その光景を、追いかけることもできず、ただ見ていた。

 

 話の途中でいきなり立ち上がってなにかと思えば、たいやき屋さんの近くにいた二人に話しかけていた。(実際話していたのはその片方の人だけみたいやったけど)

 そして話が済んだのか、その二人――栗色の髪の女性と銀髪の女性が足早に臨海公園を出て行くのを見送る。(その銀髪の女性の方はどこかで見覚えがあるような気がするけど、会ったことはない……と思う)

 

 ともかく、その人たちと神雷さんが話をするのを、さっきまで神雷さんと話していた場所から見ていた。

 そしてそれを神雷さんも感じたのだろう。緊張を解くように大きく息を吐いたのが見えた。それからすぐに踵を返してこっちに戻ってくる。

 その姿にちょっとだけ、不安と恐怖を覚えた。

 この場所まで聞こえてきた会話の内容は断片的だったけど、それでも決して穏やかではない内容で、しかもバチバチと電気みたいなものも見えてたし。(みたいな、というのは黒と銀という初めて見る色だったから)

 けれど神雷さんはそんなこと知る由もなく、さっきベンチに置いてったカップ酒を取り、残っていた中身を一気に飲み干して、空になったコップをちょっと離れたゴミ箱に放り投げた。そのコップはゴミ箱のふちでバウンドして中に落ちる。

 

「さて……」

 

 そう呟いてからしっかりとわたしを見据えて、

 

「八神はやて、といったか」

「は、はい!」

 

 緊張から裏返りそうな声で過剰な反応をしてしまった。

 だけど、やっぱりこの人はそんなこと気にしない。

 

「今、不破恭也がどこにいるか、分かるか?」

 

 

 

 

 

 

      第11話  「開眼」

 

 

 

 

 

 

  1月27日 (金) PM 4:23

 

 今日も学校が終わって、翠屋のテラスでいつものようにみんなで話しこんでいた。

 ……なんだか最近、しょっちゅう寄り道している気がする。なのははこのお店で家の人と待ち合わせして一緒に帰る、ということだし、わたしもなのはの家の近くだから一緒に送ってもらうという建前があるけど、でも小学生が学校の帰りに喫茶店に寄るなんて普通なのかな?

 周りを見れば高校生以上の歳の人たちだらけの中で、そんなことを思った。

 

 その折、なのはがふと時計を見て、

 

「でもはやてちゃん、どうしたのかな、いきなり……?」

 

 なのはの疑問は、この場にいる全員の疑問でもある。学校が終わって帰り道の途中で、いきなりはやてからなのはに連絡があった。

 

――今、恭也さんがどこにおるか分かる?

 

 なんで、恭也さんなんだろう?

 そんな疑問を持ちながらも質問の答えになのはは、恭也さんは今日は午後からは翠屋のお手伝い、と答えてた。

 

「本当よね。この前はあの人に一目惚れしたとか言って、それで今日は恭也さんに用事って……どういうつもりかしら」

「アリサちゃん、その言い方はちょっと……」

 

 アリサとすずかは、今日はバイオリンのお稽古があるからあまり長くいられないらしいけど、はやての用事が気になるということで時間がくるまでいるらしい。

 それから数分、待ち人の来訪には一番最初にすずかが気づいた。

 

「あ、来た。はやてちゃ……ん?」

 

 すずかの声は、最後は戸惑ったように消えた。なんだろうと思い、その視線の方を振り返って――

 

 ……え?

 

 はやてがいた。

 その後ろにははやての座る車椅子を押すシグナムがいた。

 そしてその二人の隣に……

 

「みんなも来とったんか」

 

 朗らかにはやてが声を掛けてくるが、今見た光景の衝撃が大き過ぎて、呆気に取られて答えが返せない。

 

「……? みんな、どないしたん? わたしの顔になんか付いとる?」

 

 そうじゃないよ。そうじゃなくて……

 

「はやてちゃん、今日はどうしたの? お兄ちゃんになにか用事?」

 

 ……なのは、なんでそんなに自然なの?

 

「ああ、ちゃうちゃう。わたしやなくて、神雷さんが用があるらしくてな」

 

 はやてはそう答えてなにか――たぶん神雷さんを探すように周りを見回す。でも――

 

「あの人なら店の中に入ってったわよ」

 

 アリサもそれに気づいたのか、それを指摘する。

 

「そうなん?」

 

 いつの間に、と呟く様子からして本当に気づかなかったみたいだ。

 けれど、それよりも気になるのは――

 

「それにしても驚いたわよ。この前会ったときにあの人に一目惚れしたとか言って、それで今日は一緒に来るんだもの」

「へ?」なぜか不思議そうな顔をして「一緒におったの?」

 

 なにを言ってるんだろう? けれど、その隣ではシグナムも同じように驚いている。なのはとすずかはその二人の認識の違いに戸惑ってるように周囲の顔を見比べて――

 なんだろう、なんだか話が食い違ってる……?

 それに気づいたのか、躊躇いがちに、アリサがこの場の全員に問い掛けた。

 

「……さっき、あの人が見えてた人」

 

 そして、挙がった手は三つ。

 わたしと、アリサと、すずか。

 ……どういう共通点があるんだろう? 少なくともなのはたちが手を挙げていないから、魔法関係じゃない。……前にあの人が言っていた『異界』が関係してるのかな? 一度説明してもらった内容はさっぱり分からなかったんだけど。

 他のみんなもその理由について考えてるみたいだけど、これと納得できる答えは考えつかないみたいだ。

 

「……まぁ、そのことはいいわ。あの人がここに来た理由も……一応、納得しておきましょう。それで、なんではやてがあの人と一緒にいたわけ?」

「散歩の途中で会ったんよ。ちょっと遠出して臨海公園まで行ったらそこでばったり」

 

 臨海公園といえば、あの夜わたしが神雷さんと話した場所だ。今日もそこにいたということは、そこがあの人の行動の中心点なのかな?

 

「へぇ……。運がよかったってこと?」

「そやろぉ? これはもう運命的っちゅうか、そんな感じか?」

 

 頬を押さえてそう言うはやての姿は可愛いんだけど――

 

 ――チリッ……

 

 ……? なんだろう、今なにか……

 

「……まぁ、今日のとこは偶然会っただけやけどな」

 

 いきなり素に戻られて、ちょっとその変化に戸惑う。その戸惑いで今感じたなにかがなんなのか分かんなくなったし……

 

「それで、なんであの人――」

「しっ!」

 

 急に、すずかの言葉をアリサが止めた。

 

 それとほとんど同時に、キィ、っとお店のドアが内側から開けられて、二人の男の人が出てきた。

 その二人は、神雷さんと恭也さん。

 恭也さんはわたしたちに気づいたのか一度だけ目礼をして、そしてその隣の神雷さんはわたしたちに気づいていないはずがないのに無視して、二人でどこかへ行ってしまった。

 

 その背中を見送って、声が届かないと判断したのかアリサがすずかを押しとめていた手を下ろして、

 

「……それで、なんであの人が恭也さんに用があったの?」

「それはわたしもよう分からんのよ。さっき臨海公園で会って、そんで『ムジン』っていう人とちょっと話して、そのあとでいきなり訊かれたんよ。恭也さんがどこにおるかって」

 

 無刃……? 確かそれって……さざなみ寮で志乃さんが名乗っていた名前だったような……。

 そしてそれに思い至ったのはわたしだけじゃないらしい。

 

「それって志乃さんだよね? やっぱり神雷さんと戦う気なのかなぁ……」

「へ? なのはちゃんたち、会ったことあるん?」

 

 はやての疑問に、顔を見合わせてから四人でいっせいに首を縦に振った。

 その動きに気圧されたようにはやては顔を少し引きつらせながら、いつ? と訊いてきて、アリサが答える。

 

「この前の日曜日。だから、はやてがあの人に会ってた頃ね」

「ああ、あんときか。……あれ? その日はあすかちゃんに会いに行っとったんやないの?」

「そうよ。それで、あすかが退院してしばらくお世話になる寮に志乃さんも住んでたのよ」

 

 「なるほどなぁ」と、納得するはやて。

 でも、わたしはまだ疑問が晴れていない。だから、はやてに今一番気になっていることを訊いた。

 

「それで、神雷さんと志乃さんはなにを話してたの?」

「へ? ……う〜〜ん、話の中身はちょっと分からんかったけど……確か今夜その無刃っていう人と戦うとかなんとか――」

 

 

「ほう?」

 

 

 この場の、誰のものでもない声。

 それになにか反応を返すより早くその人物ははやての両肩を後ろからパン! と勢いよく叩いて、

 

「その話、詳しく聞かせてもらおうか」

 

 

 

      *   *   *

 

「ここです」

 

 そう簡単に紹介する店は、高町家御用達の刀剣取扱店、井関。

 

 その店の前で、隣にいるここまで案内した人物――神雷さんは一度頷き、店に入ろうとして、いきなり行き詰った。本人曰く、『心眼では物の形は分かっても構造までは視えない』ということ。例えばドアなら、押すのか引くのか、それとも横にずらすのか。前に家の道場に入るときにもたついてたのはそういう理由だったらしい。

 その様子に呆れるような苦笑するような、そんな複雑な気分で横から手を出し戸を開けた。

 その開けた隙間から神雷さんは店の中に入って行き、その後に続いて入りながら、今日この店に来ることになった経緯を思い出す。

 

 とはいっても、なんのことはない。この人が翠屋までやって来て案内を頼まれた、としか言いようがないのだが。

 しかしいきなり店にやって来たのにも驚いたが、さらに店中の視線を集めて言った言葉にはさらに驚いた。

 

――刀を一振り、調達したい。この近くに都合できる場所はないか?

 

 そんなことを堂々と言ってのけたのだ。

 言うまでもなく翠屋は堅気の店で、その中心でそんな危ない発言をされても困る。周りの空気の変化を早々に察した母さんに半ば押し出されるような勢いで店から出され、ここまで案内したのだった。

 

 そこまで思い出してため息を吐き、意識を目の前に向ける。売っている物が物なせいか店内に他に人はいない。店の奥の方でテレビを見ていた店長が来客に気づき顔を上げた。

 

「いらっしゃい。……ああ、恭也くんか」

「こんにちは」

「今日はどういった用かな? 木刀はこの前仕入れたばかりだろう」

「ええ。今日は俺の用事ではなくて、この人の――」

 

 一応紹介しようと振り返れば、すでに神雷さんは刀の選別を始めていた。飾られている刀を一本ずつ手に取り、それでなにを確かめたのかすぐに元の場所に戻す。

 

「……恭也くん。まさかとは思うが、あの兄ちゃんに刀を売る気か?」

「ええ。そのつもりですが……」

「許可証は大丈夫なのかい?」

「そんなものは知らん」

 

 しっかり聞いていたらしい。神雷さんは横から一切の躊躇なく答え、その答えを聞いて店長は顔を顰めた。

 

「だったら売れないよ? さすがにウチから犯罪者を出したくはないからね」

「……むぅ」

 

 店長にそう念押しされて、神雷さんは困ったと呟くように唸った。

 

 銃砲刀剣類所持許可証。

 それは読んで字のごとく、銃器や刀剣を持つための許可証。自分と美由希の持つ小太刀、それと那美さんの持つ雪月や耕介さんの御架月にはちゃんと許可証が発行されている。

 

 だが、この人にはちゃんと許可証は発行されるだろうか?

 自分個人としては、この人の剣腕も人格も信用している。が、そんなことをこの店の店長が知るはずもなく、加えて盲目。許可証が出るか怪しい相手では売る気になれないのだろう。

 それを理解してか、神雷さんは刀を選別していた手を止めて、腕を組んでなにかを考えている。その内容はおそらく、調達できなくなった刀のことだろうが。

 

「あの……必要ならこの前の七葉を返しますけど」

 

 それはあの日この人からもらった小太刀。今は許可申請の手続きの最中だが、元の持ち主はこの人だ。もし必要と言うなら……

 なのに神雷さんはあっさりと答える。

 

「いや、いい。あれはお前にやったものだ」

 

 やはりあの日と同じように、そこに未練や執着は見られない。

 そのまま数秒、神雷さんは止まったまま考えていたが、やがて店長を振り返り口を開いた。

 

「店主。刀の形をしていれば刃は付いてなくていい。それならどうだ?」

「……確かに、木刀か模擬刀なら許可証は要らないないな。そっち――あんたから左斜め後ろの方にあるよ」

 

 指で示したついでに声で教えたのは盲目ということを配慮してだろう。

 だが、その指示を聞く前に神雷さんは模擬刀の群れに手を伸ばし、物色を再開している。さっきまでと同じように、手に取ってみては戻して、また違う刀へと手を伸ばす。

 一心不乱なその背に、ずっと気になっていた疑問を問い掛けた。

 

「あの……一つ訊いていいでしょうか?」

「ああ、なんだ?」

「なぜ、急に刀を?」

「……今夜、殺し合いをすることになってな」

「……はい?」

 

 今なんて言った、この人?

 その問答の間も、神雷さんの刀を選別する手は止まっていない。一本ずつ、なにかを確かめるように手にしていく。その手つきは両目が塞がっているとは思えないほどに淀みがない。

 やがて、一本の模擬刀を手にして、その動きが止まった。その一本をすぐに手放すことはせず、初めて鯉口を切り、わずかに刀身が鞘から抜かれる。目が見えているのなら刃筋を確かめるような体勢で、それも数秒、チン、と刀身を鞘に収め、

 

「これでいい」

 

 そう言って手にしていたもの。それは刃渡りだけでなのはやフェイトの身長を超えそうな長刀サイズの模擬刀。

 

「いいんですか、それで?」

 

 この人からもらった七葉は小太刀だった。でも今手にしているのはその倍はあろうかという一振り。

 

「ああ、このくらいが一番馴染む。……店主、いくらだ?」

 

 英断即決というか、彼は店に入ってから一連の動きに一切迷いがなかった。手にした模擬刀の代金を支払うべく袖からいつかの札束を取り出して、会計を済ませた。

 

「……まいどあり」

 

 店長はまだ少し迷っているようだが、それでも相手は客で、ちゃんと代金を払う以上仕方ないという感じだ。

 刀袋に入れてもらった長刀を背負うようにして肩に掛ける。袋の膨らみ具合から、注意すれば中が刀であることは簡単に分かるのだがそれでも直接見えない分、周りの人たちの反応もそう過敏なものにはならないと思う。

 

 店を出ると、商店街の喧騒が戻ってくる。そして神雷さんから一言。

 

「今日は手間を掛けたな」

 

 彼なりの謝罪かなにかだろうか。

 

「いえ、それは構いません。……それより、本当にそれでよかったんですか?」

 

 何度も同じことを訊くが、どうにも自分の中の不安や心配を拭えない。

 そして神雷さんも、もう何度も同じ質問をされているからか、少しだけうざったそうに口元を歪めて、柄尻に袋越しに手を置き答える。

 

「……俺が初めて手にした武器も、一番熟練してる武器も、これのような長刀だ。何一つ問題ない」

 

 そういえば前に家に来たときも、使った木刀は小太刀サイズではなくシグナムさんの持っていた通常サイズだった。ということは、そもそも小太刀は苦手な方なのだろうか。

 

「……不破恭也。それがなんであれ、拘りを持つのはいいが拘り過ぎるのもどうかと思うぞ。戦場では血糊や刃こぼれで斬れなくなるなんてのは珍しくない。そしてその度に死体から刀を奪うのも当然の選択だった」

 

 それは彼自身の経験か。やけに実感の篭った声で話す。

 そしてその内容は納得できる。銃だってそうだ。弾切れになった銃などただの鉄くず。投擲以外に使い道はない。

 その納得の気配を感じたのか、神雷さんは一度頷き、

 

「そもそも、得物を選ばなければ戦えないなど、二流以下のやることだしな」

 

 弘法は筆を選ばず、とかいうことか。

 

「あの……今夜やるという戦いを、見に行ってもいいですか?」

 

 殺し合いそのものは賛成できない。それでも、この人ほどの剣士の戦いとなると興味を引かれる。

 けれど、返ってくる答えは否定的。

 

「やめておけ。なんの参考にもならないだろうし、いくらか治したとはいえその足では付いてはこれん」

 

 どういう意味か。それを考えるより先に、

 

「殺し合いは今夜零時から始める。巻き込まれないように気をつけておけ」

 

 それだけ言い残して踵を返し、神雷さんはどこかへと歩いていった。

 

 

 

  1月27日 (金) PM 11:37

 

 時刻はすでに深夜と呼んでいい時間。

 昼にあの男――神雷の指定した果し合いの時刻を目前に、あたしはあの夜と同じ、桜台の展望台に陣取る。

 この街に来てから今までの生活で確信したが、ここからなら自分の左目は海鳴市の全域を見渡せる。狙撃において最高の場所だろう。

 

「ふぅ……っ」

 

 唾を飲み、胸に手を当てる。

 ドクン、ドクン、と規則正しく、しかし常にはないほど大きく響く。

 

 興奮している。

 

 それも仕方がない。今夜、五百年――あたしの半生の間、あたしの心を苛んだ憎しみに決着をつけるのだ。興奮しないわけがない。

 しかし、その決着の形が決して自分に都合のいいものとは限らないというのも理解している。

 

――お前に俺は殺せない

 

 確信を持って告げられたその言葉が、今になって脳裏に木霊し不安を煽っていく。事実、過去二回に及ぶ必殺の意志を以って為された襲撃からあの男は生き延びているのだから。(二度とも途中で横槍が入ってやめたのだけど)

 秒刻みで大きくなっていく興奮と不安を鎮めようと、ゆっくりと呼吸を繰り返す。大丈夫と自分に言い聞かせて、何度も何度も言い聞かせて――

 

「志乃」

 

 突然、背後から声を掛けられた。

 これには大げさなまでに肩を跳ねさせて驚いた。直前まで足音や車の音など、人が近づく気配はなかったはずなのに。

 けど、一人だけ心当たりがある。こんなことをできるのは――

 

「リスティ……」

 

 振り返れば案の定、そこにはリスティがいた。しかも、その背には三対六枚の金色の羽がある。

 

「なにしに来たの? ここにいると危ないから――」

「本当にやる気かい?」

 

 なにを、とはリスティは言わなかった。

 でも、その問いがなにを指しているのかは分かる。その問いに対して表情を引き締めて、

 

「うん……、やるよ」

 

 迷いなく答えた。その決意だけは決して揺らぐことはない。

 

「あの男は、あたしが殺す」

 

 その決意表明を見て、リスティは痛ましげに顔を顰めた。

 

「……なに?」

「……一応、ボクは警察の関係者なんだよね」

「そうだね」

「……で、その立場からすると止めるべきなんだけど……」

 

 ああ、そうか。確かにそうなるか。

 でも――

 

「それだったら問題ない――というのもちょっと違うかな? けど、あたしたちはそういうものでどうにかできる存在じゃないよ」

 

 人間の法は人間に順守させるためにあるもの。それを犯す者はまた、法によって裁かれる。

 けれど、千年も生きたあたしたち『呪い憑き』がどれほど『人間』であるのか。

 獣が生きるために人を喰らおうと、それは殺人者ではなく危険動物でしかなく、そして殺人ではなく食事でしかないというのに、『人間』の法で裁くという道理が通じるだろうか。

 とは言っても、不老不死となる前は普通の(というのもなにか違うけど)人間だったのも事実。だから、人間の世で生きる以上は最低限の倫理や道徳に従う程度の理性も知識もあるけど。

 

「それに言ったよね? あたしは昔、物の怪退治をしていたって」

 

 確かさざなみ寮での初日の夜、なにが切っ掛けだったか宴会でそれを言ったような覚えがある。

 

「あ〜〜……、そうだった……っけ?」

 

 けれどリスティは自信なさそうに疑う。それも仕方ないか。あの夜だけでも結構お酒が入ってたし、あたしもそれ以降は話題に出さなかったし。

 

「……まぁいいけど。それであの男はね、その頃に、唯一つ果たせなかった仕事の相手なんだよ」

 

 信仰の対象として崇められた果てに歪んだ意志を持つに至った石像。太古の獣の血と力を取り戻し人里を荒らし回った突然変異。呪法に侵され人の形をなくした肉塊。

 そういった様々な怪異を討ってきた中でただ一人、あの男だけは討てなかった。

 

「そう……」それだけ呟いてなにかを考えるように眉を顰めて「そんなに、アイツは強いのか?」

「うん、認めたくはないけど強いよ。五百年前、あたしと綺羅――《獅子姫》の二人がかりでも殺せなかったんだから」

 

 それどころか、そのときに綺羅は殺された。

 そのときの憎悪を忘れられないゆえに、今夜こうしている。逆恨みのようで格好悪いとは思うけど、他にどう自分の気持ちに決着をつけていいか分からないもの事実だ。

 

「で、どうする? もしまだ邪魔する気だっていうなら、あたしもなんとかしないといけないし……」

 

 とは言ってみるものの、自分としてはたとえ旅先でできた仮初のものであろうと、友人を傷つけるような真似はしたくはない。

 けれど予想に反してリスティは、なにかを諦めるように深いため息を吐いて、

 

「……いや、今回はいいや」

「本当?」

「ああ。ボクにもそういう、感情だけで周りに当たった過去はあるし……。ボクのときは耕介たちがいたけど、キミにとってボクがそうなれるか自信がない」

「……そう」

 

 その言い分に、勝手なことだが少し寂しさを覚える。

 確かにこの憎しみを止めることも忘れることも、誰にもできはしないだろう。でも、そう過小評価しなくてもいいのに……

 その沈みそうな気分をどうしようかと、時計を確認する。

 すると、もういい時間だった。

 

「さて、リスティ。もうすぐ時間だし、そろそろ帰った方がいいよ」

 

 そもそも、このままリスティがここに残っては昼間あの男を前にして退散した意味がないも同然になってしまう。

 そういう意味を、言外に伝えようとしたためか、声色が少し突き放すようになってしまった。

 けれど、それでリスティも渋々ながら分かってくれたらしい。

 

「……分かったよ」ハァ……っとため息を吐いて「だけど、条件が一つ」いきなり真面目な顔になり「……絶対に、生きて帰ってこいよ?」

 

 なにを言い出すかと思えば――

 

「……うん。約束する」

 

 命を掛ける覚悟と、命を捨てる覚悟はまったくの別物だ。そんなことも分からないほど素人じゃない。

 それに、不老不死になって生きてきた千年の間、いつだって、どんなときだって、『命を捨てても』なんて考えたことはない。

 けれど、リスティはその答えで安心するように口元を緩めて、

 

「よし。絶対だからな」

 

 それだけ言い残して、たぶん来たときと同じように、フッとリスティの姿が消えた。

 ……何度見ても――と言うほど見てもいないが不思議なものだ。

 HGSが発見されたのは約三十年前。けれど《黒翼》――あすかちゃんが同じ病気だというなら千年前にはこの世界にあったはず。

 でも、この街でリスティやあすかちゃんを見るまで一人たりとも目にしたことがなかったので、どうも馴染まない、というかなんと言うか……

 持つ異能の力の奇怪さで言えば自分の方が遥かに上を行くのだが、そのことを棚に上げてそんなことを思う。

 

 まあともかく――

 一度、深呼吸をする。

 帰る、と約束した。なら全力を以ってそれに沿おう。

 眼帯を左目から右目へと移す。

 

 そうして左目へと視界を入れ替えた瞬間、一秒前まで見ていた世界とはまったく違う世界を見る。夜の闇にも、距離という概念にも妨げられることなく見渡せる海鳴の街。そして――

 

 はるか彼方、今は見えない約束の場所の『あったはずの場所』を見詰めてそのときを待つ。

 

 

 

  1月27日 (金) PM 11:51

 

 夕方にはやてと恭也に聞いたとおり、神雷様は臨海公園にいた。

 千年越しの、二度目の再会。

 とはいえ、聞いた話のとおりならあと数分しか余裕はない。

 

 だが、そこでおかしなことに気づく。

 すでに視界に収めれるほどに近づいているのに、神雷様は警戒も注意も表すことなく微動だにせず、ひょっとして気づかれていないのではと思う。

 その様子を見ると昔できなかったことを――ちょっと悪戯をしてみたくなり、気配を殺したまま近づいて――

 

「……神無か」

「ッ! ……はい」

 

 やはり最初から気づいていたのか、接近を押し留めるように、あと五歩で手が届くという距離で声を掛けられた。そして――

 

「なにをしに来た? ……俺の首でも取りに来たか?」

 

 いきなり恐ろしいことを言う。

 

「なぜそう言うのです。わたしはそのようなこと、決してしないというのに」

 

 何度も否定しているのに、なぜかそれを話題にされる。『呪い憑き』というものがそういうものであるとは教わっているが、それでもそんな言い方は心外だ。

 

「ならなにをしに来た。今夜はお前の相手をしてやる余裕はない」

「ええ、知っています。それでも、あなたがここにいるというなら、それだけでわたしが足を運ぶには十分な理由です」

 

 千年もの間探し続けて、そしてかつて捨てられたときの真意を知り、それがそう簡単に捨てられる想いのはずがない。どれほどの時間と労力を用いようとかつての蜜月を取り戻してみせる。

 その決意はまた新たに、わたしの胸にあるのだから。

 

「……知っているというなら構わん。が、余計な手出しはするなよ」

 

 そう言って、神雷様は海鳴の街の方を仰ぎ見る。この闇のどこかに、今宵神雷様が殺しあう相手が隠れているのか。

 そう思うと、一つ案が浮かんだ。

 

「神雷様。よろしければ今宵の殺し合いの役目、わたしが代わりましょうか?」

 

 その今宵の相手は、恭也たちの話を聞く限りでは『呪い憑き』らしい。

 ならばわたしが戦おうと不都合はないだろう。

 だけど、神雷様の答えは――

 

「余計な手出しはするなと言っただろう。これは俺が、決着をつけなければいけない問題だ」

「……あなたと今宵の相手――無刃……ですか、その者とどのような経緯があるのかは知りません。ですが、あなたほどの方が直接手を下す必要はないでしょう? ならわたしでも――」

「憎しみを抱く苦しみは、俺も知っている。だから、俺がやらなければならない」

 

 ポツリと、独り言のように呟かれた言葉はわたしの言葉どころか思考を止めた。驚愕、と言っていい。

 

 憎しみ? 『心が欠けた鬼』を自称するこの方が、他者への感情が皆無か希薄なこの方が、そんなものを知っている?

 それについても十分驚いてはいるが、なによりこの方にそうまでさせた『何者か』がいるということが気にいらない。おそらくは以前に恭也の家の道場で語っていた『守れなかった誰か』なのだろうが、そんなことは千年前にも聞いていなかった。

 

 考えるうちに下へと下がっていた視線をもう一度上へ上げて、

 

「神雷様――」

 

 その憎しみがどういう由来なのか問い詰めようとするが、その当の本人はあらぬ方向を向いていた。

 一瞬、なにかと思うがすぐさま自分も心眼を展開。

 案の定、この場にいるはずのない何者かが、こっちへと近づいていた。それも、ありえないことに空から。

 だがしかし、この公園はすでに神雷様の作る『異界』に包まれており、あらゆる人間の意識と認識から除外されている。この場所を認識できるのはなんらかの形で霊体へと干渉できる者だけだ。この地が『開かれた霊穴』である以上その条件の適合者は他の地よりは多いだろうが、こうも都合よく現れるものだろうか?

 今この場に現れるということにわたしは警戒を帯びて固唾を呑み、しかし隣の神雷様はそれが誰か分かっているように落ち着いて、その何者かの出現を待つ。

 数秒の後、その何者かは闇の中から姿を現した。

 

「いた! やっと見つけた……」

 

 そう誰にともなく呟きながら空から降りてきたのは、長い金髪を二つに結わえた少女――フェイトだった。

 昼に見た白い服とは違い、肌にぴったりと張り付いた黒い衣装と黒いマントという服装。手には戦斧だろうか、見る者にやけに機械的な印象を与える得物を持っている。

 

 しかし、わたしも人のことを言えた義理ではないが、ここになにをしに来たのだろう?

 そしてその疑問はわたし一人のものではないらしい。

 

「お前までか……。なにをしに来た、フェイト・テスタロッサ?」

 

 それはなぜか、わたしに対する問いよりいくらか苛立ちを含んでいるように聞こえ、それが気のせいではないことを証明するようにフェイトは怯えたように身を竦ませた。

 

「それは……今夜のことをはやてから聞いて……それで心配で……」

「そうか……。それは余計な心配だな」

 

 それは同感だ。命を賭けるという場面で神雷様の身を案じる要素も必要も、一切ない。

 

「え……でも、その……」なにかを言い辛そうに言葉を濁し「あの……本当に今夜、殺し合いをするんですか?」

 

 ……いきなりなにを言い出すのか。それを知ったからここに来たのではないのか?

 

「わたしはたぶん今夜あなたが戦う相手――志乃さんに会ったことがあります」

「……ほう。それで?」

「ちょっと話を聞かせてもらったくらいで、あの人のことをそんなに知っているわけじゃないです。けど、そんな殺さないといけないような悪い人には思えなくて……」

「……だから、殺さないでほしい、と言う気か」

「え? ……それは、その……はい……」

 

 うろたえながら、最後は消えそうな声で答えた。

 その様子に神雷様はふぅっと呆れた、というより疲れたようにため息を吐き、

 

「俺は鬼だ」

「はい?」

 

 わたしにとってはすでに当たり前の宣言を、フェイトはいきなりなにをという感じに受け止めている。

 

「始まりは、ただ瞳の色が異端だっただけだろう。だがこの手はすでに、拭い落とせぬほどの血と罪で穢れている。……そして魂は冥界より呪詛を刻まれている。今更一人や二人殺すことに躊躇うことはない」

「……だから、何人殺しても構わないと言う気ですか?」

 

 そう必死に絞り出されたフェイトの声は、失望の色を隠せないように沈んでいる。

 

「いいや。殺さずに済むなら、それがなによりだろう」

「じゃあなんで――」

 

 なんで殺すことを肯定するのか。

 そう問うような顔をして神雷様を見上げて、

 それに神雷様は自嘲めいた笑みを浮かべて、

 

「なぜか……。俺にはそれしかできないからだろう」

「え?」

「言ってなかったか? 俺にできるのは殺すことと壊すことだけだと。どれほど違う答えを望もうと、この手が成しえるのはそれだけだ」

 

 己の手を見詰めるように掲げて放つその言い様に、フェイトは半ば呆然として神雷様を見上げるばかり。だけど――

 

「そんなことはありません」

 

 わたしは毅然として答えた。

 

「確かに、あなたの手によって数多の命は奪われたでしょう。しかし、あなたの存在に救われた命も僅かでも、確かにあるのですから」

 

 その一つが自分だからこそ、はっきりと言える。それにはフェイトも共感するように呆然としながらも頷いている。

 

「……それでも、この手が多くの命を踏みにじってきたことは事実。そして一度たりとも罪の意識など持たなかったことも現実」

 

 掲げていた手をぐっと握り締めて、

 

「だから、償いなどと奇麗事は言わない。ただ、怨嗟も憎悪も、全てを背負って願いの場所に辿り着く。……それが、俺の選んだ答えだ」

 

 そう言い放つ姿、まさに威風堂々。

 世界の悪意から目を逸らさず、己の罪から目を背けず、ただ在るがままにそこに在る。

 千年を経て、なお変わらぬその姿を目にし歓喜の震えが走る。

 この姿にこそ、わたしは惹かれたのだ。

 見ればフェイトも、頬を朱に染めてその姿に見惚れている。

 なんとなくそれが気にいらなくて、敢えて話題を変えることにする。

 

「それにしても――」視線は神雷様の手元に移し「あなたの力量を疑うわけではないですが、そんな棒切れ一本だけで大丈夫なのですか?」

 

 その手に握られている未だ刀袋に収められた得物に少々の不安が残る。

 神雷様が恭也に与えたという七葉や八景――その系統に名を連ねる刀のことは聞いたことがある。その九本の内の二本を所持していたことには驚いたが、それ以上にそれらを捨てて大量生産の模造品などを選んだことには疑問を覚える。

 

「……恭也にも言ったことだが」するりと刀袋の紐を解き「得物を選ばねば戦えないような素人とは違う」

 

 手にしていた刀袋から鞘に収められたままの(恭也から聞いた話では)模擬刀を取り出す。

 

「まぁ、『壱』の字を与えられた刀――壱覇は魔獣を討伐するのに使われたとか聞いた。形状は野太刀というから、ちょっとばかり興味はあったが……」

 

 そこで神雷様は言い淀んだ。

 なんとなく予想はつく。話し振りから察するに、手に入れるどころか見たこともないのだろう。それを言うなら、わたしは先日までそれらの一本たりとも見たことはなかったのだが……

 けれど、結局この方は何一つ未練の欠片も見せないまま、不意に空を見上げるようにして呟く。

 

「……そろそろ時間か」

 

 言われて公園に備え付けてある時計を見上げてみれば、ちょうど零時……の二分前。どれほど正確な体内時計を持ってるんだろう。

 するりと神雷様の刀を持たない方の手が顔に添えられ、一つ目の意匠の施された眼帯を毟り取る。

 

 その下に隠されていた黄金の双眸が開かれた。

 

 瞬間、『異界』は消失した。

 現実からの認識を遮る境界は消え、結界内に澱んでいた靄のような空気が晴れる。

 神雷様の手前、口に出しては言わないが、やはりまだ生きている身である以上あの世の空気より現世の方が馴染む――というか、気持ちがいい。

 

 と、そんなことを思うが神雷様はすでに次の行動に移っていた。

 まるで最初からそこになにかあると分かっているように虚空を見上げて、

 

「ここ数日、なんとなく気配は感じていたが……、やはりいたのか、生霊」

 

 そんなことを言った。

 驚いてその視線を追うと、そこにいるのは――

 

「ッ!? アリサ?」

「ふぇ?」

 

 霊体であるせいか輪郭は不鮮明だが、神雷様の瞳の先にいるのは確かにアリサ・バニングスの魂魄。

 そしてその名前にフェイトも反応した。そういえば二人は友人だったな。しかしどうやら見えていないらしく、そのアリサのいる空間とわたしに、交互に視線を動かしている。

 そう、驚きを露わにするわたしたち二人を神雷様は一瞥して、声を掛けることなくまたアリサの魂魄を見据えて、

 

「娘。今夜はお前の相手をする余裕はない。自分の名前を忘れないうちにさっさと肉体に戻れ」

 

 そう告げて左手を向けて、その手が銀色の光を帯びる。

 『御巫』の力。

 死者すら呼び起こすという膨大な生の力であるそれを向けられて、アリサの魂魄は払われるようにどこかへと消えた。……成仏ではなく、肉体に戻ったものと思っておこう。

 それを確認して、神雷様の手から光が消え、その手は下ろされた。

 肉体の方にも近いうちに、神雷様直々に処置を施すことだろう。それでこの件は一段落、かと思ったが、フェイトが不安そうに問い掛けてきた。

 

「あの……今、アリサって……」

「ん? ああ、……いや、なんと言っていいか――」

 

 二人の関係を考えると、そう易々と口にできることではないと思う。それに、神雷様は何日か前から覚えがあるらしいからちゃんと肉体に戻ることはできるのだろう。ならいずれ、本人にそれとなく――

 

 ギィィン!

 

 突如、思考を遮るように甲高い音が響く。とほとんど同時、視界の端を黒いなにかが横切った。

 それが闇に紛れるような黒い矢の切れ端で、今の音が神雷様が飛来した矢を斬ったものだと気づいたのは、神雷様が手にした模擬刀で鞘から抜きざまに斬り落とした姿を見れたからだった。

 今狙われたのがわたしであったなら、間違いなく射抜かれていた。

 そんなわたしの隣でフェイトは、驚いたように色々と視線を動かしている。その視線の動きから見えていたというのは分かるが、状況を理解しきれていないのだろう。

 そして、当の神雷様は――

 

「……どうやら、戯れはここまでのようだ」

 

 懐から取り出した時計で時間を確認して、すぐにしまう。

 そして街の方へと向き直って静かな声で遥か彼方――海鳴のどこかにいる無刃へと告げる。

 

 

「さあ、殺し合いを始めようか」




 

 

 第2章第11話お届けしました。今回ゲストには神雷を呼んでおります

「ああ」

 まぁ、ホントのところ、あと二話で第2章が終わることを考えると、最後に回ってもらおうかと考えていたんだけど……

「? なにか不都合があったのか?」
 いや、不都合ってほどじゃないよ。今回他に誰出せばいいか迷って、逆にその最後の回では他のキャラでいけるからと……消去法の結果?

「……まぁいい。それで、今回語るべきところは?」

 さぁ? 話の内容は前後編みたいに昼と夜、準備と覚悟といった感じにしてみたけどどこまでそれで通せるか

「……知らんよ。それは読む者次第だろう」

 それもそうか。……じゃあ、内容の是非はいつも通り読む人に任せるとして、懸念事を一つ言わせてもらうと……時間がない

「はぁ?」

 できるなら一年で3章まで終わらせたかったんだけど、今の調子だと今年中に2章が終われるかどうか、という感じな気がする

「確かに。最近やけに遅いしな」

 いあ、仕事が異動になってね、残業が増えたんだよ。おかげで書く時間が減ったんだけど――

「言い訳はいらん。責任は果たすためにあるものだ」

 ああもう、正論ばっかり。じゃあ早いけどそろそろ次回予告。とうとう因縁の二人の戦闘が開始。次回は一話丸々バトルに使う予定です

 

 

 どうでもいい補足 その2

 

・各キャラの霊体干渉能力度

 ■■ (神雷) ―― 見える触れる喋れると三拍子揃っており、もう生きてる人間相手と大差ない

 久遠 ―― さすが神雷の眷属。主とほとんど同じくらい

 那美・忍・すずか ―― 相手の霊力によって見え具合その他が変わる。それでもたいていは問題ない

 神無 ―― 過去、目の治療をしたときに神雷の血が使われており、その結果、はっきりと見える。でもそれだけ

 フェイト ―― ある理由から、神雷だけは分かる。けど他の幽霊はさっぱり

 アリサ ―― ……最近、変なのが見えるんです

 その他 ―― よっぽど波長が合えば、もしかしたら……





始まるのは殺し合い。
美姫 「よくよく考えてみれば、物騒な話よね」
まあ、確かに。
美姫 「どんな結果になるのかしら」
気になる次回。
美姫 「待ってますね」
ではでは。



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