の準備ですね」
「着替えと食べものを出すテーブル掛けを持って」
 そうしてというのです。
「そのうえでね」
「出発ですね」
「お二人のお家に」
「そうしますね」
「準備が整ってから」
「そうしますね」
「それはもうすぐに出来るから」
 旅の準備はというのです。
「終わったら晩ご飯の時間だから」
「晩ご飯を食べたらお風呂だよ」
 臆病ライオンが言ってきました。
「その時間だよ」
「そして葉を磨いて寝ようね」
 腹ペコタイガーも言います。
「そうしようね」
「そして明日の朝出発よ」
 ドロシー本人も言います。
「いいわね」
「わかりました」
「じゃあそれでお願いします」
「明日の朝出発しましょう」
「それで今日はですね」
「これから晩ご飯ですね」
「皆で食べて」
 そうしてというのです。
「それで翌朝はそれぞれの行くべき場所に向かうのよ」
「今日の晩ご飯は皆のそれぞれの出発の前のお祝いになるね」
 トトも言います。
「そうなるね」
「そうね」 
 ドロシーも確かにと頷きました。
「言われてみれば」
「そうだよね」
「それがまたね」
「いいね」
「そうよね」
「それじゃあね」
「ええ、今晩はね」
 是非にというのでした。
「皆でね」
「それぞれの出発をね」
「お祝いしましょう」
「そうしようね」
 こうお話してでした。
 皆で晩ご飯となりましたがオズマのはからいでこれからそれぞれの場所に出発する皆のその出発をお祝いしてです。
 晩ご飯はとても豪華なものになりました、ビュッフェ方式で色々なご馳走が用意されています。それを目の前にしてです。
 ドロシーも皆もびっくりしました、それでオズマに言うのでした。
「ここまでしてくれるなんて」
「皆これから頑張るからね、そして一時のお別れとね」
 オズマは皆を代表して自分に言うドロシーににこりと笑って答えました。
「再会を約束するね」
「その為のご馳走なの」
「そうよ。だから遠慮なくね」
「食べていいのね」
「そうしてね」
 こう言うのでした。
「いいわね」
「それじゃあね」
「いや、凄いメニューね」
 トロットはそのメニューを見て驚いています。
「ローストビーフにチキングリルにね」
「お寿司に蒸し餃子に焼売があって」
 ベッツイも言います。
「お刺身もカルパッチョもあって」
「天婦羅にフライに唐揚げにね」
「ステーキもどんどん焼かれて」
「おうどんやラーメンやパスタもあるわ」
「八宝菜にサラダにボイルドベジタブルもあって」
「デザートも凄い種類があるわ」
「どれも好きなだけ食べていいわよ」
 オズマは二人にも言いました。
「飲みものも沢山あるからね」
「ジュースもお茶もあって」
「炭酸飲料だってあるし」
「お酒もあるわね」
「本当に色々あるわね」
「これは最高だよ」
 モジャボロもとても喜んでいます。
「何を食べていいか迷う位だよ」
「うん、ここまでだとね」
 弟さんも言います。
「そづあね」
「全くだね」
「いや、迷う必要はないよ」 
 教授はモジャボロと弟さんに笑ってお話しました。
「別にね」
「そうなのかい?」
「迷う必要はないんだ」
「何故ならそれぞれのテーブルに持って行けるお料理は一つじゃないんだよ」
 だからだというのです。
「それならだよ」
「ああ、それならね」
「迷うことはないね」
 お二人もそれならと頷きました。
「好きなお料理を自分のテーブルに持って行って」
「それで食べればいいね」
「好きなものを選んで」
「そうしてね」
「後はお腹と相談すればいいんだ」
 教授はこうも言いました。
「お腹一杯になるまでに何を食べるか」
「それは食べてからかな」
「決めることかな」
「そうだよ、だからね」
 それでというのです。
「迷うことなく」
「これはというものをどんどんテーブルに持って行く」
「それでいいね」
「そうだよ、では食べよう」
 こうしたお話をしてでした。
 皆それぞれ食べて飲みはじめます、かかしや樵達食べる必要のない面々はいつも通り雰囲気を楽しみます。
 そこにふと木挽きの馬が来て言ってきました。
「あれっ、今リンキティンク王の国から戻ってきたけれど」
「あら、お帰りなさい」 
 ドロシーはその木挽きの馬に自分の席に座って鴨の燻製を食べつつ応えました。
「今帰ってきたところね」
「うん、今日は一段と豪勢だね」
「皆明日それぞれの政治の場所に出発するから」
「その門出を祝ってなんだ」
「そうなの。私もおばさんとおじさんのところに行くの」
 木挽きに馬に自分のことをお話しました。
「カルロス達と一緒にね」
「そうするんだ」
 カルロスも木挽きの馬車に言います、五人共ドロシーと同じテーブルに着いています。
「明日からね」
「そうなんだ」
「それで君はどうなるのかな」
「ああ、僕は宮殿にいるよ」
 木挽きの馬はカルロスに答えました。
「そうするよ」
「特に予定ないんだ」
「だから宮殿で待機だね」
 そうなるというのだ。
「その間オズマ姫やボームさんと一緒にいるよ」
「そうするんだね」
「うん、そしてね」
 そうしてというのです。
「何かあればね」
「その場所に行くんだね」
「そうするよ」
「成程ね」
「君達に何かあったらね」
「その時はだね」
「すぐに駆け付けるから」 
 そうするからだというのです。
「安心してね」
「それじゃあね」
「そしてね」
 カルロスにさらに言いました。
「今は皆でだね」
「楽しく飲んで食べているよ」
「そうしているね」
「これがね」
 実にという口調で言うのでした。
「最高だよ」
「それは何よりだね」
「うん、それで君は」
「君達に何かあったらだよ」
 カルロスにあらためてお話しました。
「駆けつけるからね」
「その時は宜しくね」
「うん、それじゃあね」
「また行って来るよ」
「それじゃあね」
「皆のことは宮殿から見守っているわね」
 オズマがにこりとしてお話しました。
「そうするわね」
「宮殿の鏡も使って」
「そう、そしてね」
 ドロシーにもその笑顔で答えました。
「毎日皆の様子を確認してスマートフォンでもね」
「連絡し合うわね」
「ええ、そして何かあれば」
 その時はというのです。
「木挽きの馬もいてくれているし」
「宮殿から助けてくれるわね」
「そうするわね、そしてね」
 そのうえでというのです。
「皆が帰ってきたら」
「その時はよね」
「旅のお話聞かせてね」
「そうするわね」
「僕達もね」
 かかしも言ってきました。
「お仕事が一段落ついたら」
「またここに来るね」
 樵も続きました。
「都にね」
「そうするからね」
「ここに来るお仕事もあるし」
「そうしてくるね」
「待っているわね」
 オズマは二人にも笑顔で応えました。
「貴方達も」
「うん、それじゃあね」
「そうしていてね」
「皆のお話を待っているわね」
 こう言ってでした。
 皆で晩ご飯を楽しみました、その後はお風呂に入ってぐっすりと寝ました。翌朝朝ご飯を食べると皆それぞれの場所に出発しました。再会を約束して。








▲頂きものの部屋へ

▲SSのトップへ



▲Home          ▲戻る