『ルサールカ』
序曲
人と妖精は交わってはならないとされている。これはどの国でもよく言われている。
だがこれは正しいのだろうか。果たして人と妖精の間には何もあってはならないのか。それは誰が決めたのか。
あの傲慢で底意地の悪い何者かが決めたのだろうか。それとも無慈悲なこの世の摂理が。そう定めたのか。
だが決められたことも摂理も。破れるものがこの世にあるとすれば。それは愛しかない。
愛だけが破れるのならば。人と妖精の間にもそれがあっていい筈だ。
そんなことは世迷言だ、と一喝されてもそれを信じたい者がいる。これはそんな話だ。
チェコの深い森の中にある静かな湖での話。それがこの話だ。
水の精ルサールカと人の。決められた運命をも破ったそんな話である。
今回のお話は妖精と人との物語みたいだな。
美姫 「うーん、どんな結末になるのかしら」
それでは、楽しみにしてます。